『メガゾーン23 PARTⅡ 秘密く・だ・さ・い』を観ました。
あれから半年。省吾は殺人の容疑や重要機密を知る者として、警察と軍から追われる身となっていた。
はぐれ者ばかりが集まる暴走族に身を寄せていた省吾は、半年ぶりに由唯と再会する。
一方、巨大コンピューターのバハムートから消滅しなかったプログラム、“イヴの亡霊”は省吾を呼び続けていた。B.D.の部下である白鳥はプロトガーランドを餌に、省吾をおびき出す。
軍や警察に追われながらも、暴走族の仲間と共にバハムートを目指す省吾はついにイヴと対面。イヴは自身の根幹とも呼べるEVEプログラム、そしてADAMと呼ばれるプログラムの真実を語り始め……といったお話。
前作が好きだった人であれば続編である今作の存在も目に留まりますが、多くの人は蓋を開けてみて「えっ…」と戸惑ったかもしれません。
一番の違和感はキャラクターデザインで、前作の典型的なアニメキャラから一転、今作のそれは劇画調です。
何しろ、
これが、
こうなるんだから、どんな異世界に転生したんだよと(笑)。
当時、『~(1)』は好きだったけど、これにものすごい抵抗を感じていたので見なかったんだよね。主人公のキャスト変更も納得が行かなかったし。
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↑のBlu-ray版は全作が収録されているんですが、単品発売で終わっていたら、やっぱり見なかっただろうなぁ。
あくまで続編としての絵柄がウ~ンなだけであって、今作を初出とする作品であれば評価がもっと高かったと思います。80年代半ばの作品としては作画レベルも高いしね。
さらに、こういうTHE 劇画って感じの絵柄も、当時にしては珍しかったし。
ただ、作画レベルは高いんだけど、あまりにリアル調の画風になってしまった事で、感情が伝わりにくくなってしまったのは残念。ぶっちゃけ、あんま表情が変わんないので、声優の芝居に依存するしかないんですよね。
省吾の仲間である暴走族(セリフにはありませんがトラッシュというそうな)の面々は、いかにもなパンクファッションが見た目にキツいです。メイクや衣装のせいで、画面的にも色がガチャガチャしていて落ち着かないんだよ。
ファッション的には世紀末救世主伝説と似たようなものですが、こちらは現実寄りの世界観なので痛々しく感じますね。
東京が舞台=日本人なのにライトニングだのシンディだのって呼び名も寒々しい(笑)。
――なら、キャラデザや省吾の声が前作と同じであればどうだったか?と聞かれれば、それでも評価は変わりません。
前作で色々と経験を重ねて大人になったとも言えるでしょうが、省吾や由唯のキャラがチト違う気がするんですよ。前作の、青春時代ならではの青臭さが好きだったのでね。、大人になるための階段の1段目を踏み出したというか。
特に由唯がバイクを運転するあたりに違和感があるんですよ。省吾と出会う前ならまだ分かるんですが。バイクに乗る事で自立→強くなった事を表したいんでしょうが、由唯にはそんな必要はなく、省吾の後ろに乗ってるくらいが丁度いいんです。
前作は公開形態がビデオアニメという事で(一部では劇場公開もしていたそうだけど)、テレビの放送コードを超越した表現が可能となり、割と過激なエロやグロ描写がありました。
その辺が、より過激になってしまうのは後続作品としての常ですが、注力すべきはそんな所じゃないんだよな。
映画というエンターテインメントにおいて、最も手っ取り早く注目を得られるのはセックス&バイオレンス要素ってのは分かるんですが、特にこの頃は若い作り手側=絵描き屋が描きたいものを描くという欲求に駆られすぎている傾向が強かったですしね。
挑戦意欲は感じるものの、言い方を変えればただの悪乗りです。アニメでAVみたいな事をやっても、ま~寒い寒い。
飲酒&喫煙シーンが無駄に多いのも気になったかな。
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あら、配信はなさそうですね。
絵が綺麗な昭和アニメでも見てみようかな~という若めの人は、今作から見始めてもいいかもしれませんね。作画レベルは確実に高いですから。