観た、『スモーク』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『スモーク』を観ました。

 

ブルックリンの街角にあるオーギーのタバコ屋には、今日も顔馴染みの面々がたむろし、他愛のない話に明け暮れている。

常連の一人である作家のポールは、スランプに悩んでいる中、何やら訳ありの少年ラシードと親しくなる。

ある日、オーギーを訪ねて元恋人のルビーがやって来る。妊娠したジャンキーの娘が父親に会いたいというのだ。

それぞれの結末を迎えるため、彼らの人生が絡み合い……といったお話。

 

主要人物(4人)のエピソードが連なり、それぞれが抱えていた問題を解決するような、ほっこり系の人情話ですね。

 

主人公のオーギーはタバコ屋の店主という事で、登場キャラの多くは喫煙者です。

俺ッチは非喫煙者どころか嫌煙者ですが(ふと思えば、近年はタバコの煙を吸わなくなっているのだから、いい社会になったものだと実感する)、例えば喫煙ルームみたいな場所で、喫煙者同士がコミュニケーションを図れるのが羨ましいと感じる事はあります。

これは酒に関しても似たような物で、嗜好品を口にしている瞬間は、どんな相手にも多少は気を許せるだけでなく、そこでしか話さないような話もしているだろうしね。

何だったかのバラエティ番組で、タバコを吸えないのに喫煙ルームに入って、喫煙者と一緒になって会話を楽しむという人がいましたが、心理的にはそんな感じです。

“タバコを吸う人間とは、それだけでクズそのものだ!”と息巻くような人は見なくていいですよ。

 

主人公であるオーギーは、根は人情家だけど、ひねくれた言動や皮肉の利いた冗談でそれを隠すような、こういうキャラ好きなんですよ。懇意にしている人にほど“クソったれ”とか言っちゃうような(笑)。

本人の人とナリはよく知らないけど、これを演じるハーヴェイ・カイテルさんがハマり役

 

本作には盗みの要素がいくつかありますが、これらが元のところに戻る事がなければ、盗んだ人間が咎められる事がない無法地帯というか、盗んだモン勝ちみたいな世界なのが気になりました。

6000ドルという大金が転々としますが、これを初めに盗み出した強盗はキチンと捕まったものの、金の行方に関してはノータッチなんですよね。

こういう時に、“ここはブルックリンだぜ”とでも言っておけば解決するんですかね(笑)?

まぁ、そんな無粋なツッコミはさておくと、盗みの対極として与える事も描いている。世の中の全てを自分の物にしたがる強欲な人間がいないのが憎めないんですよね。

ラストの、オーギーが語る“クリスマスのいい話”こそ、本作の世界観を端的に表すエピソードです。

 

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Blu-ray版の映像特典は、ほぼ予告編のみ。サントラをセレクトできる機能もありますが、まぁ使わないよね。

 

ちなみに本作には続編として、『ブルー・イン・ザ・フェイス』があります。

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オーギーと端役の数人が登場しているだけで、お話として”続編”とは呼べないんですがね。

 

これらの作品が気に入った人は、原作である

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もオススメしたい……ところですが、もう絶版に近いのかな?

『スモーク』と『ブルー・イン・ザ・フェイス』、両作が載っていますが、ノベライズではなく、こんな感じで、

シナリオ形式になっているのが良いんですよ。

基本的に本作は会話劇なので、こういう書き方の方がしっくり来ますね。