【帚木436-3】古文単語「あこ」
源氏物語イラスト訳のあいです
さあ!今日は重要古語!
毎日、少しずつ入れていきましょぉ♪
(ノ´▽`)ノ
【今回の源氏物語】
「…さりとも、あこはわが子にてをあれよ。この頼もし人は、行く先短かりなむ」
とのたまへば、
「さもやありけむ、いみじかりけることかな」と思へる、「をかし」と思す。
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今回出てきた古文単語
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■【さりとも】…そうであっても
■【あこ】…お前
■【は】…提示の係助詞
■【わが子】…私の子
※【わ】…私。我
※【が】…連体修飾格の格助詞
※【子】…子供
■【にて】…資格の格助詞
■【を】…詠嘆の間投助詞
■【あれ】…ラ変動詞「有り」の已然形
■【よ】…念押しの間投助詞
■【この】…この(指示連体詞)
※【こ】…これ(指示代名詞)
※【の】…連体修飾格の格助詞
■【頼もし人】…頼りになる人
■【は】…提示の係助詞
■【行く先】…将来。余命
■【短かり】…ク活用形容詞「短し」の連用形
■【な】…強意の助動詞「ぬ」の未然形
■【む】…推量の助動詞「む」の終止形
■【と】…引用の格助詞
■【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【ば】…順接偶然条件の接続助詞
■【さ】…そう。そのように(指示副詞)
■【も】…強意の係助詞
■【や】…疑問の係助詞
■【あり】…ラ変動詞「有り」の連用形
■【けむ】…過去推量の助動詞「けむ」の連体形
■【いみじかり】…シク活用形容詞「いみじ」の連用形
※【いみじ】…大変だ。ひどい
■【ける】…過去の助動詞「けり」の連体形
■【かな】…詠嘆の終助詞
■【と】…引用の格助詞
■【思へ】…ハ行四段動詞「思ふ」の已然形
■【る】…存続の助動詞「り」の連体形
■【をかし】…かわいい。素敵だ
■【と】…引用の格助詞
■【思す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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古文単語の学習のしかた
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古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…日本語にはあるが受験生世代はほとんど使わない語。
今回の「あこ」は、
①古典特有語の部類に入ると思うのですが、
単語帳には載ってませんよね~;
入試では、出題されることが少ないからですが…
人物や身分、人称に関わる古語は、
古典常識として覚えておくと、
主語・目的語を見分ける際に
ヒントとなる情報が増えて
古文が読みやすくなりますよ♪
(o^-')b
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本日の古文単語 「あこ」
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「あこ」は、前回の源氏物語でも、
会話文中に出てきましたね。
(名詞)
①わが子(自分の子を親しんで言う)
②お前。きみ(目下の相手を親しんで呼ぶ)
*「学研全訳古語辞典」より
会話文の中で、
明らかに、小君に呼びかけているので、
②お前。きみ
という二人称代名詞で用いられています。
目下である小君を、
「あこ(吾子)」と親しみをこめて呼ぶことで、
他人とは思えない、親密性をかもし出します。
小君は、いとしい空蝉の弟…。
本当に、光源氏は自分の子と思っているかは別にして、
それほど親しく、
空蝉の弟と関わりを持ちたい
ということなんでしょうね!
ヽ(゚◇゚ )ノ
「…さりとも、あこはわが子にてをあれよ。この頼もし人は、行く先短かりなむ」
とのたまへば、
「さもやありけむ、いみじかりけることかな」と思へる、「をかし」と思す。
● 過去記事リンク
■さりとも
■のたまふ
■も
■けむ
■いみじ
■をかし
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今日もご訪問ありがとうございました☆
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