観た、『トラック野郎 故郷特急便』 | Joon's blog

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『トラック野郎 故郷[フルサト]特急便』を観ました。

 

東京から高知へ向かうフェリーで出会った、ドサ周りを続ける歌手の卵、結花に一目惚れする桃次郎。

さっそく高知で仕事をする中、視界がぼやけた金造は事故を起こしてしまう。金造は失明を恐れ自殺を図ろうとしたところを風美子[フミコ]に救われ、こちらにも一目惚れしてしまう桃次郎。

風美子は燐に住む堀内の息子の妻だと聞かされ不貞腐れる桃次郎だったが、それは堀内の妄言で、その息子とはかつて桃次郎とトラブルを起こした竜次だった。

そんな折、桃次郎は結花と再会。思うように行かないキャバレー回りに疲れる中、本当の歌とは何かを諭された結花は、徐々に桃次郎に惹かれて行く。

そして桃次郎は竜次とも再会するが、過去を清算した竜次が風美子と共に生きる事を誓ったと知り、落胆する。

いよいよ歌を断念しようとしていた結花に、梅田コマ劇場への出演依頼の話が舞い込む。しかし、自分への想いを知った結花は、桃次郎との結婚を決意し……といったお話。

 

シリーズ第10作であり、最終作です。

10作目という自覚はあったように感じますが、最終作という気負いみたいなものはありません。右肩下がりになった結果の最終作だったようだし。

キチンと最終作という意識があれば、マドンナやワッパライバルが総登場!なんて展開もあったのかな?

ちなみに、公開当時には10作目記念パーティーというものがあったようで、歴代マドンナが参加していたとか……これは詳細を知りたい!

 

本作の脚本は中島丈博さん&松島利昭さんという、シリーズ初登板のお二人。

マンネリ脱却を図り、新風を拭かせようとしたせいか、ちょっと違う感が漂うのが残念。

手っ取り早く分かるところでは、桃さんとマドンナの会話。いつもなら終盤になっても桃さんは敬語を欠かさないのに、知り合ってすぐの時分でもタメ口になったりね。

脚本至上主義を貫いているのか、俳優や監督がこういう点に違和を唱えないのが昭和な作風なんですよね。あと2作くらい続ければ、もう少し馴染んだんだろうけど…。

 

とは言え、人情ドラマは相変わらず泣けます。

ジョナサンの妻=君江が唐突にジョナサン号を運転していましたが、そんなデタラメ設定も今作で活かしているんだから、まぁセーフとしましょう(笑)。

君江はトラックの運転はできるものの不慣れなようで、事故ってしまいます。その後、君江は自分で修理しますが、直してるのは”花嫁募集中”のアンドン。普段なら、“私がいるのに花嫁募集中ってどういう事よ?”とか言い出しそうなところを、黙々と直す姿が健気で健気で…。

その後、退院したジョナサンが“母ちゃん”ではなく、シリーズで初めて”君江”と呼ぶところで泣けましたよ。新参者による脚本が引き起こした怪我の功名ではあるんだろうけどね。

 

本作の見どころの一つは結花と風美子という、マドンナが二人である点。ちょっと桃さんも節度ないなー(笑)。

結花を演じるのは石川さゆりさんなんですが、当たり前ながら若いだけでなく可愛い!

現在の石川さんから逆算しても破綻(?)がないというか、若かりし頃からイメージがあまり変わっていないんですよね。特に声とか、もちろん変化はあるけど、聞いただけで「これは石川さゆりさんの歌声だ」と分かるんだから、これは驚きです。

ちなみに、本作のマドンナは一般投票にて決めるというトンデモ企画によりキャスティングされたそうです(石川さんは3位だったとか)。

もう一方の、風美子を演じる森下愛子さんに関してはあまり知識がないんですが、何となく堀北真希さんを連想しました。まぁ、いつもの幻覚なので、お気にせぬよう…。

 

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Blu-ray版の映像特典は、いつも通りの予告編のみです。

 

これにてトラック野郎シリーズは完結。

続編の予定を気にする人も少なくないようですが、これ以上は蛇足。あの時代に作れたからこそ面白いんだよね。

このところ、過去の傑作が自己顕示欲のままにリメイクされるケースが増えていますが(配信系に多いように思える)、本作に挑もうとする身の程知らずはいないでしょうし、いないで欲しいものです。