暫く間の空いた211系5000番台への改造を続けます。先ずは手間が掛かるであろう0番台・1000番台の旧製品を種車とする2両編成から着手することにしました。
クハ211-0番台(左:前面窓を加工済み)と、クモハ211-1000番台(右:未加工)です。
最初に未加工のクモハ211-1000番台を分解しました。前面板はこれを使用せず、以前にクハ211-0番台で5000番台仕様に窓を拡大した試作加工品を転用します。実車のクモハ211では前面貫通扉にホロを装着していることから、以前の試作加工に際して前面貫通扉に酷く傷を付けた前面板を、ホロ装着により少しでも傷を目立たなくして救済するのが目的です。前面板をもぎ取られたクハ211-0番台には、クモハ211-1000番台で取り外した未加工の前面板を振り向けることにします。
2両編成の種車は前面貫通扉の上部にある種別幕(行先方向幕)がモールド表現で照光式ではないのですが、3両編成の種車は照光式ですので、2両編成も照光式に改造することにします。
手前から、下回りでクモハ211-1000番台の非照光式,クモハ211-3000番台の照光式(照光機能付)です。
続いてボディーも同様にクモハ211-1000番台の非照光式,クモハ211-3000番台の照光式になります。照光機能付の下回りを使用するには、ボディの先頭部天井に穴開け加工が必要になります。
左側が照光式のボディです。右側の非照光式のボディを照光式に改造するには、天井部の穴開け以外に前面上部にも切欠きが必要です。
照光式の天上部の開口寸法は、写真の位置で長さ方向が9mm・幅が最大6mmです。
9mm×6mmの角穴となる4隅にドリルでφ0.8mmの下穴を開けて、この穴を利用して糸鋸で切り抜きます。
前面には縦2mm×横幅5mmの切れ込みを入れる必要があります。
穴開け・切欠きが完了したので、照光式の下回りを仮嵌めして問題のないことを確認しました。
表示幕部を照光式にするため、穴開けの下穴としてφ0.5mmを3箇所あけましたが、中央だけ貫通しません。
前面幕の裏面中央には固定用のピンが形成されており、これが穴の貫通しない原因ですので平刃のデザインナイフで根元から削ぎ取りました。貫通扉窓下部の両側に僅かに残る○形のモールドも、GM製の窓ガラスを使用する際に当って浮きあがってしまうので同時に削ぎ取っておきました。
下穴を更にφ0.8mm→φ1.0mmと順次拡大し、斜刃のデザインナイフで切り抜いてヤスリで仕上げます。
GM製の211系5000番台用の前面をそのまま利用する場合には、マスキングテープを貼った箇所を除去する必要があります。ガラス下部は2mm幅、扉窓上部は1mm幅で切り落とせばピタリと装着が可能です。
前面幕の切り抜きを終え、GM製の窓ガラスを嵌めた状態です。
助手席側の窓を下方に拡大しているため、ボディにある助手席側の内部モールドが窓ガラスを通して見えてしまいます(左側のボディ)。そこで助手席側のみ切り取って高さを2mm下げました(右側のボディ)。これでボディの加工は終了です。
前面周りの加工が終わったのでボディを組み立てて、照光式下回りを嵌めようと試みましたが嵌りません。
側窓ガラスに原因がありました。外側の2枚が非照光式のクモハ211-1000番台用、内側2枚が照光式のクモハ211-3000番台用で乗務員窓と次位の戸袋窓の下部が大きく切り込まれていること(照光式機能のためライトの遮光ケースが大型化したことに対応)が判明。クモハ211-1000番台用の側窓ガラスを同一形状に加工した結果、無事に下回りを装着することができました。
完成したクモハ211-5000番台の前面です。ホロは手元にあったものを両面テープで仮装着してみましたが、正面からアップで見ると扉の切り傷は残念ながら見えています。
準備してあった下回りを装着すると、ぐっとJR東海車らしくなりました。残るは屋根上の加工です。
313系との連結具合を確認してみました。車高も揃い良い具合です。
残った加工は屋根上機器の大幅変更です。十分に検討してから着手したいと思います。(続く)