おはようございます
望診もいよいよ東洋医学独特の診断法である舌診に入ります。歯磨きのついでにチェックしてみると、自覚症状にでにくい体調の変化もとらえることができますよ。
舌診でみるのは、舌そのものの色や形である舌質(ぜつしつ)と、舌表面にコケのように生える舌苔(ぜつたい)の2種類。今日は舌質についてお届けしましょう。
舌と臓腑の関係
舌は主として心と脾の状態を反映しますが、経絡を通じて他の臓腑とも連絡しています。したがって、五臓六腑が健康かどうかをみることができるのです。
舌の根元は腎、中央部は脾胃、尖端部は心肺、両辺部は肝胆と、それぞれ関係します。たとえば、舌尖の紅みが強ければ心 に火熱があることを、中央が荒れていれば、脾 胃 の状態がよくないことを示します。
分布を図にすると↓こんな感じ。
舌形
① 胖大舌(はんだいぜつ)
一番左(上)が正常な形とすると、2番目がそれよりも太ってぼってりした形。
・色が淡い→津液 の代謝が悪く水分や痰湿 が停滞して、脾 腎 で陽虚が生じている。
② 痩薄舌(そうはくぜつ)
3番目は痩せて薄くなっているもの。陰血 が不足している。
・色が淡い→気虚 と血虚 が同時に発生して、気血両虚となっている。
・紅く乾いている→陰虚が強くて冷ます力が弱く、火熱が盛んになっている。
③ 芒刺舌(ぼうしぜつ)
舌の表面に棘のような細かなでっぱりがみられるもの。
・乾燥している→熱邪が盛ん。
・舌尖端に芒刺→心火亢盛
・舌辺に芒刺→肝胆火盛
・中央に芒刺→胃腸熱盛
④ 裂紋舌(れつもんぜつ)
舌の表面にはっきりとした亀裂がみられるもの。陰液 が不足している。
・色が淡い→血虚
・紅く乾いている→熱が盛んで津液が損なわれている。
⑤ 歯痕舌(しこんぜつ)
舌の縁に歯型がみられるもの。胖大舌と同時にあらわれるが、脾気虚 や内湿 が多いときにみられる。
⑥ 歪斜舌(わいしゃぜつ)
舌が左右どちらかへゆがんだもの。脳卒中の前兆であることが多い。
舌色
舌表面の苔の色とは別に、舌本体の色をみます。画像は学生時代にコピーを入手したもので、出典が不明です。もしかしたら著作権にひっかかるかもしれませんが、このブログは商用ではないのでお許しくださいませ。大きな画像でごらんになりたい方は、パソコンからアクセスしてくださいね。
表の左へ行くほど寒(冷え)が強く、右へ行くほど熱が強い状態を示します。正常な舌色は表の中央左側(左から4番目)で、これを淡紅舌(たんこうぜつ)と呼びます。
① 淡舌(たんぜつ)
正常な舌色よりも色合いが淡いもの。気虚、血虚、陽虚などでみられる。
② 紅舌(こうぜつ)
正常な舌色よりも紅みが強いもの。熱証 にみられる。
③ 紫舌(しぜつ)
・深い紫色で、乾いて潤いがないもの→熱邪が強くて陰液が損傷している。
・薄紫色または青紫色で、湿って潤いのあるもの→寒証 や血お でみられる。
私自身の舌は、淡紅色ですが、歯痕がありますので、脾虚傾向にあり、湿が少したまっている状態。確かに、今足がむくんでます。水分代謝をうながすために、軽く運動したほうがよさそうです。
一天一笑、今日もいい1日にしましょう。
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