先回の最後に「乞うご期待!」と大見得を切った3両編成の先頭車用屋根板は、切継ぎ方法を変更してみましたが、なかなか思い通りの結果に至らず苦戦中です。これでは収まりが付きませんので、別作業からご覧下さい。
2扉車のクモハ213-5000番台(左側:マイクロエース製)と、加工中の2両編成のパンタ付先頭車(右側)です。
先々回(28)で述べたように、2両編成の1M方式ではヒューズ箱が屋根上に搭載されています。位置的には、パンタ後方の角形ベンチレーターと横並びなのですが、正確な位置が判りません。そこで、模型のクモハ213-5000番台と、ネット上に投稿された実車写真を参考に位置決めをしました。
手前側が、ヒューズ箱を追加した2両編成用のパンタ付車両で、実車は5000番台ではなく6000番台になります。奥側は、参考にした2扉車のクモハ213-5000番台です。
左側が参考にした2扉車、右側がヒューズ箱を追加した当該の6000番台車両です。
実車写真から、角形ベンチレーターより少し前方(0.5mm)で、パンタ配管の内側(1mm)の位置に決めしました。取付穴はφ0.6mmを2.5mm間隔で開けています。クモハ213-5000番台(上側)に見られるヒューズ箱への配線は省略しました。上面にモールドの分割線・丸形の注入孔跡が目立ちますので、ヤスリ掛けする予定です。また、写真では判り辛いですが、使用したKATO製モハ182-1000番台用のヒューズ箱(ASSYパーツ)は銀色ですので、屋根板と共に灰色に塗装する予定です。
加工済みの2両編成用の屋根板2枚(奥側)と、加工中の3両編成用の屋根板3枚(手前側)です。今回の加工品はベンチレーターの移設を終えた状態で、クーラー取付部のビードの除去や隙間埋めの作業はこれからです。
今回、変更した切継ぎ方法は次の通りです。
中央のベンチレーターの切継ぎは従来通りです。切継ぎ方法を変更したのは、運転台側のベンチレーターです。従来のベンチレーターの前後だけの狭い範囲ではなく、無線アンテナの基台があったビードのない箇所を境目(ベンチレーターの中心から前方18mm)として、後方(ベンチレーターの中心から後方10mm)まで広範囲に切り出しました。
ベンチレーターの中心から前方11mmの箇所で切り離す。(切り損なって曲がっていますが・・・)
ベンチレーターの載った方の屋根板を前方に接着(切断線は直線になるようにヤスリで修正済み)。残った小さい方の屋根板は、後方の穴埋めに使用します。
パンタなしの屋根板で、手前側が今回加工中の物、奥側が先行で加工した2両編成用です。今回は、パンタ付と同じ方法で切り継ぎました。先行加工の方法では、移設したベンチレーターの直前に、最前部にあったベンチレーターの撤去跡が残りビードが欠損しています。今回の切継ぎ方法では、撤去跡は移設したベンチレーターの後方の穴埋め用になりますが、この部分はクーラー取付部に当りビードが不要の箇所になります。従来は撤去跡もプラ板で穴埋めしていましたが、今回の方法ではクーラーで隠れる箇所になるので穴埋めも省略しました。この結果、前位クーラーの前方にあったビードの欠損箇所がなくなり、所期の目的が達成できました。
後方のベンチレーター移設は、中間車と同じ方法にしたのですが、これも切り損なってしまい、救済のために元通りに再接着してから枕木方向目一杯まで切り継ぐ羽目になりました。大幅な隙間埋め作業が必須です。
パンタ付の屋根板に戻って、手前側が今回加工中の物、奥側が先行で加工した2両編成用です。今回の切り継ぎで曲がって切ってしまった分をヤスリ補正したため、長さが不足する分はプラ板(0.5mm厚を2枚重ね)で埋めています。先行加工では、最初に加工したパンタなし車両ではビードが欠損したベンチレーター撤去跡が目立ちましたので、これを無くす工夫として、本来の無線アンテナ取付箇所を切り取り、ベンチレーター撤去跡を新たな無線アンテナ取付箇所に転用したため、ビードの途切れとライトの光漏れが生じてしまいました。今回の方法では、本来の無線アンテナ取付位置(ビードなし)を温存して、切り継ぎ箇所を変更したことで問題が解消できました。
ところで、前回迄の加工で粗目のサンドペーパー(#400)を使い切っており、削り作業に着手出来ない状況です。今回加工の2枚については、前位クーラーの取付部をビードなしに仕上げる加工が全く未着手。パテ埋め後の表面を整える作業も同様ですので、屋根板加工がなかなか終りません。(続く)