【若紫27-3】古文単語「ひがもの」☆
こんにちは。このブログは
源氏物語イラスト訳「古文単語」のカテゴリです。
古文単語には、
1.とにかく丸暗記して覚える
2.漢字やイメージで覚える
3.文脈判断で決める
などの覚え方があります。
今回は現代で消えかけた死後的古語です♪
【今回の源氏物語】
「…かの国の前の守、新発意の、女かしづきたる家、いといたしかし。大臣の後にて、出で立ちもすべかりける人の、世のひがものにて、交じらひもせず、近衛の中将を捨てて、申し賜はれりける司なれど、…」
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今回出てきた古文単語
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■【かの国】…あの国。ここでは明石国をさす
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【前(さき)の守(もり)】…前任の国守
■【新発意(しんぼち)】…出家して間もない人
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【女(むすめ)】…娘
■【かしづき】…カ行四段動詞「かしづく」連用形
※【かしづく】…大切に育てる
■【たる】…完了の助動詞「たり」連体形
■【家】…家。ここでは明石の入道の家
■【いと】…とても
■【いたし】…すばらしい
■【かし】…念押しの終助詞
■【大臣(おとど)】…大臣。朝廷の高官
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【後(あと)】…後継。家督
■【に】…断定の助動詞「なり」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【出で立ち】…立身出世
■【も】…強意の係助詞
■【す】…サ変動詞「す」終止形
■【べかり】…当然の助動詞「べし」連体形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【人】…人。ここでは明石の入道をさす
■【の】…主格の格助詞
■【世の】…世にもまれな
■【ひがもの】…変わり者
■【に】…断定の助動詞「なり」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【交(ま)じらひ】…人づきあい
■【も】…類推の係助詞
■【せ】…サ変動詞「す」未然形
■【ず】…打消の助動詞「ず」連用形
■【申し】…サ行四段動詞「申す」連用形
※【申す】…「言う」の謙譲(ある人⇒朝廷)
■【賜はれ】…ラ行四段動詞「賜はる」已然形
※【賜(たま)はる】…頂戴する(「受く」の謙譲:ある人⇒朝廷)
■【り】…完了の助動詞「り」連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【司(つかさ)】…役人。役職
■【なれ】…断定の助動詞「なり」已然形
■【ど】…逆接の接続助詞
◇ 今回は「に」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「ひがもの」 ☆
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「…かの国の前の守、新発意の、女かしづきたる家、いといたしかし。大臣の後にて、出で立ちもすべかりける人の、世のひがものにて、交じらひもせず、近衛の中将を捨てて、申し賜はれりける司なれど、…」
問)次の傍線部の解釈として最も適当なものを1つ選べ。
1.世間でも風流だと言われている人で
2.世にもまれな変わり者で
3.世の中でいちばん愚か者で
4.世間で後ろ指さされている者で
5.世間の注目を集めている者で
次年度から始まる大学入試共通テストでは
古文に関しても、思考力・判断力に重点が置かれます。
【新学習指導要領及び高大接続における古典のポイント】
・複眼的問題文の読み比べ
・複数の問題文の抽象化・要約
・客観的根拠・論理的視点による理解
しかし今回のようなセンター基本問題も
大学入試共通テストでも出題されるでしょう。
では、今回出てきた古語を見てみましょう。
【ひがもの】
【名詞】
…ひねくれ者。変わり者
*Weblio古語辞典より
「ひがひがし(=ひねくれている)」
という形容詞が重要古語でございます。
どちらも、現代語にもある言葉ですが
あんま、使わなくね?
(;゚;∀;゚;)
【よの(世の)】
【副詞】
①世間の
②世にまれな。世にまたとない
*Weblio古語辞典より
この②の意味もついでに覚えておくと
訳のバリエーションが広がりますねっ♪
【答え】…2
「…かの国の前の守、新発意の、女かしづきたる家、いといたしかし。大臣の後にて、出で立ちもすべかりける人の、世のひがものにて、交じらひもせず、近衛の中将を捨てて、申し賜はれりける司なれど、…」
● 過去記事リンク
■か・かの
■かしづく
■いと
■かし
■も
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