211系5000番台への改造は、単調な屋根板加工ばかり続きますので、今回は目先を変えてみます。
加工の終わっている屋根板を装着して、ヘッドライトを点灯してみました。
左側から順番に、最初に屋根板を加工したクハ210-5000番台、次に屋根板の切り継ぎ方法を変えたクモハ211-5000番台、製品のスカートだけ交換したクモハ211-3000番台です。旧製品の前面板を加工している2両も、前面方向幕が点灯します。
室内照明を暗くして上から見てみると、加工した2両で光漏れが発生しています。前面板上部の前面方向幕に導光するパーツからの光漏れです。更に中央の屋根板では、角形ベンチレーターを撤去した跡を利用して無線アンテナを設置した箇所からも見事に光漏れがあり、この加工方法はNGでした。ライト基板は3両とも電球式で、何れも同一電圧を加えた状態ですが、右側の製品では全く光漏れがありません。
ボディ側の対策を確認します。上側が2000番台・3000番台製品のボディで前面方向幕の導光パーツが入る角穴に続いて銀色遮光テープが貼ってあります。下側は0番台・1000番台製品のボディに、前面方向幕の導光パーツが入るように角穴を新たに開けたもので、遮光テープは未貼付です。下側のボディ(クモハ211-5000番台用として加工した屋根板を装着)に開けた角穴には、ベンチレーター撤去跡をプラ板で塞いだ跡と無線アンテナの取付脚が見えていますので、この部分は光漏れがして当然です。なお、前方の光漏れの差異については未解明です。
ライト基板が電球式のため、何れの車両も時間が経つとボディに熱を帯びてきました。
テールライト点灯時も同様です。従って、電球仕様のライト基板は全てLED化改造した上で、光漏れ対策を検討することにします。
次に、5000番台に改造した際に、外観上で手を加える必要のある部分があります。
運転席窓の上部にJRマークが必要ですが、準備した素材にはJRマークのない物があり、マークの追加が必要です。
先頭車側面の湘南色帯上にJRマークがある2000番台のボディを利用したクハ210-5000番台ですが、5000番台では必要ないため消さねばなりません。代わりにオレンジ色の小さなJRマークを、反対側の側板連結面寄りの下部に表示する必要があります。
1000番台のボディを利用したクモハ211-5000番台では、側面の湘南色帯上にJRマークがないので消す手間は省けます。
先程の2000番台のボディでは、側面の行先方向幕の右側にオレンジ色の帯が表現されています。
同様に1000番台のボディでは、側面の行先方向幕の右側にオレンジ色の帯が表現されていません。5000番台にはオレンジ色の帯があり、追加が必要です。更に、2両編成用のクモハ211では、1M方式で床下に機器設置の余裕がないことから、ヒューズ箱が最後部の角形ベンチレーターの横並びで設置されており、追加が必要です。
この先は拘り出すと限がないのですが、5000番台では床下機器がMGではなくインバーターになっているとか、3両編成(4両編成)では側板に車外スピーカが設置されている(2両編成ではクーラーキセ内に収容されて側板にはない)など、加工が難しい箇所が存在しており、これらは目をつむることにします。(続く)
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