東洋医学講座 No.57 望診 舌診(舌質) | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


望診もいよいよ東洋医学独特の診断法である舌診に入ります。歯磨きのついでにチェックしてみると、自覚症状にでにくい体調の変化もとらえることができますよ。


舌診でみるのは、舌そのものの色や形である舌質(ぜつしつ)と、舌表面にコケのように生える舌苔(ぜつたい)の2種類。今日は舌質についてお届けしましょう。


1 舌と臓腑の関係


舌は主として心と脾の状態を反映しますが、経絡を通じて他の臓腑とも連絡しています。したがって、五臓六腑が健康かどうかをみることができるのです。


舌の根元は腎、中央部は脾胃、尖端部は心肺、両辺部は肝胆と、それぞれ関係します。たとえば、舌尖の紅みが強ければ に火熱があることを、中央が荒れていれば、 の状態がよくないことを示します。


分布を図にすると↓こんな感じ。

春月の『ちょこっと健康術』-舌と臓腑


2 舌形


春月の『ちょこっと健康術』-健康舌  春月の『ちょこっと健康術』-胖大舌  春月の『ちょこっと健康術』-痩薄舌   春月の『ちょこっと健康術』-歪斜舌


① 胖大舌(はんだいぜつ)

一番左(上)が正常な形とすると、2番目がそれよりも太ってぼってりした形。

・色が淡い→津液 の代謝が悪く水分や痰湿 が停滞して、 で陽虚が生じている。

・深紅→ で熱が盛んになっていることが多い。


② 痩薄舌(そうはくぜつ)

3番目は痩せて薄くなっているもの。陰血 が不足している。

・色が淡い→気虚血虚 が同時に発生して、気血両虚となっている。

・紅く乾いている→陰虚が強くて冷ます力が弱く、火熱が盛んになっている。


③ 芒刺舌(ぼうしぜつ)

舌の表面に棘のような細かなでっぱりがみられるもの。

・乾燥している→熱邪が盛ん。

・舌尖端に芒刺→心火亢盛

・舌辺に芒刺→肝胆火盛

・中央に芒刺→胃腸熱盛


④ 裂紋舌(れつもんぜつ)

舌の表面にはっきりとした亀裂がみられるもの。陰液 が不足している。

・色が淡い→血虚

・紅く乾いている→熱が盛んで津液が損なわれている。


⑤ 歯痕舌(しこんぜつ)

舌の縁に歯型がみられるもの。胖大舌と同時にあらわれるが、脾気虚内湿 が多いときにみられる。


⑥ 歪斜舌(わいしゃぜつ)

舌が左右どちらかへゆがんだもの。脳卒中の前兆であることが多い。


3 舌色


春月の『ちょこっと健康術』-舌色

舌表面の苔の色とは別に、舌本体の色をみます。画像は学生時代にコピーを入手したもので、出典が不明です。もしかしたら著作権にひっかかるかもしれませんが、このブログは商用ではないのでお許しくださいませ。大きな画像でごらんになりたい方は、パソコンからアクセスしてくださいね。


表の左へ行くほど寒(冷え)が強く、右へ行くほど熱が強い状態を示します。正常な舌色は表の中央左側(左から4番目)で、これを淡紅舌(たんこうぜつ)と呼びます。


① 淡舌(たんぜつ)

正常な舌色よりも色合いが淡いもの。気虚、血虚、陽虚などでみられる。


② 紅舌(こうぜつ)

正常な舌色よりも紅みが強いもの。熱証 にみられる。


③ 紫舌(しぜつ)

・深い紫色で、乾いて潤いがないもの→熱邪が強くて陰液が損傷している。

・薄紫色または青紫色で、湿って潤いのあるもの→寒証血お でみられる。


私自身の舌は、淡紅色ですが、歯痕がありますので、脾虚傾向にあり、湿が少したまっている状態。確かに、今足がむくんでます。水分代謝をうながすために、軽く運動したほうがよさそうです。


一天一笑、今日もいい1日にしましょう。


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