【夕顔218-3】古文単語「持て参る」 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔218-3】古文単語「持て参る」

傍線部の解釈の基本は、

一語一語の逐語訳です。

選択肢といえど、あなどってはいけませんよ!

源氏物語イラスト訳 重要古語ラブラブ 

 

【古文単語の覚え方】

チェックボックス1.現代語から想像して覚える

チェックボックス2.漢字のイメージで覚える

チェックボックス3.ゴロを利用して丸覚えする

の3つのどれかで覚えます。

 

今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪

 

【今回の源氏物語】

紙燭持て参れ右近動くべきさまあら近き几帳引き寄せ

なほ持て参れ

のたまふ

   サゲサゲ↓

今回のイラスト訳はこちら

 

 

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今回出てきた古文単語
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■【紙燭(しそく)】…部屋の明かり

■【持て参れ】…ラ行四段動詞「持て参る」已然形

※【持て参る】…「持て来」の謙譲(作者⇒光源氏)

■【り】…完了の助動詞「り」終止形

■【右近(うこん)】…夕顔のお付きの女房

■【も】…列挙の係助詞

■【動く】…身動きする

■【べき】…可能の助動詞「べし」連体形

■【さま】…ようす

■【に】…断定の助動詞「なり」連用形

■【も】…強意の係助詞

■【あら】…ラ変動詞「あり」未然形

■【ね】…打消の助動詞「ず」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【近き】…ク活用形容詞「近し」連体形

■【御―】…尊敬の接頭語

■【几帳(きちやう)】…部屋の仕切り

■【を】…対象の格助詞

■【引き寄せ】…サ行下二段動詞「引き寄す」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【なほ】…もっと

■【持て参れ】…ラ行四段動詞「持て参る」の命令形

※【持て参る】…「持て来」の謙譲(光源氏⇒光源氏)

■【と】…引用の格助詞

■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)

  アップ

今回は「なほ」にも注意しましょ♪

「重要古語一覧」もご参照ください。
 

 

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☆ 本日の古文単語「持て参る」 ☆

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紙燭持て参れり。右近も動くべきさまにもあらねば、近き御几帳を引き寄せて、

「なほ持て参れ

とのたまふ。

 

問)傍線部ABの違いについて説明せよ。

   矢印

このような記述説明の問題が、国公2次や私大入試でよく出ます。

びっくり

 

 

これまでの受験形態では、

とにかく、センター等のマーク問題に焦点を絞り、

こういう記述問題を二の次にしてしまう…

いや、そうしたほうが効率的に対策できていました。

 

しかし、今年度から、【主体的・対話的な深い学び】が

学習指導要領として施行され始め、

それに伴って、【高大接続改革】が模索され始めます。

 

今までの

ニヤリ「記述は書くだけ非効率だから、白紙でいいや」

…的な受験勉強をしていると、

実際の入試で大きな失点となり、

痛い目を見ます!

ガーン

 

 

浪人生のみなさんは、

十分にそのことを痛感してると思います。

 

 

なので、このブログでも、

オリジナル問題のなかで、記述も入れていきますので、

解答を見る前に、自力で答えを考えてみてくださいねっ♪

(o^-')b

 

 

傍線部AB「持て参れ」の違いについて説明せよ。

   

「持て参れ」は、ラ行四段活用動詞「持て参る」の活用形です。

 

 

活用形で「持て参」という形になるのは、

已然形命令形の2つです。

 

まずは、その違いについて調べましょう。

ウインク

 

紙燭持て参れり。

   矢印

活用形は直後の接続にまず着目します。

 

完了の助動詞「り」がついてますねっ!

 

 

そう、あの有名な――

りかちゃん さみしい

の「り」です。

笑い泣き

 

そして直前の傍線Aは、何を隠そう

ラ行四段活用動詞

でしたよね!!

 

 

したがって、A已然形で決まりですウインク

 

 

 

「なほ持て参れ

   矢印

Bの「持って参れ」は文末にあります。

文末にあるとき、原則的には終止形命令形です。

(※係り結び連体形止めの場合は別ですが…)

 

 

今回の文脈を考えると…

 

 

…明らかに、命令形ですよね!

 

 

 

ちなみに…

「―参る」という動詞は敬語です。

 

【もてまゐる(持て参る)

【他動詞:ラ行四段活用】

…持って参上する。差し上げる(謙譲語)

 

 ※Weblio古語辞典より

   

この動詞の場合、謙譲語でしかないので、

違いを説明せよ」という設問の場合、

敬語の種類を説明する必要はありません。

 

しかしながら、

敬意の方向はどうでしょうか?

 

 

ほら、誰への敬意かは同じでも、

誰からの敬意かは、おのずと違ってきますよね!

 

なぜって…

A地の文だし、B会話文ですもんね!

笑い泣き

 

 

 

 

 

【解答例】

Aは、ラ行四段活用動詞の已然形であり、作者である紫式部から光源氏への敬意表現である。それに対し、Bは、ラ行四段活用動詞の命令形であり、話し手である光源氏から自分自身への自敬表現である。

 

自敬表現についてはこちらの記事もご参照あれ⇒

 

 

【夕顔(第5章)】の一気読みはこちら⇒

【源氏物語イラスト訳】の冒頭はこちら⇒

 

【今回の源氏物語】

紙燭持て参れ右近動くべきさまあら近き几帳引き寄せ

なほ持て参れ

のたまふ


 

過去記事リンク

紙燭(しそく)

もて出づ

まゐる(参る)

り(完了の助動詞)

右近(夕顔の女房)

べし①  べし②

さま(様)

に(識別)

なり(断定)

あり(ラ変)

ね(識別)

ず(助動詞)

ば(接続助詞)

おほん(御)

几帳(きちょう)

を(格・接続助詞)

引き~(接頭語)

て(接続助詞)

なほ

と(格助詞)

のたまふ

 

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