【夕顔217-2】受験生の苦手な「理由」問題☆ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【夕顔217-2】受験生の苦手な「理由」問題☆

古文解釈には、まず文法事項の理解が必要です。

最近“流行り”の【主体的・対話的な深い学び】にも、

まずは国語力の基となる基本知識が不可欠なんです。

源氏物語イラスト解釈ラブラブ

 

【これまでのあらすじ】

天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの恋、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)の獲得と、光源氏は不毛な恋を重ねていくのでした。

ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、惟光(これみつ)の実家の隣家にひっそり住まう夕顔の君に執心し、女の家で一夜を明かした後、彼女を廃院に誘いますが、夜半、夕顔は物の怪に襲われて急死してしまいます。

 

【今回の源氏物語】

引き動かしたまへど、なよなよとして、我にもあらぬさまなれば、「いといたく若びたる人にて、物にけどられぬるなめり」と、せむかたなき心地したまふ。

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 ☆ 古文オリジナル問題~解釈~ ☆

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引き動かしたまへど、なよなよとして、我にもあらぬさまなれば、「いといたく若びたる人にて、物にけどられぬるなめり」と、せむかたなき心地したまふ。

 

問)傍線部の理由として、最も適当なものを一つ選べ。

 

1.夕顔が弱々しく動かないので、どうしようもなかったから。

 

2.夕顔が、とても美しい女性だと物の怪に気づかれたから。

 

3.夕顔が、とても若くて物の怪の好みの風体だったから。

 

4.夕顔が意識が混濁した、茫然自失の状態であったから。

 

5.夕顔が、ひどくうろたえてのたうちまわっていたから。

 

照れ  チュー  びっくり

 

傍線部の解釈のなかで、

最も高度なのが、この理由説明問題です。

( ゚∀゚; )

 

 

傍線部の解釈と、文脈理解の二段階で

答えを導き出す必要がありますね。

 

 

では、一語一語の傍線部解釈から☆

 

けどらぬるめり。

   矢印

「物」は、「何か(something)」のこと。

ここでは、「物の怪(もののけ)」と捉えていいでしょう。

 

動詞「けどる」に、助動詞「れ()」「ぬる()」と、

「なめり(「なり」+「めり」)」がくっついた形。

 

【けどる(気取る)

【他動詞:ラ行四段活用】

…正気・魂を奪う

 

 ※Weblio古語辞典より

   

けどらぬるめり。

物の怪魂を奪わてしまったであるようだ。

   矢印

この「めり」は、推定の助動詞☆

 

 

視覚的根拠が、文脈のどこかにあるはずです。

キョロキョロ

 

 

 

 

そこで。

直前の「已然形+ば」に着目しましょう。

(o´・ω・`o)ノ

 

 

「我にもあらぬさまなれば」

   矢印

この、夕顔の状況――

これが、今回の理由視覚的根拠になります。

(※「我にもあらず」については、明日の古文単語にて)

チュー

 

 

 

 

 

 

【解答】…

 

 

ちなみに……

 

引き動かしたまへど、なよなよとして、我にもあらぬさまなれば、「いといたく若びたる人にて、物にけどられぬるなめり」と、せむかたなき心地したまふ。

 

問)傍線部の理由として、光源氏はどのように考えているのか。

   矢印

…という問題であれば、

選択肢3のような、「若びたる」を根拠とすべきでしょう。

 

しかし、この選択肢3は、

3.夕顔が、とても若くて物の怪の好みの風体だった(△ナシ)から。

   矢印

本文に書かれていない箇所がありますよね。

びっくり

 

 

 

 

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