10月末の京都小旅行。

紅葉の時期を避けたのには、こんな考えもありました:

 

あれはコロナ渦に見舞われる7年ほど前のこと。

紅葉の時期に京都に行きました。

でも、永観堂は壁にそってぐるりと大行列。

開門時間内に入るのは無理と諦めるなど、あまり大した紅葉狩りはできずじまい。

 

学生時代、まだインバウンドなどという言葉が登場する前に行った紅葉の京都と比べると

雲泥の差です。

 

思い返せば、学生の時出会った秋の京都は忘れがたい景色づくしでした。

高雄山神護寺は紅葉がかなり進んでいて、落ち葉の上を、がさごそ音を立てながら歩いたあの感触!

真如堂の深紅のもみじは言葉を失うほど見事で、

永観堂も南禅寺、嵐山も素晴らしく、なのに人はぽつりぽつりとまばら。

 

いくらコロナの世になっても、あそこまでの静謐な環境下での紅葉狩りは都内在住である限り無理。

京都の秋は、かつて堪能した記憶の中の紅葉を時々取り出して再度楽しめばいい。

だから実際に行くのはピークオフにしよう、、と。

 

というわけで、色づく前ではあったけど、紅葉時期が断然いいとされる瑠璃光院に足を運びました。

限られた公開時期内にここを訪れる機会は滅多にないだろうから、と。

 

比叡山ケーブルカー往復の後、開門ちょい前に到着。

10月中は予約なしで普通に入れます。

 

 

 

瑠璃光院の説明がありました:

 

瑠璃光院
ここ「八瀬」は「矢背」とも記されるように、壬申の乱(672)で背に矢傷を負った大海人皇子(天武天皇)が「八瀬のかま風呂」で傷を癒したことから、平安貴族や武家の時代を通じて「やすらぎ」の郷として長く愛されてきた。この地には当初明治に建てられた別荘があり、三条実美はこれを「喜鶴亭」と名付け、直筆の命名額が当院に残されている。「喜鶴亭」は茶室名として現在も受け継がれている。
その後昭和初期にかけて1万2千坪の敷地に東山を借景とした築庭と述べ240坪に及ぶ数寄屋造りに大改築された。建築にあたった棟梁は、京数寄屋作りの名人と称された中村外二、築庭は、佐野藤右衛門一派の作と伝えられている。
その後現在まで、日本情緒あふれる名建築・名庭として著名人をはじめ多くの人々に親しまれ、近年では囲碁本因坊や将棋名人戦の舞台にもなったことが知られている。
山門を入ると数十種類のもみじや苔、数百本の馬酔木、比叡山の伏流水が主庭「山露路の庭」「瑠璃の庭」「臥龍の庭」を四季折々の趣で彩っている。
 

 

この地域は古い歴史があるものの、瑠璃光院自体は結構新しい寺院なのだ、と知りました。

 

 

 

 

 

言わずもがなですが、ここは磨きぬかれた机の上に映る木々を堪能する場所として知られています。

紅葉で真っ赤に染まる様子は机の上の絶景、といったところ。

 

この時期はまだ緑の庭でしたが、

じっくり映った木々を眺めていたら、ちょっとくらくらしてきました。

 

どこからどこまでが机の上なのか、まったくわからなくなってしまうのです。

外と内の景色が完全に融合してしまい、境目はどこ?と目を凝らしているうちに

不思議な世界に没入して、酔ってしまいそうな感覚に。
 

 

 

この景色、本当に机に映っているものなの?

これは外の景色なのでは?

まじでむきになって凝視します。

 


 

 

角度を変えたらちょっとほっと一息。

この角度だと、なんとなくわかります。

手すりが横から見えるので境目の印になるから。

 

 

 

さらに人を入れて撮ると、あるポイントを境に、人の像が上下対照になっているので、

ああ、ここが机のラインか、、と安心したり。

 

 

さらにカメラを引いてみます。

こうやって少し俯瞰で見ると、ああ、ちゃんと机がある、境目がわかる、、

 

この時は2,3人がカメラを構えている程度ですが、紅葉の時期には鈴なりになるのかも。

 

 

 

 

 

とはいえ瑠璃光院は机に映る木々だけではなく、

写経体験もあり、美術品などもあり。

 

今日は日が変わる時間になったので、続きは別途。

 

 

 

京都'22/秋⓪ 行くなら今のうちと言われ、京都に来ました

京都'22/秋① 比叡山中腹エリア
京都'22/秋② 三十三間堂で伝・運慶作の観音像を探せ!
京都'22/秋③ ドラマロケ地水路閣と龍馬の結婚式場跡
京都'22/秋④ 京都画壇・竹内栖鳳旧宅でランチ
京都'22/秋⑤ 高台寺 夜間特別拝観のイルミネーション
京都'22/秋⑥ 秀吉妻が眠る霊屋と光悦の又甥が建てた茶室 高台寺
京都'22/秋⑦ 銀行の旧・金庫室でランチ(前田珈琲 文博店)
京都'22/秋⑧ 大改修終了 清水寺
京都'22/秋⑨ 住友のロゴを使った作庭 京都泉屋博古館
京都'22/秋⑩ 建築拝見 前川國男/槇文彦/武田五一
京都'22/秋⑪ 建築家片山東熊の京博/表慶館/新宿御苑御休所/迎賓館赤坂離宮
京都'22/秋⑫ 昼過ぎの伏見稲荷大社・千本鳥居はガラガラで
京都'22/秋⑬ 旅行手配後の全国旅行支援適用と今回の宿
京都'22/秋⑭ ランチは六盛の手おけ弁当にまっしぐら
京都'22/秋⑮ 哲学の道 谷崎潤一郎の義理娘のカフェを引き継ぐ店など
京都'22/秋⑯ 瑠璃光院 序章
京都'22/秋⑰ 瑠璃光院の蒸し風呂
京都'22/秋⑱ 南禅寺/小川治兵衛作庭の店で夕食/石碑の謎
京都'22/秋⑲ 風神雷神図所蔵者・建仁寺と日本家屋のスタバ
京都'22/秋⑳ 鉄っちゃんのようにトロッコ列車待ち!
京都'22/秋㉑ ウォーホールがスケッチを描いた場所
京都'22/秋㉒ 大階段グラフィカルイルミネーション
京都'22/秋㉓ 三条通り歴史的建造物美観地区

京都'22/秋㉔ 辰野金吾設計 旧日本銀行京都支店見物
京都'22/秋㉕ 日本最古の現役エレベーター
京都'22/秋㉖ 銀閣寺の銀沙灘、そして湧き立つ疑問は未解決