KATO製の211系を改造して、KATO製品のラインナップにない5000番台の2両編成と3両編成を各1編成作ることにしましたので、ベースとなる先頭車は4両必要です。手持ちの3000番台5両増結セットから捻出した先頭車2両以外に、先頭車2両を別途調達した結果、生産された時期による違いと思われる差異が各部にありました。
 
先ずは前面についてです。
イメージ 1
左側は前面ガラスにJRマークが印刷されたもの(3000番台)、中央はボディ側にJRマークが印刷されたもの(2000番台)、右端は何れにもJRマークが印刷されておらず、更に貫通扉上部の行先表示窓がモールドで表現されたもの(国鉄仕様の1000番台・0番台)とがありました。最新の製品が左側で、最も古い製品が右側の様です。
 
次は前面ホロの有無についてです。実車の211系5000番台の編成においては、クモハ211にホロが装着されており、クハ210はホロ枠のみとなっています。KATOで製品化されている湘南色帯のクモハ211では、ホロが装着されているのはクモハ211-3000番台(左)で、旧製品のクモハ211-1000番台(右)には必要なホロが装着されていません。
 
また、貫通扉上部の行先表示窓にガラスが嵌り電照式となったボディ(左と中央)と、行先表示が電照式でないボディ(右)では、当然ですがボディ側の前面上部の構造が異なります。
 
次に、床下セットも前面の行先表示窓が電照式か否かで構造・構成が異なります。
イメージ 2
手前が電照式のクモハ211-3000番台用、奥側が電照機能がないクモハ211-1000番台用です。ライトケースの構造が全く異なっています。5000番台ではロングシートになります。(実車における区分は、1000番台がセミクロスシート、3000番台がロングシートの仕様)
 
イメージ 3
左側が電照式のクモハ211-3000番台、右側が電照機能のないクモハ211-1000番台です。
 
イメージ 4
左側が電照式のクモハ211-3000番台、右側が電照機能のないクモハ211-1000番台です。下回りを外すと、電照式ではライトレンズが下回りに付いて外れますが、電照機能がない旧タイプではライトレンズが遮光板と共にボディ側に残る構造です。
 
イメージ 5
前面窓を5000番台タイプに改造する際に前面板を一旦取り外す必要がありますが、手順を間違えると前面板の固定用爪を破損してしまいます。左側が正常品、右側が破損させた当該品で、助手席の左上と運転席の右上に見えるクリーム色の四角い突起(ボディへの固定用爪)を折ってしまいました。
 
以下の手順に従えば、前面板の固定用爪を破損することなく取り外すことができます。
 
イメージ 6
連結面側から下回りを外します。連結面側の台車を指で摘まんでボディ下部を押し広げ、側窓下部に固定された下回りの固定用爪(台車の中心位置にある)のロックを外して下方に少しだけ引き出します。運転台寄り台車付近にある固定用爪も外してから下回りを抜き去りますが、前面にあるライトレンズ部が破損しないように下回りを車両後方に引き抜きます。
 
イメージ 7
下回りを外すと電照式のボディでは、ボディ内部には側面窓ガラスしか残りません。
 
イメージ 8
電照機能がない旧タイプでは、側面窓ガラス以外にライトレンズが遮光板と共にボディ側に残っています。
分解作業が面倒な電照機能がない旧タイプで説明します。
 
イメージ 9
ボディの窓に嵌められた側面窓ガラスを、連結面寄りから外せる範囲まで外します。運転台寄りはライトレンズの遮光板が支障して外れません。電照式では何も支障するものがないので簡単に外せます。
 
イメージ 10
運転台付近を指で広げて運転台扉の窓ガラスを窓から抜いておき、斜めに引き上げると側面窓ガラスを取り出すことが出来ます。反対側の側面の窓ガラスも同じ要領で抜き取ります。
 
イメージ 11
両側の側面窓ガラスが外れれば、ライトレンズの遮光板は指で後方に引き出すだけでライトレンズと共に簡単に外せます。
 
イメージ 12
これで電照式ボディと電照機能がないボディとが同じ状態になりました。ここで焦って前面板を外そうとして、前面板上部にある固定用爪が屋根板に挟まれた状態であることを理解せずに折損してしまったのは苦い経験です。
 
 
 
イメージ 13
屋根板を外します。連結面寄りの屋根板固定爪から外しますが、マイナスドライバーで押すと固定用爪を破損するので、1.2mm厚のプラ板(タミヤのプラ板)を幅15mm・長さ60mm位に切り出したものを治具として使用しています。側板と固定用爪の間にこの治具を挿し込み、内側に傾けながら天上方向に押して固定爪を外します。向かい側にある同じ形状の固定爪も同様に外しておきます。この治具を使う方法は、ブログで知り合った方から教えて頂きました。
 
イメージ 14
屋根板がスライド固定式のため、屋根板の連結面側を持ち上げた状態で後方(連結面方向)にスライドさせてボディから屋根板を外します。
 
イメージ 15
屋根板が外れました。スライド式の固定用爪は4箇所あります。
 
イメージ 16
スライド式の固定用爪は天上肩部分の角穴に勘合していました。前面板の上部にはボディとの固定用爪が3箇所あり、屋根板が被さることで保護されています。従って、屋根板を外さずに前面板を強引に外そうとすると、この固定用爪が折れてしまうのです。
 
イメージ 17
前面板を外すには、ボディ内側の下部に突き出た固定用爪を小形のマイナスドライバーでロックを外しながら前面下部を押し出します。
 
イメージ 18
2箇所の固定用爪を外すと前面下部が開放され、天井側の固定用爪を折損することなく前面板を外すことができます。
 
イメージ 19
手前はPS16B搭載のクモハ211-3000番台、奥側はPS16A搭載のクモハ211-1000番台で、パンタ取付穴とパンタ置台の有無に差異があります。5000番台として285系用のシングルアームパンタを搭載するには、取付足のピッチの相違から取付台のない方が加工が容易です。クーラー(AU75)も造作(精密感)に差異がありますが、5000番台としてJR東海固有のインバータークーラー(C-AU711)に載せ替えするため問題ありません。
 
次は下回りです。
イメージ 20
手前側が電照式の床下セット(クモハ211-3000番台)、奥側が電照機能がない床下セット(クモハ211-1000番台)です。床下機器の造形は殆ど同じですが、先頭部分に差異が見られます。
 
イメージ 21
電照式(手前)は連結可能なフック付密連ですが、電照機能のないもの(奥側)はスカート固定を兼ねたダミーカプラーになっています。313系との併結を目論んで5000番台車に改造するので、連結機能は必須となります。
 
イメージ 22
211系5000番台への改造ベースとなる車両。左から2両編成用のクハ210-0番台,クモハ211-1000番台で共に中古車両。右半分3両が3両編成用のクハ210-3000番台,モハ210-3000番台,クモハ211-3000番台です。昨日投稿した前面板を先行改造してみたのは、左端のクハ210-0番台(改造済の前面板を装着)です。(続く)
 

【関連記事】

 KATO 211系5000番台への改造(39)

 KATO 211系5000番台への改造(38)

 KATO 211系5000番台への改造(37)

 KATO 211系5000番台への改造(36)

 KATO 211系5000番台への改造(35)

 KATO 211系5000番台への改造(34)

 KATO 211系5000番台への改造(33)

 KATO 211系5000番台への改造(32)

 KATO 211系5000番台への改造(31)

 KATO 211系5000番台への改造(30)

 

 KATO 211系5000番台への改造(29)

 KATO 211系5000番台への改造(28)

 KATO 211系5000番台への改造(27)

 KATO 211系5000番台への改造(26)

 KATO 211系5000番台への改造(25)

 KATO 211系5000番台への改造(24)

 KATO 211系5000番台への改造(23)

 KATO 211系5000番台への改造(22)

 KATO 211系5000番台への改造(21)

 KATO 211系5000番台への改造(20)

 

 KATO 211系5000番台への改造(19)

 KATO 211系5000番台への改造(18)

 KATO 211系5000番台への改造(17)

 KATO 211系5000番台への改造(16)

 KATO 211系5000番台への改造(15)

 KATO 211系5000番台への改造(14)

 KATO 211系5000番台への改造(13)

 KATO 211系5000番台への改造(12)

 KATO 211系5000番台への改造(11)

 KATO 211系5000番台への改造(10)

 

 KATO 211系5000番台への改造(9)

 KATO 211系5000番台への改造(8)

 KATO 211系5000番台への改造(7)

 KATO 211系5000番台への改造(6)

 KATO 211系5000番台への改造(5)

 KATO 211系5000番台への改造(4)

 KATO 211系5000番台への改造(3)

 KATO 211系5000番台への改造(2)

 KATO 211系5000番台への改造(1)

 KATO 211系5000番台への改造に先立ち

 KATO 211系5000番台はないけれど