再エネの夢が潰えるドイツの現状から、国家の安全保障と国際情勢を考える | 反新自由主義・反グローバリズム コテヤン基地

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引き合いに出される再エネ先進国ドイツの現状

ドイツでもグリーン電力の夢は頓挫していた 送電網の整備が遅れロシアの天然ガス頼みに(東洋経済オンライン)

問題は送電網にある。太陽光・風力発電を主役にすると、従来よりも複雑でコストも高い送電網が必要になる。ドイツが目標を達成するには、「送電網の全面的な再整備が必要だ」と、再生可能エネルギー推進政策に詳しいアナリストのアルネ・ユングヨハンは言う。

風力発電ブームがもたらしたのは、供給と需要のミスマッチという予期しない問題だった。ドイツでは風力発電所は常に強い風が吹く北部に集中しているが、大規模な工場の多くは南部にある(南部に集中する原発は次々と運転を停止している)。

北部の風力発電所から南部の工業地帯に電力を送るのは容易ではない。風が強い日には、風力発電所は大量の発電が可能になるが、電力はためておくことができない。供給過剰になれば送電線に過大な負荷がかかるため、電力系統の運用者は需給バランスを維持しようと風力発電所に送電線への接続を切断するよう要請する。こうなるとツアー客が眺めた巨大なブレードも無用の長物と化す。

一方で、電力の安定供給のためには莫大なコストをかけてバックアップ電源を稼動させなければならない。ドイツでは昨年、こうした「再給電」コストが14億ユーロにも達した。(一部引用 太文字筆者編集)

 再エネはガス火力を増大させる事実および、再エネや原発、蓄電池の検討(拙ブログ)で論じましたとおり、上記のふと文字部分の「バックアップ電源」とはガス、石炭などの火力なのだそうです。再エネを推進すればするほど、バックアップ電源としての火力発電所が必要になるのです。

 ドイツやEUはロシアの天然ガスパイプラインにかなり依存しているようで、もはやエネルギー安全保障は崩れ去っていると見て良いでしょう。唯一、電力の76%を原子力で賄うフランスは別でしょうけれども。(イギリスの電力構成も、なかなかバランスが良さげですが)

 

 ロシアの天然ガスパイプラインは、国際政治学において別の示唆もしております。つまりユーラシア大陸における覇権は、今後はロシアが強く関与するであろうことです。

 そしてそのロシアは中国と接近しているわけでして、かなり強力な覇権なり秩序が形成されてしまうのではないか?と懸念します。

 

 はっきりと申し上げますと、20年以上に渡り凋落を続けてきた日本が今後、この二カ国の覇権に対抗できる要素は殆どありません。またアメリカの凋落もほとんど自明でして、「アメリカ様がなんとかしてくれる」などという希望は持つべきではないでしょう。

 むしろアメリカの東アジアからの撤退ないし、縮小が視野に入ってきていると見るべきです。

どのように主権を保持し、存続するか?という命題

 本当は中国の一帯一路に多少のほころびが見えている今現在、日本は中国に対して弱体化政策をするべきです。しかし政府からして、一帯一路戦略に協力姿勢を見せているのですから、民間企業も乗ることでしょう。

「一帯一路」認識にズレ 日中が第三国で共同事業へ(テレ朝)

 日本と中国は、インフラ投資などを第三国で一緒に展開するための大規模なフォーラムを開催しました。日中関係を強化する狙いですが、双方の思惑にずれも生じています。

 世耕弘成経済産業大臣:「このフォーラムは日中経済協力の新たなスタートとなるものである」
 「第三国市場協力フォーラム」には、日本と中国の閣僚や企業の経営者ら約1000人が参加しました。日本と中国の企業は、東南アジアなどの第三国でインフラ投資などを共同で行うため、協力の覚書を50件以上、締結します。中国には、今回の協力で経済圏構想「一帯一路」を加速させたい思惑があります。しかし、日本は今回の協力は中国が主導する「一帯一路ではない」という考えもあり、双方の認識にはずれが生じています。(太文字、筆者編集)

 いえ、何をどう考えても一帯一路への協力なのですが、「外国人労働者は移民じゃない」とか意味不明な言葉遊びをする日本ですから、「協力はするけど、それは一帯一路ではない」という言葉遊びが出てきても不思議ではありません。

 

 そのうち、「独裁政治だけど民主主義だ」とか「属国だけど主権国家なのだ」とか言い始めるんじゃね?あ、「属国だけど主権国家」はもうだいぶ前から言っておりますねorz

 何が言いたいか?というと、日本は今後を見据えての戦略をまったくもって「持っていない」ことが、一帯一路への協力からもほとんど自明であるということです。言ってしまえば「その場しのぎ」であります。

 

 中国の今後来るであろう覇権に対抗はもはや不可能ですから、主権の保持を目的とした「抵抗」を考えなければなりません。そのためには財政出動による経済の拡大、南海トラフ巨大地震などに備えた地方インフラの整備での東京一極集中の解消、エネルギー安全保障を見据えた電力議論、今後の国際情勢を予測しながらの外交などが必要となってくることでしょう。

 現在のところ、全く真逆の政策を安倍政権は取り続けておりまして、まだまだその場しのぎの戦略なき国家運営が続きそうであります。移民拡大なんてその最たるものです。

2度目の入国管理法緩和と移民拡大とその内容-安倍政権はほぼ全面的な移民受け入れへ(拙ブログ)

 

 消費税増税「賛成」47%、反対上回る 本社世論調査(日経)によると、世論調査では消費税増税賛成が多数になったようでして、え?なんで?という感想しか出てきません。

日本経済新聞社とテレビ東京による26~28日の世論調査で、安倍内閣の支持率は48%となり、前回の10月初旬の緊急調査の50%と横ばいだった。不支持率も42%と横ばいだった。2019年10月に予定する消費税率の10%への引き上げについて賛成が47%と、反対の46%を上回った。(一部引用)

 着々と進む日本の弱体化に対して、まっとうな批判をし続けなければなりません。

 

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