ソウルメイト・ドラゴン㉘ 願いは叶う、叶えるもの | 立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

【未来が視える!奇跡リーディング】で、立ち止まったあなたのハートを開きます。女性の健やかな幸せのためにポラリスは輝きます。人響三九楽ヒビキサクラ

 

ソウルメイト・ドラゴン ① 天命を載せた龍

ソウルメイト・ドラゴン② 私は龍の背中に乗る

ソウルメイト・ドラゴン③ 運命は「もし・・・」を超えた積み重ね

ソウルメイト・ドラゴン④未来は過去を手放した「今」から開かれる

ソウルメイト・ドラゴン⑤ 星が私を導く

ソウルメイト・ドラゴン⑥ 一見ネガティブな出来事にでさえ、最善の未来がある

ソウルメイト・ドラゴン⑦ 私は皆に応援されている

ソウルメイト・ドラゴン⑧ この結婚生活は、仮面夫婦でセックスレス

ソウルメイト・ドラゴン⑨ あきらめが明らかに改まった時、光が見える

ソウルメイト・ドラゴン⑩ 運命という龍に選ばれここに来た

ソウルメイト・ドラゴン⑪ 神様が用意した束の間のドルチェヴィータ

ソウルメイト・ドラゴン⑫ 愛を言葉で伝えたい

ソウルメイト・ドラゴン⑬ 幸せは与えられるものではなく、自らが作り出すもの

ソウルメイト・ドラゴン⑭ あなたは本物のソウルメイト

ソウルメイト・ドラゴン⑮ 女のプライド

ソウルメイト・ドラゴン⑯ 人は誰かにコントロールされるのを、本能的に嫌う

ソウルメイト・ドラゴン⑰ 小我を手放した時、大我は姿を現す

ソウルメイト・ドラゴン⑱ 私がここにいる意味は、きっときっとある

ソウルメイト・ドラゴン⑲ 今いる場所で、私ができることは

ソウルメイト・ドラゴン⑳ 愛されていることに、自信がありますか?

ソウルメイト・ドラゴン㉑ 大きく変わる未来のために

ソウルメイト・ドラゴン㉒ 自分を最後まで信じ切れますか?

ソウルメイト・ドラゴン㉓ 信じることは、愛につながる

ソウルメイト・ドラゴン㉔ 人はいつからでも変わることができる

ソウルメイト・ドラゴン㉕ 子を持つことだけが女でなく、新しく何かを育てられるのが女

ソウルメイト・ドラゴン㉖ この国の女達の未来が、もっともっと輝き愛に満ちていきますように

ソウルメイト・ドラゴン㉗そして思い出した・・・私は女だった、と

 

勝の肩にもたせかけた私の頭を、彼の大きな手が優しく撫でる。

何度も、なんども。

それは幼い頃、父上に頭を撫でてもらったことのようだった。

私は目を閉じ、懐かしい感覚を味わった。

そして誰かに頭を撫でられるのは、それ以来だと思った時、胸の奥がつん、と熱くなった。

「いい塩梅じゃねえか」

酔った客の一人だろうか。

軽口を叩き、ひゅう、と口笛を鳴らす音が聞こえた。

それでも頭は動かず、目は開かない。

勝にもたれたまま、この男に私の本当の正体をばらしたら、腰を抜かすかもしれない、と思い、くすり、と笑った。
「あなたはもう、十分頑張った。

 これ以上、頑張らなくてもいいですよ」
勝の手が背中に移る。

そして私の背に抱えた重い荷物をそっ、と降ろすように撫でた。

彼に身をゆだねる力が抜けた。

遠くから勝の言葉が、寄せては返す波のような子守歌に聞こえる。

すべては夢なのかもしれない。

私が徳川に嫁ぎ、大奥で過ごしたことも。

大奥から出て、一人の女に戻ったことも。

全部、ぜんぶ。

 

ちちち、と鳴く鳥の声と刺すような光で目が醒めた。

夢から覚めた現実は、自分の家の布団の中だった。

思い切り煙臭いし、油臭い。

そのまま眠ってしまったのだろう。

お気に入りの黒地に赤の青海波の着物が放つ匂いに、顔をしかめた。

起き上がろうとしたが、身体を動かすと頭が銅鑼を鳴らすように痛い。

「天璋院様、少しはお控え下さいませ」
つむじを抑えどうにか起き上がった時、大奥時代からの世話人をしていた唐橋の声が降ってきた。

黒い漆の盆で茶を運んできた彼女は、大きなため息をつき、湯飲み茶わんを差し出した。

茶椀に緑の薬湯がなみなみとつがれていた。
「うわっ、苦いやつではないか!
それは嫌いだ」

離れても匂う強烈な薬草臭に、上半身がのけぞった。
「何をおっしゃいます!
昨日はあのようにへべれけになり、勝様に背負われて帰ってらっしゃったのを、覚えておられますか?」
まったく記憶にない自分に、目と胃が体からこぼれ落ちるかと思うほど、たまげた。
「いや、知らぬ。

まったく記憶にないのだが・・・・・・」
「ええ、そうでしょうとも。
天璋院様は勝様の背中で、寝息を立てお休みになっておられましたから」
「・・・・・・」
唐橋は後ろに回り、私の背中から着物をずらした。
「さぁ、そのすごい匂いのするお召し物をお脱ぎ下さい。

昨日は脱いでいただこうと手をかけたら、猛烈に反抗されましたので、お着替えしていただけませんでした」
そう言うと、煙と油にまもれた着物をはぎ取った。

代わりに藍色の浴衣を着させ、顔をしかめたまま急ぎ足で部屋を出て行った。

大奥にいた時からきれい好きで知られていた彼女の事だ。

すぐ洗濯するにちがいない。

「やれやれ・・・・・・」
昨日、店で勝に抱き着いた後の記憶が、そこだけ抜き取られたようにきれいさっぱり消えていた。

唐橋は私が勝に背負われ家まで戻ってきた、と言うが、頭にも体にも痕跡はない。
酔った挙句、何か恥ずかしいことを口走っていなければいいが、と肩をすくめ、唐橋の運んできた薬湯を口にする。
一口飲んだだけで、顔じゅう皺くちゃになった。

口がひん曲がるほど、苦くてまずかった。

 

このような失態もあったが、それからも勝つとは時々、共に食事をし、遊びに行った。

が、もう二度とあの時のような触れ合いはなかった。
一瞬、勝という男に惹かれた。
いや、頑張っている自分に甘えることを許した。

これまでずっと徳川を背負い、家定様のために頑張り続けてきた。

だが張り詰めた糸はいつかぷちん、と切れる。

勝はそれを察し、重い荷物を一瞬棚上げしてくれた。
ただそれだけのことだ。

それでも、楽になり、また、この先頑張っていこう、と思えた。
何を頑張る、というわけでもないが、とにかく命ある以上は生きていかねばなるまい。

私にとっての男は、家定様ただ一人だ。
あの世に還って、家定様に顔向けできないことはしていない。

だがあの時のことは、家定様も笑って許してくれるだろう。
勝は同じ戦火を潜り抜けた同志だ。
だからその後も静寛院宮様と一緒に、勝の家にも遊びに行ったこともあった。
勝の妻の作った料理を食べ、彼の楽しいトークに笑い、機嫌よく帰ってきた。

そうやって市井の中で私は充実した生活を過ごした。

 

ところが静寛院宮様の持病が悪化し始めた。

家茂様と同じ脚気だ。

彼女は静養のため、医師から箱根で湯治をすすめられた。
箱根に旅立つ前日、静寛院宮様に会いに行った。

「必ず、会いに参りますからね」
彼女の白く小さな手を取り、しっかり約束した。

静寛院宮様はくすり、と笑い首を傾げた。
「でも天璋院様、これまで江戸を出られたことは、ないのでしょう?」
「徳川に嫁いでからは、たしかに江戸を出たことはありませんよ。
でも私は徳川に嫁ぐ時、薩摩から江戸まで旅をして来ました。
それを思えば、江戸から箱根など近いものです。

それに・・・・・・」

握った手に力を込め、両手で包み込む。
「それに?」
静寛院宮様が、私の顔をのぞきこんだ。
「あなたがいないと、つまらないではないですか。
早く元気になって、また美味しいものを食べに行き、面白いことをしましょう!」
朝日に照らされた朝顔の花が開くように、静寛院宮様に笑顔が広がった。

「はい。

私も早く元気になって、天璋院様と一緒に遊びに参りたいです」
かなかな、とヒグラシの声が聞こえ、オレンジ色の光が私達の膝に手をのばす。

そろそろお暇する時間だ。
「それでは、また」
笑顔で別れを告げた。

夕陽に包まれ静かに頷く静寛院宮様は、はかない童女のようだった。

絵のような光景にヒグラシも声をひそめ、一瞬時が止まった。

名残惜しい気持ちをぬぐい、片膝を上げ勢いよく立ちあがり退出した。

 

約束通り翌月の九月、箱根まで出かけた。
けれど私を出迎えたのは、静寛院宮様の亡骸だった。
現実をまだ受け入れられず呆然と立ちすくむ私に、おつきのものが泣きながら言った。
「突然のことでございました。
静寛院宮様は天璋院様のお越しを、心待ちにしておられました。
それが急に昨日からお具合が悪くなり、心臓の発作を起こされ、そのままお亡くなりに・・・・・・」

あとの言葉は耳から流れ落ちていった。

目の前に、眠るようにあの世に旅立った静寛院宮様がいる。

小刻みに震える手で顔にかぶされた白い布をそっとよけ、冷たい頬に触れた。

眠っているような穏やかなお顔だった。

「驚きました?」

と目を開け、微笑んで欲しい。

嘘だ、嘘だ、と叫びたい声を飲み込むと、目から涙が流れ出した。
「どうして・・・・・・

どうしてもっと早くあなたに会いに来なかったのでしょう。

もう少し早く会いにきたら、あなたに会えたのに・・・・・・」
その場に泣き崩れた。

ヒグラシはもう鳴いていない。

夏は終わった。
静寛院宮様、享年三十二歳だった。
また私は一人、残された。


「君が齢 とどめかねたる 早川の 水の流れも うらめしきかな」

川の水の流れの速さが、あなたの命を黄泉の国に運んでいった。
そんな川の流れを見ると、あなたとの別れが悲しくて辛くてならない。
どうしてその流れに乗ってしまったの?
もっとこの世に留まってほしかった。
そう心から思うのよ。

 

静寛院宮様は生前強く望んだ通り、徳川家の菩提寺である壇上寺で家茂様のすぐ隣に眠った。
二人並んだそのお墓に手をあわせ、話しかけた。
「よかったですね。

これからはずっと一緒にいられますね」

そうつぶやき、二人のお墓を何度も撫でた。
その足で上野の寛永寺に行き、そこで眠る家定様に報告した。
徳川は壇上寺と寛永寺の二つの菩提寺を持つ。

それぞれ交互に埋葬される習わしだった。

「家茂様と静寛院宮様、お二人は今寄り添ってずっと一緒ですよ。
私もね、静寛院宮様と同じように、亡くなったらあなたのお墓の隣で眠らせてもらいますからね。

そのように手はずは整えています。
ご存知ですか?
徳川二代目の秀忠様以降、徳川将軍家で将軍と御台が並んで眠っているのは、家茂様と静寛院宮様、そして私と家定様だけですよ。
私もここで眠りますから、ずっと一緒です。
もう少しだけ、待っていて下さいね」
 

家定様の墓石を撫でながら、語りかけた。

死ぬことなど何も怖くない。

待っていてくれる人がいるのだから。

静寛院宮様が逝かれてから六年後、私は四十七歳でこの世を去った。

脳溢血だった。
生前から、病気で長引くよりも打ち上げ花火のようにパァッ!と散りたい、と望んでいた。
願いは叶った。

亡くなった時、財産はほとんどなかった。
亀之助の留学やあれやこれやで、ほぼ使い果たした。

サッ、と旅立てて、何よりだった。
そして家定様に約束した通り、上野の寛永寺で眠った。

願いは叶った。

願いは自分の力で叶えるためにある。


では、私からあなたに最後のメッセージを伝えよう。

 

------------------------------------

 

あなたの願いは何ですか?

 

どうしてその願いを叶えたいのでしょう?

 

願いを叶えるため、今、あなたは何をしますか?

 

願いは叶うもの、叶えるもの。

 

あなたがあなたに叶えさせるもの。

 

 

 

リーディング小説 「美しい子宮~寧々ね~」

 

リーディング小説「生む女~茶々ってば~」

 

 

✨あなたに必要なメッセージが届くメルマガ✨

神様への手紙【ポラリス・フォーチュンメッセージ】

 

 

 

 

 

■未来が視える!奇跡リーディング

 

 

■メール・リーディング

 

 

 

 

 

今より豊かに美しくなる女磨きスクール
●オンラインサロン「心のフィニッシングスクール」一ヶ月入会お申込み