痔を東洋医学でみると | 春月の『ちょこっと健康術』

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「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


「二足歩行する人類の宿命? その2」 で、日本人の7割が持ったことがあるか持っているとされる痔についてお届けしました。二足歩行になったために、下半身がうっ血しやすいからこそなりやすい病気、痔。東洋医学でみると、どうなるんでしょうか。


肛門部に小さな突出があるものを「痔」といいます。患部が腫れて痛む、かゆい、分泌物を伴う、出血するなどの症状がある状態を「瘡(そう)」というんですが、痔は瘡を伴うことが多いため、合わせて痔瘡と呼ばれます。痔瘡が悪化して、直腸の下端が肛門から出てしまうと、脱肛となります。


肛門の内側にあるものを内痔、外側にあるものを外痔と、一応区別はしますが、治療に際しては、痔瘡を起こしているもとが何か?によって、手当てが違ってきます。


余談ですが、最近、某製薬会社が、「プレシジョンメディシン」という考え方で、個人に合わせた薬を創るってCMを流してますね。そんなこと、東洋医学では2000年以上前から当たり前のことで、西洋医学もようやく追いついてきたのね~と思います。


話を戻して、痔瘡を生じるのは、湿熱による炎症が直腸や肛門で起きたとき、お血 が直腸や肛門に生じたとき、気虚脾気虚 )で中気(脾気)下陥を起こしたときです。


1 大腸湿熱による痔瘡・脱肛


辛いもの・味の濃いもの・あぶらっこいもの・甘いものの食べ過ぎや暴飲暴食などで大腸湿熱 を生じたり、暑湿外邪 が大腸に入ったりして、長期間、便秘するか、便秘と軟便を繰り返すと、湿熱と濁気が肛門部に蓄積して、痔瘡を生じます。


主症状: 痔瘡あるいは脱肛、肛門部の熱感

随伴症状: 便秘あるいは軟便、下血、尿の色が濃く量が少ない

舌脈所見: 舌質 紅、舌苔 黄膩、 滑数または濡数

ツボ: 次りょう承山三陰交 、商丘(ツボの位置は公孫 のページで)、百会 など


2 血お による痔瘡


気滞気虚寒邪内寒暑邪内熱 などがあり、肛門部にお血 を生じると、痔瘡になることがあります。


主症状: 痔瘡

随伴症状: お血を生じた原因によって異なります。それぞれのリンクページでご確認ください。

ツボ: 三陰交血海膈兪 に、お血の原因に対処するツボを加えます。


3 脾気下陥による痔瘡・脱肛


もともと虚弱体質、長患いや出産の後、老齢、長期間の下痢、飲食の不節制、長期間の精神的ストレス、過労などによって脾気虚 になり、内臓を支える昇挙作用が弱ると、痔瘡や脱肛を生じることがあります。内臓下垂・臓器脱 と同じ原理です。


主症状: 痔瘡あるいは脱肛

随伴症状: 疲れやすい、倦怠感、息切れ、食欲不振、食後の上腹部膨満感など

舌脈所見: 舌質 淡、舌苔 薄白、

ツボ: 次りょう足三里脾兪気海百会 など


のどの痛みや咳のツボ である孔最は痔の痛み、尺沢は痔の出血に対する特効穴にもなります。孔最には、お灸がよいとされています。百会のツボも、お灸がいいんですが、髪をかき分けてすえなければならないので、これはプロにしてもらいましょうね。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


春月の『ちょこっと健康術』-水仙
水仙


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