『トラック野郎 男一匹桃次郎』を観ました。
桃次郎は、熊本でフグに当たった事をきっかけに出会った雅子に一目惚れ。
雅子が剣道の達人だと知った桃次郎は、雅子の気を引くために一戦を交えるが敢えなく完敗。桃次郎は山籠もりをして修行に励む。
その際、不注意から川に転落した桃次郎は袴田という男に救われる。隼人という息子を連れる袴田はトラック運転手であり、雅子の義兄でもあった。
一方、ジョナサンは居酒屋の女将である和代に入れ込むあまり、妻子に嘘をついてまで足繁く店に通う有様。そんな和代はある秘密を抱えていて……といったお話。
シリーズ第6作目の作品。
6作目ともなれば作っている方もマンネリに飽きてくるのか、それまでの作品と比べると、やや対象年齢が上がっている雰囲気を感じます。
ウンコの話やトルコ嬢の露出も激減しただけでなく、ワッパライバルのトレーラーも地味すぎるし、ちびっ子は退屈してたんじゃないかな? まぁ、年端の行かない子供に見せる作品でもないけど(笑)。
今作での桃さんは、ちびっ子が大笑いするようなキャラではなくなり、むしろカッコ良さが強まっているように感じますね。ちょっとニヒルな要素が加わったというか。
特にセリフがいつも以上に熱いんですよ。
「あんたにとって子供は一部かもしれねぇが、子供にとって母親は全部だ!」
「バカ野郎、泣いている暇があったら会いに行け!」
とか、目が覚めるセリフが多いんですよね。そういえば、“バカ野郎”というワードも2回くらいしか出て来なかったっけ。
今作のワッパライバルは袴田。
いつものようにニックネームもなければトレーラーも黒一色で一切の装飾もしない、徹底したデコトラアンチです。
袴田のトレーラーと一番星号のバトルはシリーズ史上の名勝負でもあり、危険すら感じます。あんな長いだけでなく、蛇行するトレーラーの後ろに着くのってなかなかの恐怖じゃないですか?
そして、袴田を演じる若山富三郎さんの、ドッシリ構えた感が良いんですよ。
そんな若山さん、もちろん桃さん=菅原文太さんとの乱闘シーンも演じていますが、失礼ながら見た目に反してキレのあるアクションを見せてくれるんですよ。
殴り&殴られのアクションはあっても、地べたを転がるようなアクションはしなさそうなイメージもあったので、これが意外でした。前回り受け身とか、実に鮮やか!
にしても、ここ数作におけるジョナサンは回を重ねるごとに浮気願望が強まっていきますね。
綺麗な女性に見とれる事はあっても、せいぜいその程度でしたが、浮気どころか家庭を崩壊させる破壊力を秘めているくらいの大マジです(笑)。
さすがにそこまで大それた真似ができないのがジョナサンであり、世の中のお父さんの代弁者でもあるんですよね。
そんなエピソードが尻切れトンボ気味に終わるのは毎度の事ですが(笑)、次作ではシリーズ最大の浮気を見せてくれるので、それまでのお楽しみという事で。
今作を語る上で早めに話題に挙がるのは、マドンナを演じる夏目雅子さん。
27歳という若さで急逝した事を嘆く人も多いですが、そんな当時を知らない俺ッチは、こうして映像ソフトとして姿を見る事しかできません。
それ故か、正直なところ、そこまで美人さんなのかなぁ?といった感じでしたが、ところどころで見せる美しさにはなるほど!と思わせてくれます。
夏目さんの映画への主演は本作が初だそうで、ここから輝きを増すであろう片鱗を垣間見れるという意味では貴重な作品だと思います。
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Blu-ray版の映像特典は予告編のみです。
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