【夕顔228-3】よく出る連語「べきよし」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔228-3】よく出る連語「べきよし」

古文単語は、生きた古文の中で覚えていくのがいちばん☆

アプリや単語帳などで、さらりと覚えたら、

どんどん古文に接して確認していきましょう♪

源氏物語イラスト訳 重要古語ラブラブ 

 

【古文単語の覚え方】

チェックボックス1.現代語から想像して覚える

チェックボックス2.漢字のイメージで覚える

チェックボックス3.ゴロを利用して丸覚えする

の3つのどれかで覚えます。

 

今回は、【丸覚え】で覚えましょ♪

 

【今回の源氏物語】

「…なにがし阿闍梨そこものするほどならここべきよし忍び言へかの尼君など聞かおどろおどろしく言ふかかる歩き許さなり

などのたまふやうなれ

   サゲサゲ↓

今回のイラスト訳はこちら

 

 

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今回出てきた古文単語
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■【なにがし】…だれそれ。某

■【阿闍梨(あじゃり)】…徳の高い僧

■【そこ】…そこ(惟光のいる所)

■【に】…場所を表す格助詞

■【ものする】…サ変動詞「す」連体形

※【ものす】…する代動詞)。ここでは、居合わすの意

■【ほど】…ようす。状態

■【なら】…断定の助動詞「なり」未然形

■【ば】…順接仮定条件の接続助詞

■【ここ】…この場所(廃院)

■【に】…場所を表す格助詞

■【来る】…カ変動詞「来(く)」連体形

■【べき】…命令の助動詞「べし」連体形

■【よし(由)】…こと

■【忍び】…バ行上二段動詞「忍ぶ」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【言へ】…ハ行四段動詞「言ふ」已然形

■【かの】…あの

■【尼君(あまぎみ)】…惟光の母。光源氏の乳母

■【など】…婉曲の副助詞

■【の】…主格の格助詞

■【聞か】…カ行四段動詞「聞く」未然形

■【む】…仮定の助動詞「む」連体形

■【に】…順接の接続助詞

■【おどろおどろしく】…シク活用形容詞「おどろおどろし」連用形

※【おどろおどろし】…大げさだ。仰々しい

■【言ふ】…ハ行四段動詞「言ふ」終止形

■【な】…禁止の終助詞

■【かかる】…このような

■【歩き(ありき)】…外出

■【許さ】…サ行四段動詞「許す」未然形

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【なり】…断定の助動詞「なり」終止形

■【など】…引用の副助詞

■【物(もの)】…何か。物事

■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)

■【やう】…ようす

■【なれ】…断定の助動詞「なり」已然形

■【ど】…逆接の接続助詞

  アップ

今回は指示語にも注意しましょ♪

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

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☆ 本日の古文単語「べきよし」 ☆

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「…なにがし阿闍梨、そこにものするほどならば、ここに来べきよし、忍びて言へ。かの尼君などの聞かむに、おどろおどろしく言ふな。かかる歩き許さぬ人なり」

など、物のたまふやうなれど、

 

問)傍線部の意味として、最も適当なものを一つ選べ。

 

1.この廃院に来いと、阿闍梨にひそかに伝えろ。

 

2.この廃院に来てはならないと、阿闍梨にこっそり言え。

 

3.この廃院に来たいということを、阿闍梨にこっそり伝えろ。

 

4.この廃院に来るべき理由は、阿闍梨にだけこっそり伝えろ。

 

5.この廃院に来るはずの阿闍梨を、ひそかに呼べ。

 

照れ  チュー  びっくり

 

傍線部の意味識別問題は、

 

① 重要古語の含まれるもの

② 文法事項を識別するもの

③ 文脈判断のみに頼るもの

 

の3つに大きく分かれます。

真顔

 

もちろん、この3つのいずれかではなく、

①~③のすべてが絡んでくる傍線部が

出題されやすいのですが…;;

滝汗

 

 

したがって、

意味識別問題が出てきたら、

傍線部の一語一語をきちんと見て、

重要古語文法事項がないかを

確認する必要があるんです!

ゲロー

 

ここに来べきよし、忍びて言へ

   矢印

「忍びて」の解釈は、

選択肢のどれも、そんな差異はないので、

 

ポイントは、

■重要古語「よし(由)」

■助動詞「べき」

 

の2つでしょう。

キョロキョロ

 

【よし(由)

【名詞】

①理由。いわれ。わけ

②口実。言い訳

③手段。方法。手立て

④事情。いきさつ

⑤趣旨

⑥縁。ゆかり

⑦情趣。風情

⑧そぶり。ふり

 

 ※Weblio古語辞典より

   

 

う~ん;;

 

重要古語の「よし」も、

助動詞の「べし」も、

意味がいっぱいありすぎて引くぅ~;;

( ;゚─゚)

 

 

 

実は、

多くの古文に触れていくと、

「―べきよし―」

などという、よく一緒に用いられる言葉の組み合わせがあるんです。

(-_\)(/_-)三( ゚Д゚)

 

 

【―べきよし

~せよとのこと   

   矢印

こんなふうに、

「べし」命令の意味で捉え、

「よし」「事情・いきさつ」などの意味で訳すと、

文脈がしっくり落ち着く場合が多いんです。

 

 

 

 

 

こういう古文特有の言いまわしを、

ひとつずつ積み重ねていくと、

古文読解にも、大いに役に立つんですよ!

(。´・∀・)ノ゙

 

 

【解答】…

 

 

 

【夕顔(第5章)】の一気読みはこちら⇒

【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

「…なにがし阿闍梨そこものするほどならここべきよし忍び言へかの尼君など聞かおどろおどろしく言ふかかる歩き許さなり

などのたまふやうなれ


 

過去記事リンク

なにがし(某)

阿闍梨(あじゃり)

ものす

ほど(程)

なり(断定)

未然形+ば

こ、これ、この(指示語)

来(く)

べきよし

べし①  べし②

よし(縦し・由)

しのぶ

て(接続助詞)

か・かの

尼君(あまぎみ)

の(格助詞)

む(助動詞)  

に(助詞)

おどろおどろし

な(終助詞)

斯かる

ありく(歩く)

ぬ(「ず」「ぬ」の識別)

もの(物)

のたまふ

ど・ども(接続助詞)

 

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