観てきた、映画『仮面ライダーガッチャード』 | Joon's blog

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映画『『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』』を観てきました。

どうでもいい話ながら、本作のタイトルには”映画”とか“劇場版”の一言がないんですね。

▲変身前と変身前が映っていない所にこだわりを感じる

 

突如として現れたドレッドルーパーの大群を迎え討つ宝太郎=仮面ライダーガッチャードたち。どうやら、この大群は未来のグリオンにより送り込まれたもののようだ。

ケミーと錬金アカデミーの面々の協力により、20年後の未来に向かった宝太郎とりんね。そこで見たのはグリオンにより崩壊させられた世界と、たった一人で戦う仮面ライダーガッチャードデイブレイク。そして、その正体は未来の宝太郎だった。

かつてデイブレイクに救われた恩がある宝太郎は共に戦おうとするが、未来の宝太郎はこれを拒絶。未来の宝太郎に秘められた悲しい過去とは……といったお話。

観ている最中、観終えた直後にはピンと来なかったけど、そこから時間が経つほど割とハードなお話だったんだなとジワジワ来るようになりました。大局的にはハッピーエンドに見えるけど、実はそうでもないんですよね。
これまで共に戦ってきた錬金アカデミーの面々は次々と倒れ、未来の宝太郎は苦境に立たされています。生き残っているのはアトロポスとクロトくらいで、険が取れているとは言え、味方と呼ぶにはややビミョーな感じ(ある意味、クロトがいれば百人力ですが…)。
協力者はいるけど心より気を許せる友もなく、満身創痍になりながらも戦い続ける――これって哀しみを背負いながらたった一人で戦うという、特に初代『仮面ライダー』大好きオジサンが喜びそうなシチュエーションじゃないですか? 未来の宝太郎は眼帯を着けていますが、わざわざ目を潰されるシーンを描くとか、割とハードな事もやってるしね。
ちなみに、俺ッチには『仮面ライダー』に漂っていたと言われる哀しみとやらはあまり理解できません。どの辺がそうだったのか具体的に教えておくれよ。

今や女性が仮面ライダーに変身するのが当たり前になってきた昨今、本作における仮面ライダーマジェードは女性初の2号ライダーとして、ちょっとだけ話題です。個人的には2号ライダーというより、1号の相棒くらいのポジションだと思っていますがね。
1号が男、2号が女、しかも同世代の学生という事で、宝太郎とりんねはいつくっつくんだろうと期待している人もいるんでしょうが、しょーもない色恋ネタを見せる気配が全くないのが本作のいい所です。二人の間にあるお互いの認識が”友情”には違いないけど、"仲間"と呼ぶ方がしっくり来るんですよ。

にしても、九堂りんねを演じる松本麗世さんは役柄と共に成長している感じで、こんな華奢な子に世界が守れるのかと心配したものですが(笑)、ずいぶん良くなりましたね。変身後の声が出るようになったのがいいんですよ。

特に目元、フロント常連になる前の若かりし西野七瀬さんに似ていませんか?と同意を得ようとしているのは、いつまで経っても当ブログだけのようです…。

 

似てると言えば、本作ではお笑い芸人ゲスト枠(?)として小島よしおさんが出演していますが(海パンに白衣というファッションが最高)、できればロッチの中岡創一さんを呼んで欲しかったんだよね。加治木とのツーショットはニーズがあると思うんだよ(笑)。


宝太郎が最も信頼を寄せているりんねが、未来には存在していないというのが切ないですね。りんねの存在がなくなる前の時代に行って未来を変えよう!なんて能天気な話にもならない、かなりヘビーで苦しいお話です。

タイムトラベル要素はあるものの、オチから察するに、過去を変えても未来は変わらないようなので、いわゆるタイムパラドックスが生じない、別の世界線が並行している、つまり、本作に登場する未来の宝太郎とは、我々がテレビ版本編として知る宝太郎が20年間生き続けた姿ではないんじゃないかと。
いわゆるマルチバースとでもいうんですかね、本編たる『仮面ライダーガッチャード』には"仮面ライダーガッチャード’(ダッシュ)"とも呼べる作品が同時進行していて、本編と”~’(ダッシュ)”がガッチャンコする話なんだと解釈しています。
この辺、大マジに考えながら見てると混乱した挙げ句につまんなくなるので、話半分で聞き流すのがいいですよ(笑)。

本編ではスポット参戦だった鳳桜・カグヤ・クォーツも登場します。
このカグヤが変身する仮面ライダーレジェンドは、その名の通りレジェンドライダー=過去に登場した仮面ライダーを出現させたり、自らもそれらに近い能力を使えたりと、ベルトのアナウンス音声も含め、仮面ライダーディケイドを意識しているのが見て取れます。
やってる事が同じ、もしくは似てるのならディケイドでいいじゃん?と思うんですよ。

コロコロと形態が変わるばかりで戦闘シーンがつまらない上に、昔のライダーをいっぱい登場させて、もはや着ぐるみショー感が否めません。召喚するライダーにも支離滅裂だし(強いて言うなら田崎竜太監督との縁が深いくらいか)。

何にせよ、たまにはジオウさんの事も思い出してあげて下さい…。


グリオンの手下である冥黒のデスマスクという連中も登場し、それぞれスパナ、ミナト、ラケシスの顔も持っているんですが、人選も含めて意味不明です。仮面ライダーレジェンドを狙っていたハンドレッドという組織の3人で良かったのに。
本編のみならず、映画やスピンオフ作品にまで付き合わなきゃならないんだから、近頃のライダー役者は拘束時間がかなり長そうで大変、というより気の毒だな…。

そして夏映画の恒例、新ライダー=仮面ライダーガヴの登場も欠かせません。
ここで新鮮なのは主人公の変身シーンがあるのって、実は本作が初じゃないですか? 変身を解いて正体を見せるシーンはあったけど。
実験を始めそうな変身ベルトには失笑しましたが、バックルの中にいるモンスターが実にバタ臭いというか、外国のお菓子のCMみたいに思えてね(笑)。
にしても、ガヴに変身するショウマのあの服、そのバックルどこから出してるの?という仮面ライダーシリーズの一つの謎に対するアンサーとして理にかなっているなぁ。

 

そしてお馴染み、劇場プログラム。

本編ラストカットが載っている点で資料性が高く感じます。あれを劇場で全部読めた人、いるのかな?