美しい子宮② こうして私達は、セックスレスの夫婦になりました
美しい子宮⑯ 女の下剋上!女はいつもどこかで、人生をリセットしたい
美しい子宮⑳ たかが、子どもを産んだくらいで偉そうにするな!
美しい子宮㉗ お金の問題の根っこには、愛がしっかり絡みついている
美しい子宮㉘ まちがった愛で男を包んだ女と、偽物の愛で男を抱いた女
私の抱えていた闇は、私の本音の中にありました。
頭で考える本心ではなく、無意識で望んだ本音です。
無意識の本音は、頭で考える意識下の本心よりも強いのです。
今の現実は、すべて私の無意識の本音が望み、作り上げたものです。
私は豊臣の存続を望んでいました。
本心から望んでいた
と信じていました。
ですが、結果はどうだったでしょう?
豊臣は根絶やしにされました。
これが、現実です。
本心から望んだことであれば、その願いは必ずどんな形を取っても叶うはずです。
ということは、私の本心は豊臣の存続を願っていなかったことになります。
ならば、私も意識していない無意識で私が望んだ本音とは・・・・・・
それは豊臣の滅亡だったのです。
この事実に気がついた時、頭を殴られたような強い衝撃を受けました。
そしてへなへなとその場に座り込んだのです。
身体全体が高熱に侵されたように、小刻みに震えています。
秀吉と二人、あんなに苦労し天下を手中にしたのに、豊臣の滅亡を望んだことがなぜ私の本音だったのでしょう。
そしてその理由に思い至った時、思わず大きく開いた自分の口を、手で覆いました。
私の本音は・・・
秀吉への復讐だったのです。
私を一人の女として抱いてくれなかった秀吉。
私を普通の妻にしてくれなかった秀吉。
私でなく、他の女に自分の子どもを産ませた秀吉。
私は秀吉の一番望むものを握りつぶすことで、秀吉に復讐をしたのです。
なんという恐ろしい女なのでしょう!
茶々様と懸命に豊臣の生きる道を模索していたのにそんなはずはない、と畳にうつぶせ何度も首を振りました。
認めたくなかったのです。
自分が豊臣の母である証を探し求めるため、両手で強く頭を押さえた時です。
さらに恐ろしいことに気づき、顔を上げました。
私は、ちゃんと知っていたのです。
すべて私が計画したことだったのです。
茶々様に秀吉の子を産ませる、と決めた時から、潜在意識下で私の密かな計画が進んでおりました。
それはずいぶん過去にさかのぼります。
秀吉があこがれ続けた、唯一手に入れられなかった女性。
お市様。
私はお市様が憎かったのです。
死んでもなお、秀吉の心を捕えていたお市様が、憎くて憎くてたまりませんでした。
ですからそのお市様の血筋と美貌と性格を引き継いだ茶々様を、復讐の道具に使いました。
茶々様ならば他の男と契ってでも何をしても、秀吉の子を産むことを承知しておりました。
秀吉の望むものを手に入れさせ喜ばせるために、茶々様の野望と激しい性質を利用したのです。
そして秀吉の死後、奪ったのです。
秀吉の願いを、粉々に踏みつぶしました。
ですから、秀次、茶々様と秀頼様を死に追いやった影の真犯人は、私です。
まちがいなく、私なのです。
すべての謎解きを終え、呆然としました。
一体いつから、底なし沼のような深く暗い闇を抱えたのでしょう。
きっと死の淵から蘇った時です。
あの時神様は、自分の本当の気持ちと向き合うように、チャンスを与えてくれたのです。
ですが私は
「抱かれたい、女の悦びを得たい」
という肉欲で結ばれた愛情に蓋をしました。
それらに興味を失っただけ、と一見美しいけれど自分勝手な思いへと変換しました。
自分の醜い心を一片も残さず、閉じ込めたのです。
そして「今世は処女として本当の愛を得て生きる」という上っ面の願いに、捻じ曲げたのです。
本当の愛を得て生きることを、秀吉に求めました。
ですが、そうではなかったのです。
自分の幸せはや自分への愛は、他の人に求めるのではないのです。
自分が自分自身に与えるものなのです。
自分にしか与えられないものだったのです。
私の求める「本当の愛」とは、自身の気持ちを偽らず、闇も光もすべて受け入れて生きることです。
それが、自分への愛。
どんな自分を認め、受け入れること。
自分の気持ちに寄り添い、愛しむということです。
私はこれを怠ったのです。
自分の気持ちを封印し、秀吉の意に沿うようにしたのです。
なぜか、ですって・・・・・・
秀吉に、愛して欲しかったからです。
彼にとって、唯一無二の存在になりたかったからです。
自分の黒い闇の中に白い蓮の花を咲かせた、と思っていました。
「蓮は泥より出でて、泥に染まらず」
だったのに、自分という「蓮」を認めませんでした。
「蓮」の存在を無視したのです。
自分を抑え、自分という「蓮」の息の根を止めたのです。
その首謀者は、私の子宮。
一度も男を受け入れることなく、一度も産み出すこともなかった子宮。
彼女は深く私を恨みました。
そして私が自分の息の根を止めたように、豊臣の息の根を止めたのです。
私が頭で考えた望みなど、取るに足らないことでした。
本当に私を動かし司っていたのは、私自身である子宮だったのです。
幾度も発せられた子宮からの本音や気持ちを聞こうとせず、耳を塞いだのは私。
自分を認めようとせず、醜い心を閉じ込めたのは私。
自分自身に応援されない存在にしたのは私。
だから、他に愛を求めたのです。
自分が百パーセント望む愛は、自分だけが与えられます。
ですが私はその愛を秀吉に求めました。
望んでも望んでも手に入れられなかったから、苦しみました。
苦しみは怒りや恨みとなり、雪のように降り積もり子宮に蓄積されました。
それらは固い冷たい氷となり、爪先から頭の先まですべて覆い尽くしました。
やがて深い闇に生まれ変わり、黒雲が雨を呼ぶように、真っ黒な思いが豊臣を滅亡させる流れを呼び寄せたのです。
なんということでしょう。
私はなんとひどくむごいことを、してしまったのでしょう?
どうして、こうなってしまったのでしょう?
畳にうつぶせたまま、土下座しました。
「赦して下さい。
赦して下さい。
ごめんなさい。
ごめんなさい」
秀吉に詫び、秀次に詫び、茶々様や秀頼様に詫びました。
私自身にも詫びました。
ですが、そこには誰もいません。
どれだけ詫びても、私を赦してくれる人など、もうこの世に生きていないのです。
その時、声が聴こえました。
「あなたを、赦します」
それは、なつかしいあの方の声でした。
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あなたは、日々自分の気持ちに寄り添っていますか?
うれしい
楽しい
悲しい
さみしい
つらい
そんな自分の気持ちに寄り添えるのは、あなただけです。
あなただけが、あなたの気持ちを理解し、抱きしめることができます。
うわべだけではなく、心底あなた自身を認め受け入れた時
あなたは自分の最高の応援者になれます。
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