美しい子宮 最終話  傷は愛に変わる | 立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

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【未来が視える!奇跡リーディング】で、立ち止まったあなたのハートを開きます。女性の健やかな幸せのためにポラリスは輝きます。人響三九楽ヒビキサクラ

 

美しい子宮① 愛と呪い

美しい子宮② こうして私達は、セックスレスの夫婦になりました

美しい子宮③ 私が私に、悦びと快感を与える

美しい子宮④ 浮気ではない夫の本気と妻の嫉妬

美しい子宮⑤ 戦国妻の教える夫の浮気対処法

美しい子宮⑥ 夫の子どもを産んでくれる女を、夫に与えます

美しい子宮⑦ 底なし沼のような深いご縁

美しい子宮⑧ 夫婦は鏡・・・夫の闇、妻の闇

美しい子宮⑨ 蓮は泥より出でて、泥に染まらず 

美しい子宮⑩ 夫婦でも口に出してはいけない言葉がある

美しい子宮⑪ 前世の私が教えてくれた

美しい子宮⑫ 菩薩のような女

美しい子宮⑬ 女王への道の始まり

美しい子宮⑭ 嫌な女

美しい子宮⑮ 子宮からの声

美しい子宮⑯ 女の下剋上!女はいつもどこかで、人生をリセットしたい

美しい子宮⑰ 愛人の逆襲

美しい子宮⑱ 処女受胎、そして心のよりどころ

美しい子宮⑲ 生母と聖母、そして憐れな男

美しい子宮⑳ たかが、子どもを産んだくらいで偉そうにするな!

美しい子宮㉑ あきらめない女は計算で勝負する

美しい子宮㉒ 受け取った呪い

美しい子宮㉓ 幸せも不幸も伝染する

美しい子宮㉔ うつ病の黒い闇

美しい子宮㉕ 愛はいつもそこにあった

美しい子宮㉖ 人はまちがいを犯す生き物

美しい子宮㉗ お金の問題の根っこには、愛がしっかり絡みついている

美しい子宮㉘ まちがった愛で男を包んだ女と、偽物の愛で男を抱いた女

美しい子宮㉙ 蓮は泥より出でて、泥に染まらず

 

 

「あなたは、もうすでに赦されています」
どこからともなく聞こえる声には、聞き覚えがありました。

どこかなつかし切なく心を震わす声。

その声の主を探し、立ち上がり辺りを見回しました。

ですがどこにも姿が見えません。

声は尚も続きます。
「自分を責めても、過去は変わりません。
ですが過去に対するあなたの思いは、変えることはできます」
「どういうことですか?」
思わず、聞き返しました。

「起こってしまった出来事自体は、変えることはできないのです。
すでに体験として、あなたの中にあるからです。
ですがその体験に対する、あなたの思いや気持ちは変えられます」

「私の思いや、気持ち・・・?
けれど、もう取り返しがつかないではないですか?」

誰とも見えない姿に向かい、問い続けます。

「それは、あなたが自分を被害者にしてしまったからです。

あなたが自分を被害者だと感じた思い。

それはもっと幼い頃にあった体験から起こっていませんか?」

 

この言葉に心を衝かれ、自分の記憶を探りました。

記憶の引き出しから飛び出てきのは、幼い自分でした。
母と二人、暗い家の中で話をしている三歳の私です。

おかっぱ頭の私は向き合い座った母に、身を乗り出して聞いていました。

「お母さん、どうして私だけ叔母さんのところに行かないといけないの?

お兄ちゃんもお姉ちゃんもみんなこのお家にいるのに、私だけ叔母さんのところに行くの?」
母はうつむいたまま、何も言わず黙っています。
そこに父の姿は見えませんでした。

何も答えてくれない母を見て、私は父母に捨てられたのだ、と思いました。
良心は兄や姉だけが大切で、私はいらない子だから叔母のところに養女に出されたのです。
私は、要らない子です。
なぜなら私は、愛されていないから。
だから、私は愛されたかったのです。
秀吉の意に添うことが、愛だと思ったのです。
幼い頃、母に捨てられたのと同じように、秀吉に捨てられたくなかったから。

だからこそ、自分の本心を押しこめ闇にするほど閉じ、愛されることを望みました。

 

「本当にそうでしょうか?
あなたが結婚する時、実の母は心配して婆様に聞きに行きましたね。
あなたを愛しているからでしょう?
どうでもよくいらない娘なら、そんなことはしません。
それも、愛ではないのですか?」

その言葉は私の後頭部を強く殴りました。

実母は私が秀吉と結婚することを知り心配して、婆様に聞きに行ってくれました。
そして私が苦労するから、と結婚に反対しました。
たしかにそうです。

ようやく気づきました。
私は、母に愛されていたのです。

母の愛に気づいた時、胸に光がさしこみ明るくなりました。

その光はさっきまで凍土のように冷え固まっていた心を、じんわりあたたかく包みました。真っ暗な闇は夜明けの光に飲まれ、ぐんぐん明るさを増し、頑ななわたしの心を溶かしたのです。

私は、愛されていました。
私を産んだ母にも、そして父にも。
私を育ててくれた浅野の父母にも。
私を望んでくれた秀吉にも。
豪や、私と秀吉の子どもになってくれた者たちにも。
たくさん、たくさん愛されていました。

目から涙が流れ落ちました。

涙は熱く頬を濡らし、たらたら流れ続けます。

 

その時、また声が聞こえたのです。

「寧々様、私は自分を赦しました。
自分を赦すことができるのは、自分自身だけです。
寧々様も、ご自身をお赦し下さい。
過去を悔やんでも、しかたありません。
ですが寧々様には、まだ時間が残されています。
そのお時間を大切に生きることで、過去への思いを変えることができます。
思いが変わると、現実は変わります。
未来への道が開きます。
私はそれを伝えに来ました」

ようやくその声が誰だかわかりました。

見えない袖を引くように私は手を伸ばし、叫びました。

「待って下さい!
私はまだそちらに行けないのですか?
私も一緒に連れて行ってください!」

ようやく茶々様がそのお姿を現せました。

まぶしい光に包まれた茶々様は、やさしいお顔で黙って首をふりました。

茶々様の傍らで、秀頼様が微笑んでいました。
穏やかな笑顔のお二人を見て、茶々様は秀頼様と一緒で本当に幸せなのだ、確信いたしました。

うれしい涙がまた零れました。
お二人の姿は少しずつ遠のき、薄れて行きました。

 

気づくと、畳にうつ伏したまま眠っていました。
夢、だったのでしょうか?
頬には涙の跡と畳の跡が残っています。

袂で涙をふき取りながら、夢のような出来事を思い返しました。

私は長い間、自分が愛されるのに値しない存在だと思っていたのです。
だから秀吉に頼りにされたり、必要とされるために、自分の本心を押し殺し、一生懸命尽くしてきました。
ですがそうではなかったのです。
私は私のままで、愛されていいのです。
私は私のままで、受け入れられていいのです。
私は私以上でも私未満でもありません。
北政所でさえ、ありません。
ただの寧々、です。

 

ようやく今、自分がやるべきことに気づきました。

そして勢いよく立ち上がり叫びました。
「豊臣の存続を!」
一度は滅亡した豊臣の息をもう一度、吹き返そう!存続させたい、と強く思いました。

茶々様は言いました。
過去の出来事は変えられないけれど、それに対する思いや気持ちは変えられる、と。
ならば、私がもう一度豊臣を生まれ変わらせたら良いのです。
血に塗られた豊臣を閉じ、新しい豊臣への橋渡しをすれば良いのです。

私は両手を握りしめ、豊臣復活のためにもう一度人生をかけることにしました。

そして胸に生まれた新しい希望の灯を赤々と輝かせるため、動き始めました。

 

豊臣には、男子は残っておりませんでした。
ですが、私の実家に男子がおりました。
実家の木下家の男子、甥の木下利房の子の利次を養子にもらいうけました。

その時にわかったのです。

このために、私は養女に出されたのだと。

もし養女に行った私の実家に男子がいたら、豊臣の跡目争いに巻き込まれたでしょう。

そして秀次と同じように命を落していたのでしょう。

養女にいったからこそ、実家を離れ、実家の男子を守ることができたのです。

それに気づいた時、両手を合わせ、天に祈りました。

感謝をささげたのです。

徳川様にお願いし、やがて利次を豊臣家(羽柴家)の養子として迎えることができました。そして彼に私の所領を継がせることになったのです。
最後に一人生き残った私が、豊臣をつなげました。

 

すべてを終えた後、ようやく肩の荷を降ろした私は夏の青い空を見上げ秀吉に問いかけました。
「お前様、これでよかったですよね?」
「ええに決まっとるわい。

 さすがは、寧々じゃ!」
わんわん鳴く蝉の声に混じり、秀吉の声が聞こえた気がいたしました。
秀吉のくしゃくしゃになった笑顔が、空に広がりました。

私はそっと胸に手を当て、目をつむりました。
胸の奥に、小さな私がいました。
その子の声に耳を傾けました。

「寧々ね~、がんばったよ。

よくやったよね!

すごくない?」
その子は誇らしそうに、私に言いました。

「ええ、すごいわ。

よくやったわ。

あなたは本当に、すごいわ」
その子に声をかけると、その子は満面の笑顔でわたしに両手を広げました。

「寧々、だ~いすき!!」
涙が溢れ出しました。

この子の愛に手を差しだし、その両手を引き寄せ、しっかり抱きしめました。

「ええ、私も大すきよ」

小さな寧々と私は一つに融けあい、私の子宮に吸い込まれていきました。

下腹部に手を当てると、そこはいつもより温かく、まるで子でも孕んだように、どくどくと動いておりました。

子宮は私に、生きよ!と命じているようでした。

私は、私を大すきになっていいのです。
愛していいのです。

大すきな自分で人生を生きていいのです。

 

私はまた空を見上げました。

「お前様、まだそちらにはまいれません。

もう少しだけ待っていて下さいね」

なんやね、つまらんのお。

でも寧々の話を聞くのを楽しみにしとるわい。

そんな秀吉の声も、聞こえた気がしました。

前を向いた私は、残された命を精いっぱい生きるために歩き始めました。
養子になった利次に、まだまだ伝えておきたいことがたくさんあります。
百姓から天下人になった秀吉のこと
あの愛すべき人柄と人たらしのこと
信長様のこと
どれもこれも、泣きたいくらい愛おしい日々です。
どれだけのことを覚えているのか、わかりません。

残された時間がどれだけあるかも知りません。

それでも出来る限り、後世に伝えましょう。

そして、あなたにも伝えたいのです。

 

あなたは

泣いてもいい
怒ってもいい
辛くてもいい
その分
笑えることがあります
楽しいことがあります
うれしいことがあります。
あなたの人生にも、きっと。

人を愛することは、自分を愛することと同じです。
自分を大切にすることは、相手を大切にすることと同じです。
光も闇も、持っていて当然です。
それが人間です。
それがあるからこそ、この世に生まれたのです。

自分を愛することを、怖れないで下さい。
誰かを愛することを、怖がらないで下さい。

あなたの傷は、美しいのです。
傷を愛に変える方法を、あなたは知っています。
自分を被害者にしないことです。
自分を被害者にすることを止めたら、傷は愛に変わります。
あなたの傷は、愛です。

被害者でいることを止め、自分の心の声に耳を傾けて下さい。
そこにある本音を、しっかり受け入れて下さい。
その声を聴いてどうするか、あなたの自由です。
どうしたいかは、あなたの本心や本音が知っています。

 

もう一度、後ろ髪を引かれるように青空を見上げました。

夏の青い空は、くっきりはっきりどこまでも広がっています。
その向こうに未来があります。

私は未来に向かい、また一歩足を踏み出しました。


終わり

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あなたは、被害者や加害者として自分を生きていませんか?

 

あなたは、そのどちらでもありません。

 

自分に~だから、というレッテルを貼るのは、止めましょう。

 

そのレッテルが、あなたを作ります。


貼っていいレッテルは、これだけです。


「わたしは美しい」

 

これで、十分です。

 

そう あなたは美しい。

 

誰が何といっても、そうですからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

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