美しい子宮㉘ まちがった愛で男を包んだ女と、偽物の愛で男を抱いた女 | 立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

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【未来が視える!奇跡リーディング】で、立ち止まったあなたのハートを開きます。女性の健やかな幸せのためにポラリスは輝きます。人響三九楽ヒビキサクラ

 

美しい子宮① 愛と呪い

美しい子宮② こうして私達は、セックスレスの夫婦になりました

美しい子宮③ 私が私に、悦びと快感を与える

美しい子宮④ 浮気ではない夫の本気と妻の嫉妬

美しい子宮⑤ 戦国妻の教える夫の浮気対処法

美しい子宮⑥ 夫の子どもを産んでくれる女を、夫に与えます

美しい子宮⑦ 底なし沼のような深いご縁

美しい子宮⑧ 夫婦は鏡・・・夫の闇、妻の闇

美しい子宮⑨ 蓮は泥より出でて、泥に染まらず 

美しい子宮⑩ 夫婦でも口に出してはいけない言葉がある

美しい子宮⑪ 前世の私が教えてくれた

美しい子宮⑫ 菩薩のような女

美しい子宮⑬ 女王への道の始まり

美しい子宮⑭ 嫌な女

美しい子宮⑮ 子宮からの声

美しい子宮⑯ 女の下剋上!女はいつもどこかで、人生をリセットしたい

美しい子宮⑰ 愛人の逆襲

美しい子宮⑱ 処女受胎、そして心のよりどころ

美しい子宮⑲ 生母と聖母、そして憐れな男

美しい子宮⑳ たかが、子どもを産んだくらいで偉そうにするな!

美しい子宮㉑ あきらめない女は計算で勝負する

美しい子宮㉒ 受け取った呪い

美しい子宮㉓ 幸せも不幸も伝染する

美しい子宮㉔ うつ病の黒い闇

美しい子宮㉕ 愛はいつもそこにあった

美しい子宮㉖ 人はまちがいを犯す生き物

美しい子宮㉗ お金の問題の根っこには、愛がしっかり絡みついている

 

慶長十九年八月、その事件は起こりました。

事の発端は、秀頼様が秀吉の十七回忌に向け、京都の方広寺で大仏の開眼供養をする準備をしていた時のことでございます。
徳川様は方広寺の梵鐘に「国家安康」と記されているのを見て、因縁をつけたのです。
「これは家康の名前を分割したもので、豊臣は徳川家康の死を願っている」
あまりのこじつけに、秀頼様と茶々様そして秀頼の妻である千姫様は驚かれました。
徳川様は秀頼様が成長するにつれ、彼に人望が集まるのを怖れていました。
豊臣をつぶすきっかけになるチャンスを、虎視眈々と狙っていたのでしょう。
この一見些細に見えることが、水面下でくすぶっていた互いの不満を爆発させました。

そして戦へと向かう大きな流れを呼びました。

大阪冬の陣です。

戦が始まることを知って、居ても立ってもおられず、文箱を取り出し墨をすりました。

黒々した墨で、はやる心を押さえ深呼吸をし、一気に茶々様への手紙をかき上げました。
「プライドを捨て、徳川メインの政権で豊臣が生き延びられる道を探すようお考え下さい。
今よりもサイズダウンしても、とにかく豊臣が続くことが大切です。
千姫や江様にも相談され、ぜひ生き延びて下さい」

この手紙がどれだけ茶々様のお心に届いたかは、わかりません。
ですがこの戦で、私と茶々様は豊臣の行く末について袂を分かったのでございます。

大阪冬の陣が終わると、徳川様は大阪城の外堀を埋めることを条件に、豊臣からの和睦を受け入れました。


大阪城の外堀を埋める工事が始まる前、茶々様が高台寺を訪ねて来られました。
「高台院様、お久しぶりです」
茶々様は頭を下げました。
「きっと高台院様にお会いするのは、これが最後だろうと思い、挨拶に参りました」

「淀様、何を言われるのですか?」

その言葉に驚き、思わず膝を上げました。

茶々様は私を両手で制し、口を開きました。

「いえ、いいのです。

私には、わかります。
最後だと思ったからこそ、こうして会いに来たのです」

畳から上げかけた膝を元に戻した私は、居住まいを直し口から大きく息を吐ました。

茶々様に会えるのはこれが最後だと、私の子宮も言っておりました。

「そうですか・・・もうあなたにも。

会えなくなるのですか。

さみしいことです。
みな、私を残して行ってしまうのですね」

「高台院様は、お幸せでしたか?」

「ええ、私は秀吉に出逢い、ハラハラドキドキさせられながら、たくさんの夢を見させてもらいました。
私にとって、秀吉こそが子どものような存在でした」

「夫ではなく、ですか?」

「ええ、夫と言うよりもやんちゃ坊主が一人いた感じです。
秀吉が亡くなった時は、夫と息子を一度に亡くしたような気持でした」

口が裂けても、茶々様には私と秀吉のことを話すわけにはまいりません。
ですが茶々様にお伝えしながら、いつのまにか頬が涙で濡れておりました。

秀吉を失ったことが辛いのか、自己憐憫の涙なのか、わかりません。

私は目を見開いたまま、涙を流しました。

庭の木々を雨粒が打つ音が聞こえました。

向き合った私達は、しばらくその音に耳を傾けました。

雨は過去の因縁を洗い流すようでした。

世界に私と茶々様が二人きりでいるようなしめやかで静かな時間でした。

 

永遠に続くかと思われたその時を引き裂くように、茶々様が淡々と言いました。
「私のこと、恨んでおりますか?」

その言葉に息を飲みました。
茶々様が自分の気持ちをさらすなど、今まででしたら考えらないことです。

ならば私も伝えなければ、と覚悟を決めました。

「いいえ、恨んでなどおりませんよ。
あなたは秀吉が一番望むものを、与えてくれました。
あんなに喜んだ秀吉を見ることができて、本当にうれしかったです。
それに・・・・・・」

これを茶々様に伝えるのに、本当に勇気が必要でした。

が思い切って言いました。

「私が勧めたのです。

淀様とのことを。
淀様ならきっと秀吉の子を産んでくれるから、淀様を手に入れなさい、と」

この言葉は、茶々様に衝撃を与えたようです。
これまで無表情だった茶々様はするりと仮面を脱ぎ、生身の女の顔を現せました。

そして身を乗り出し、糾弾しました。

「どうして、私が秀吉様のお子を産むと思ったのです?
これまであまたの側室がいても、産めなかったものを」

「あなたならきっとどんな手段を使ってでも、秀吉の子を産むことがわかっていました

女の直感です。

そうとしか言いようがありません」

自分の本心をさらけ出すと、ふっ、と笑ってしまいました。

「あなたは本当に期待に応えてくれました。

心から感謝しています」

それは暗に秀頼様が秀吉の子ではない、と言っているのですから、茶々様は背筋がゾッとした事でしょう。
事実を知りがら、秀吉のためにほ伏せていたのです。
もしかしたら、いえきっと秀吉も気づいていたでしょう。
ですが秀吉も、どうやってでも織田と浅井の血を引いた豊臣の継承者を求めていたのです。
それを、茶々様が与えてくれました。
茶々様だからこそ、どんな手を使ってでも、秀吉が欲しがるものを与えてくれると知っていました。

私の言葉は、茶々様の首にナイフを当てたようなものです。

茶々様はショックを受けたのか、何も言えず青ざめた顔をしておられました。

この切り札を出し、茶々様にある交渉を始めました。

「ところで、千姫はどうするおつもりですか?
あの方は、あなたの姪ですよね。

とても素直な方ですね。
秀頼様のことをとても愛しています。
あの方は秀頼様と離れたくないのでは?

運命を共にしようと思っているのではないでしょうか?」

千姫の話を持ち出すと、茶々様はハッと正気に戻り背筋を正されました。

「千姫がいることで、秀頼は生かされているのでしょう。

彼女には、感謝しています」

「あなたはこのまま千姫を、大阪城に置いておくのですか?」

「いえ、あの子にはいずれ江のところに戻ってもらいます。
豊臣に道連れにするわけにはいけません」

「では、そのむね、徳川の方に伝えてよろしいですか?」

私は茶々様の確約を取る為、念押しいたしました。

「ええ、よろしくお願いいたします」

戦になる前から、徳川様に頼まれておりました。
徳川様は孫娘の千姫をことのほか可愛がっていました。

愛する孫娘をぜひ救いたい、と思い、私に彼女の救助を頼んだのです。

これで交渉成立です。
交渉が終わった茶々様は、もう用がない、とばかりに立ち上がり、別れを告げました。

「高台院様、ごきげんよう。

もうお会いすることはないでしょう。
ありがとうございました。

さようなら」

私もそっと頭を下げました。

「茶々様、さようなら」

これが私と茶々様が、この世で交わした最後の言葉でした。
まちがった愛で男を包んだ女と、偽物の愛で男を抱いた女。
わたし達は表裏一体でした。

黒と白。

陰と陽。

月と太陽。
愛おしいほど、同じような存在でした。

 

翌、慶長二十年、再び豊臣と徳川の大阪夏の陣が始まりました。

そして五月八日、茶々様は大阪城で秀頼様と命を断ちました。
茶々様は愛する息子と一緒に、あの世へと旅立ったのです。
もし一人で茶々様がこの世に残されても、死んだまま生きていたでしょう。
茶々様の最後は、もしかしたら幸せだったかもしれません。

高台寺から大阪城の方に向き、そっと両手を合わせ彼らを悼みました。

秀頼様の側室の子、国松様は捕えられ殺されました。
女児は千姫の懇願もあり仏門に入ることを条件に、命を許されました。
こうして、豊臣は滅びたのです。
秀吉が秀次の妻子を根絶やしにしたように、秀頼様も根絶やしにされました。
これが豊臣の末路です。
秀吉が一代で栄華を極めた末路です。
何も残っていません。

すべて失った時、私は自分の中にある深いふかい闇に正面から向き合いました。
真っ暗で深い底なし沼のような闇。

私は身も心もたっぷり、この闇に覆われていることを知り、茫然としたのでございます。

 

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あなたは自分の闇に向き合う勇気は、ありますか?

 

自分の中にどんな闇が潜んでいると思いますか?

 

闇を持っていてもいいのですよ。

 

自分が闇を持っていることに目をつむらなければ、いいのです。

 

あなたの闇・・・

 

それはどんな闇なのでしょう?

 

 

 

 

 

 

 

 

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