クモハ211-5000番台の屋根板加工の続きです。
では加工した順番に説明します。
手前がクモハ211-5000番台用に加工中の屋根板、奥側が先行して切継ぎが終わっているクハ210-5000番台用の屋根板です。クモハ211で右手に見える角形ベンチレーターを、クハ210と同じ位置(7mm前方)に移設しますが、先述のようにクハ210と同一手法で移設すると、直前にベンチレーターの撤去跡(禿)が残ってしまいます。実車では、先端部分からクーラー設置部分まで無線アンテナ周辺を除いてビードが連続しており、途中にビードが欠落する箇所(禿)はありません。
そこで、切断箇所を工夫して禿なし対策をすることにします。先端から5.5mm(無線アンテナ周辺でビードの無くなる取っ掛かり部分)と、此処から32.5mm(角形ベンチレータの中心から10.5mm)後方の箇所とに、それぞれマスキングテープを枕木方向に貼り付けます。2本のマスキングテープの右側に沿って糸鋸の刃で切れ目を入れ、2本の切れ目が入ったら、切れ目間を長手方向に長方形に切り抜きます。
先端部分を切り抜いた状態です。切り口の直線は、相変わらず乱れていますが気にしないで・・・。
切り抜いた長方形の小片で、左側を7mmの箇所で切り離します。
2つに分割された小片の位置を入れ換えます。この並び方で、くり抜いた屋根板に戻すのが今回のポイントです。
手前が加工中のクモハ211用の屋根板に先程の小片を嵌め込んだところ(裏面に貼ったマスキングテープで小片を仮固定)、奥側が切り継ぎ加工済みのクハ210用の屋根板です。移設した角形ベンチレーターの位置が無事に揃いました。然し、先端側に白いプラ板で塞いだビードのない穴跡(禿)が残っていますが、この部分を無線アンテナの台座部分のビードなし箇所に転用してしまおうというのが、今回の目論みです。
移設したベンチレーターの後ろ側に嵌った小片は、新たにクーラー設置箇所となり、ビードがない部分となります。従って、2つの小片をそれぞれ最終形に加工を済ませてから、改めて屋根板本体に接着して隙間を埋める作業をすることにします。また、クモハ211では後側(連結面寄り)のクーラー設置箇所から後方にはビードがなく、パンタグラフの前部に残った短い区間もビードを除去する必要があります。併せてここに新たな避雷器を搭載します。
この状態の屋根板をボディに仮装着。移設したベンチレーターの位置も良好です。
次回は、この屋根板の仕上げを行います。(続く)
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