【帚木192-3】「あくがれ歩く」「まかり歩く」
勉強お疲れさま~あいです。
古文単語・文法覚えは、古文を読む必要条件☆
古文目線・慣れを積むのは、古文を読む十分条件☆
このブログで真の国語力を身につけてください
【本日の古文単語】
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
■【まこと】…本当
■【変はる】…ここでは、状態が変わって別れるという意
■【べき】…意志の助動詞「べし」の連体形
■【も】…強調の係助詞
■【たまふ(下二段)】…~ております(謙譲の補助動詞)
■【日ごろ】…何日も、幾日も
■【経(ふ)】…経る、過ぎる(ハ行下二段)
■【まで】…~まで
■【消息(せうそこ)】…手紙、便り
■【遣はす(つかわす)】…やる
■【ず】…打消の助動詞「ず」の連用形
■【あくがる】…さまよい出る
■【まかる】…退出する(「出づ」「行く」の謙譲)
■【歩く(ありく)】…歩き回る
※【あくがれ歩く】…ふらふら歩き回る
※【まかり歩く】…歩く、動き回る(「歩く」の謙譲)
■【~に】…~ところ、~のだが(単純接続)
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今日の古語詳解は、「あくがれ歩く」「まかり歩く」について☆
では行ってみよ~♪
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「あくがる」「まかる」「歩く」…☆
どれも重要古語ですよねー!
覚えてますか?
ヽ(゚◇゚ )ノ
【あくがる(憧る)】
①離れてさまよう
②魅せられる、惹かれる
【まかる(罷る)】
①(尊ぶべき所から)退出する(「出づ」の謙譲)
②(尊ぶべき所から別の場所へ)行く、参る(「行く」の謙譲)
③行きます、参ります(「行く」の丁寧)
④(「まかり~」の形で)謙譲や丁寧の意を表す
【ありく(歩く)】
①ありこち動き回る、移動する
②歩く、外出する
③~してまわる
(※『全訳古語例解辞典』小学館 より)
「あくがる」「まかる」については、今後何度も出てきますので、
まだ覚えてない人は、今日は①の意を頭に入れるだけにしておいてくださーい☆
(*^m^*)
今回は、「歩く」の③の意、
つまり、「~ありく」という複合語になったときのニュアンスです♪
(o^-')b
【あくがれありく(憧れ歩く)】
…浮かれて歩き回る、ふらふらさまよい歩く
「あくがる」は、もともと、本来の場所からさまよい出るという意ですので、
「あくがれ歩く」というニュアンスは、
ふらふらさまよって歩き回る感じ♪
(σ・∀・)σ
左馬頭は、嫉妬深い元妻というリードをなくし、
まるで魂があてもなくさまよい歩いているように、
何人もの女の所へ、転々と通い歩いていたのかな;
(*^_^ ;
また、「まかる」の④の意より、
【まかりありく(罷り歩く)】
…歩く、動きまわる
(「歩く」の謙譲)
ここで、「あくがれまかり歩く」という謙譲表現が、左馬頭の口から述べられていることにより、
「あくがれ歩く」の主体が、左馬頭本人であることを示しています。
(b^-゜)
さらりと流したいところですが、
このような複合語、謙譲語に即座にピンときて、
誰のどのような行為かを判別できることが、
古文をスピーディに読み解く手段なのです!
(o^-')b
● 本日の「源氏物語」まとめ
■帚木192(原文)
「…まことには変はるべきこととも思ひたまへずながら、日ごろ経るまで消息も遣はさず、あくがれまかり歩くに、…」
自力での現代語訳が難しい場合は、
下のリンクも復習してね♪
● 本日の古語~過去記事リンク~
■変はる
■も
■ながら
■日ごろ
(※その他重要古語一覧はこちら )
あいでした