養生保健のツボ 足三里 | 春月の『ちょこっと健康術』

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体験して「いい!」というものを中心にご紹介します。
「いいかも?」というものをお持ち帰りくださいませ。

おはようございます ニコニコ


以前、「女性特有の悩みに効くツボ 三陰交」 をご紹介したときに、足三里についてはいずれご紹介しますとお約束したのですが、すみません、すっかり忘れて、3ヶ月も過ぎてしまいました。しょぼん


ということで、今日は足三里をご紹介しますね。この足三里、単に三里とも呼ばれます。膝の下、三里のところにあるので、この名前がつきました。ちなみに、肘の下、三里にあるツボは、手三里です。三里は三寸のことで、手の人差し指から小指までをそろえたときの横幅分になります。


☆ ツボの位置


春月の『ちょこっと健康術』-足三里


「歯と歯茎のケアに使えるツボ」 で一度登場している足三里。膝を直角に曲げた状態で、手指4本をくっつけて、膝のお皿の下縁に人差し指の内側(親指側)をあて、小指の外側が触れるところで、脛骨(太い方の骨)と腓骨の間にとります。↑の図の赤●になります。


☆ 効用


消化吸収に働く脾胃を調える上で重要なツボです。「東洋医学講座 No.11 五臓の生理 その4」 でご説明したように、脾は「後天の本、気血生化の源」であり、これを丈夫にすれば、気血が充実して、健康な身体を保つことができる、というわけですね。なので、足三里は養生保健のツボと言われるのです。


食欲不振、消化不良、便秘、下痢、胃痛、腹痛、おなかのはり、悪心嘔吐など、消化器系のさまざまな症状の緩和に、必ずと言っていいほどよく使います。私の通っていた学校の鍼灸学科長が、「効きすぎるから、あえて使わないこともある。」というほどです。


また、昔から足を丈夫にするためにも使われてきました。江戸時代、庶民の間でお伊勢参りが流行っていましたが、出発前の3ヶ月間、毎日足三里にお灸をすえたといいます。旅の無事を祈りながら、すえていたんでしょうね。そして、足を丈夫にするのと同時に、脾胃を丈夫にしたのでしょう。


丹沢章八先生(医師、健康づくりアドバイザー、元全日本鍼灸学会会長)のお話によると、ある老人保健施設で週に1度、足三里と腰にある腎兪へ鍼を打ったところ、数か月で入所者の方々の転倒率が減ったそうです。これもまた、足三里に健脚を保つ効用があることを示していますね。


鍼灸施術では他に、腰痛で前屈するより後ろへそるときに痛むという場合や、疲労倦怠感があって元気が出ない場合などにもよく使います。


ご家庭でのケアに使う場合、特に胃腸を丈夫にしたいという方は、指圧するか、せんね〇灸タイプの家庭灸がおすすめです。家庭灸の場合、前にも書きましたけれど、台座のシールをはがして使いますが、べったり貼りつけないようにするのがコツです。落っこちない程度にふわっと乗せておく。熱くなりすぎるのを防ぎますよ。そして、熱さを感じたら、はずしましょう。そうすれば火傷しなくてすみますし、効用としても十分ですからね。


春月の『ちょこっと健康術』-里桜2


水に浮かぶ桜もおつなものです。


春月の『ちょこっと健康術』-里桜


関東では八重桜の時季となりました。今日弘前で染井吉野が開花したとか。福島では満開と聞きました。東北もいよいよ春ですね。


今日もいい1日になりますように。