【夕顔134-2】「かは」の識別☆
源氏物語イラスト解釈です
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光源氏は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下した。帝の後妻である藤壺宮(ふじつぼのみや)が亡き母に似ていると聞き、思い焦がれるようになる。
ただ今、「4.夕顔(ゆうがお)」の巻。中流階級の空蝉(うつせみ)との仮初めの恋を経て、現恋人の六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)にも、正妻の葵上(あおいのうえ)のもとにも心が向かないでいる光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう、夕顔の君に心惹かれ、こっそり通うようになりました。
【今回の源氏物語】
「…もし聞こえありて便なかるべきことなりとも、さるべきにこそは。我が心ながら、いとかく人にしむことはなきを、いかなる契りにかはありけむ」など思ほしよる。
↑
――――――――――――――――
☆ 「かは」が出てきたら…こんな問題 ☆
――――――――――――――――
「かは」が出てきたら、
とにかく【反語】ヾ(o´C_`o)ノ゙!!
…まぁ、たしかに、
70%ぐらいは反語の意味なんですが、
「かは」=【反語】と捉えるのは早計!
ヽ(;´ω`)ノ
たとえば、こんな問題☆
きちんと識別できますかぁ?!(´Д`;)
「…もし聞こえありて便なかるべきことなりとも、さるべきにこそは。我が心ながら、いとかく人にしむことはなきを、いかなる契りにかはありけむ」など思ほしよる。
問)傍線部説明として最も適当なものを、次の中から選べ。
1.前世からの因縁であったのだろう。
2.前世からの因縁になることはないだろう。
3.どうして前世からの因縁になったのだろう。
4.どのような宿縁もあるはずはない。
5.どのような宿縁であったのだろう。
【か】
【係助詞】
①【疑問】~か。
②【反語】~か、いや~ない。
【かは】
【係助詞】
①【疑問】~か。~だろうか。
②【反語】~だろうか、いや~ではない。
*Weblio古語辞典より
…辞書を見ると、
同じような書き方がされていますが、
【かは】のほうには、このような注釈がついています。
ほとんどが反語?!
(((( ;°Д°))))
でも、今回の場合は、どうでしょうか?
「…我が心ながら、いとかく人にしむことはなきを、いかなる契りにかはありけむ」など思ほしよる。
光源氏は、こう思っています。
我が心ながら…
こんなにも、人に「染む」ことは、
これまで一度もなかった…。
…なのに…
夕顔と出逢って、
夕顔に、ここまで「染む」ことになってしまったんですね。
…ならば…
いかなる契りにかはありけむ
これは、
【反語】
どんな宿縁であったのだろうか、いやどんな宿縁でもなかった。
では、明らかにおかしいです。
【契り(ちぎり)】
【名詞】
①約束
②前世からの因縁。宿縁
*Weblio古語辞典より
こんなにも深く想い入れているのに、
前世からの因縁がなかったなんて、
…んなワケないですよねぇ;;
【疑問】
どんな宿縁があったのだろうか。
もっと言えば、
What a deep karma it is!
ぐらいの感嘆文的な意味あいになるんじゃないかと。
(。´・∀・)ノ゙
【正解】 5