【夕顔280-3】古文単語「さらに」
古文で最も必要となるのは、「情報処理能力」☆
今は、スマホで何でも検索できる世の中です。
調べた情報の中からどの意味を取捨選択するのか?
古文の学習は、その能力が最も求められるんですよ!
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【現代語のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
「何か、さらに思ほしものせさせたまふ。さるべきにこそ、よろづのことはべらめ。人にも漏らさじと思うたまふれば、惟光おり立ちて、よろづはものしはべる」など申す。
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今回出てきた古文単語
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■【何(なに)】…何。どういうこと
■【か】…疑問の係助詞
■【さらに】…この上に。いっそう
■【思ほし】…サ行四段動詞「思ほす」連用形
※【思(おも)ほす】…「思ふ」の尊敬(惟光⇒光源氏)
■【ものせ】…サ変動詞「ものす」未然形
※【ものす】…~ている(補助動詞)
■【させたまふ】…~あそばす。~なさる(二重尊敬)
※【させ】…尊敬の助動詞「さす」連用形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(惟光⇒光源氏)
■【さるべき】…そうなる運命の。そうなるはずの
■【に】…断定の助動詞「なり」連用形
■【こそ】…強意の係助詞
■【よろづのこと】…万事。すべてのこと
※【よろづ(万)】…すべて
■【はべら】…ラ変動詞「はべり」未然形
※【はべり】…「あり」の丁寧(惟光⇒光源氏)
■【め】…推量の助動詞「む」已然形
■【人】…人。世間の人
■【に】…対象の格助詞
■【も】…強意の係助詞
■【漏(も)らさ】…サ行四段動詞「漏らす」未然形
■【じ】…打消意志の助動詞「じ」終止形
■【と】…引用の格助詞
■【思う】…ハ行四段動詞「思ふ」連用形のウ音便
■【たまふれ】…ハ行下二段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…謙譲の補助動詞(惟光⇒光源氏)
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【惟光(これみつ)】…光源氏の従者
■【おり立つ】…自らその場に立って事を行う。身を入れてする
■【て】…単純接続の接続助詞
■【よろづ(万)】…すべて
■【は】…提示の係助詞
■【ものし】…サ変動詞「ものす」連用形
※【ものす】…する。行う
■【はべる】…ラ変動詞「はべり」連体形
※【はべり】…丁寧の補助動詞(惟光⇒光源氏)
■【など】…引用の副助詞
■【申(まう)す】…「言ふ」の謙譲(作者⇒光源氏)
◇ 今回は「ものす」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「さらに」 ☆
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「何か、さらに思ほしものせさせたまふ。さるべきにこそ、よろづのことはべらめ。人にも漏らさじと思うたまふれば、惟光おり立ちて、よろづはものしはべる」など申す。
問)傍線部の意味として、最も適当なものを一つ選べ。
1.何か、少し気持ちが乱れなさっているのだろうか。
2.何に、なおさらお心を向けていらっしゃるのだろうか。
3.何が、そんなにあなたを苦しめていらっしゃるのか。
4.何を、この上くよくよとお考えになっていらっしゃるのか。
5.何で、まったく気持ちを込められないのだろうか。
大学入試の古文解釈問題では、
一語一語をきちんと品詞分解し、
重要古語や助動詞を中心に
きちんと確認していきます。
今回の傍線部で、「さらに」を見ると、
「お、『さらに~ず』だね!」
と、多くの受験生は、ピンとくるかもしれません。
ですが、「さらに」の基本は
現代語の「さらに」なんですよね!
ヽ(*'0'*)ツ
【さらに(更に)】
【副詞】
①改めて。新たに。事新しく。今さら
②その上。重ねて。いっそう。ますます
③〔下に打消の語を伴って〕全然…(ない)。決して…(ない)。少しも…(ない)。いっこうに…(ない)
※Weblio古語辞典より
こういう、辞書的な古文の知識を持ったうえで、
大学入試によく問われる「さらに~ず」の意味を
文脈上で確認できるようになってくださいね!
(o^-')b
【解答】…4
「何か、さらに思ほしものせさせたまふ。さるべきにこそ、よろづのことはべらめ。人にも漏らさじと思うたまふれば、惟光おり立ちて、よろづはものしはべる」など申す。
● 過去記事リンク
■か・かは
■思ほす
■さるべき
■こそ
■はべり
■め
■人
■も
■もらす
■ものす
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