美しい子宮⑤ 戦国妻の教える夫の浮気対処法 | 立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

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美しい子宮① 愛と呪い

美しい子宮② こうして私達は、セックスレスの夫婦になりました

美しい子宮③ 私が私に、悦びと快感を与える

美しい子宮④ 浮気ではない夫の本気と妻の嫉妬

 

戦国妻の教える夫の浮気対処法

 

それから間もなく、藤吉郎はお市様の嫁ぎ先の浅井家と朝倉軍との戦いに先んじました。

そしてこれを機に名を羽柴秀吉、と改めたのです。
名前の由来は、織田家筆頭家臣の丹羽長秀様、柴田勝家様にあこがれそこから文字を頂いたということですが・・・
これはあくまで、表向きの理由。
秀吉は周りから認めて欲しかったのです。
農民出身の彼は、他の家臣達から見下げられていました。
いくら賢く知恵があり、勝利を重ねても、周りに認めてもらうのはとても難しい事でした。
秀吉が考えたのは、彼らの懐に入るため彼らを敬い立ててやることでした。
自分が改名し、尊敬する彼らの名前をいただくことで、相手のプライドをくすぐる作戦に出たのです。
秀吉の作戦通り、新しい名前を発表しその由来を伝えると、丹羽様柴田様は渋い顔をしながらも、まんざらではなかったご様子だったそうです。

新しい名前をみなの前で発表した日、彼は走って私の元に帰ってきました。

 

「寧々、わしは今日から木下藤吉郎から羽柴秀吉じゃ!
信長様も認めて下さった!!
丹羽長秀様、柴田勝家様のお名前から、それぞれ一字をいただいたんじゃ!
これで、あのお二人もわしのことを認めて下さるだろう」

うほうほ笑う彼は、本当にうれしそうでした。
で、このアイデア、誰が授けたと思います?
もちろん、私です。
男は女より、プライドの高い生き物です。
そのプライドのどこをくすぐると気持ちが良いか、一歩後ろに控えている女の方がよくわかります。

それでは今日から私も藤吉郎を秀吉、と呼ぶことに致しますね。

それにしても後に振り返ると、この時から秀吉は柴田勝家様との因縁があったようです。

運命は、彼ら二人とお市様を蜘蛛の糸のように絡め取っていました。

 

羽柴秀吉に改名してからの彼は、名前との相性もよかったのでしょうか。

さらに勢いを増しました。
そしてついに、お市様の居城である小谷城も滅ぼしてしまいました。
お市様は三人目のお子様の陣痛で意識を失いかけながら、二人の姫様達と小谷城から出てこられたそうです。
秀吉は涙ながら、私に語りました。

「お市様は姫様たちを連れ、凛とした姿で城から出てこられた。
じゃが城を攻めたわしの顔を見ようともせなんだ。
なぁ、寧々、わしはやっぱりお市様に嫌われておるんかのお?」

ぐすぐずと鼻をすする彼を見て、そりゃ、そうでしょうよ、と言いたくなるのをぐっ、と飲み込みこみました。
お市様と夫の浅井長政様の仲の良さは、有名でした。
お市様達を逃した後、長政様は城で自害されました。
戦国の世のならわしと言えども、お市様には大そうお辛いことだったでしょう。

けれど、お市様には保護して守って下さる信長様がおられます。
信長様の庇護を受けることは、何の不自由もない生活を約束されている、ということです。
あのお美しい方ですから、また再婚のお話もあるでしょう。
秀吉とはご縁のない方、そう思い胸をなでおろしたのです。
ですから

「そうですね。
お市様は、あなたのあこがれのマドンナでいいのではないかしら?
マドンナという存在が、あなたにパワーを与えてくれるのよ」

と言ってやりました。

たまにお顔を合わせるであろうお市様は、秀吉にとって大すきなマドンナのような存在。
手が届かないマドンナだからこそ、時折お目にかかることでパワーをもらい明日への活力になる、それでいいのです。
女の直感でしょうが、できるだけ秀吉にはお市様とは関わってほしくありませんでした。ですから、お市様を手の届かない存在に設定したのです。

「マドンナかぁ。

そうじゃのう。

お市様は、わしのマドンナ様じゃ!!」

そう言うと、秀吉はご機嫌になってお酒を飲み始めました。
それでいいのです。

 

浅井家を滅ぼしたことで、秀吉は信長様に城をいただきました。
秀吉はついに城持ちの大名になったのです。
ところが城主としてすっかり舞い上がった秀吉に、浮気の虫がごそごそ動き始めました。
自分の領地、長浜城内で彼に逆らえるものはいません。
ちょっと美しい女がいたら、あの饒舌なセリフで口説き落とし、すぐベッドインに持ち込むのです。
しかも堂々と白粉を着物につけ、朝帰りするではありませんか!
自分がモテてる、イケてる、ということを子どもが母親に自慢するように、誇示していたのかもしれません。

ですが私も女ですから、腹が立ちます。

妻ですから、傷つきます。

ただここで感情的に彼を叱っても反発し、さらに浮気を繰り返す可能性もあります。
火遊びを繰り返す城主に、人々の気持ちは離れていきます。
ここはしっかりお灸をすえなくてはいけません。
これは父親の役目です。

彼にとって父親とは誰か、どなたが一番彼にお仕置きをして下さったら効果があるのか。

腕組みをして考えた時、脳裏に閃きました。

秀吉を叱り、反発もせず話を聞いてくれるのは、このお方しかおりません。

早速、そのお方のところに行き、秀吉の浮気を訴えました。
そのお方は静かに私の話しを聞いてくれました。
「話はよくわかった。
わしにすべて任せておきなさい」

そう言って、たくさんのおみやげを持たせてくれたのです。

長浜城に帰ってしばらくし、そのお方から手紙が届きました。

手紙の最後に

「この手紙を秀吉に見せるように」

と書かれていました。
早速その手紙を持ち、畳に肘をつき寝転んでいる秀吉のところに行きました。

「お前様、私に手紙が届きました」

「ふ~ん、そうかぁ。

 で、なんじゃあ?」

「その手紙、お前様にも読んでもらうように、と書かれております」

「なんでわしがお前宛に来た手紙を読まにゃ、ならんのだ?

一体誰からの手紙じゃ?」

「織田信長様からです」

秀吉は弾かれたように起き上がり、正座になりました。

そして頭を下げ、恭しく私が渡した手紙を受け取ったのです。
手紙を読みながら、秀吉の顔がどんどん青ざめていきます。

やがて額に脂汗がにじみ出ました。

おかしくて笑い転げたくなるのを必死にこらえ、わざと無表情を作りました。
 

秀吉をビビられた信長様の手紙には、こう書かれておりました。

「寧々は会うたびに、どんどん美しくなっている。
そんな美しい妻を持ちながら、あの男がよそ見をして浮気するなど、なんと生意気な!
お前の良さをわかっていないに、ちがいない。
この世のどこを探しても、お前のような女などいるわけがない。
お前を逃したら、二度と妻にできないとわかっているのか?

あのハゲッ!
お前も妻としてどーん、としっかりしていなさい。
言いたいことがあっても、全部言わないことも大切だぞ。
で、この手紙は奴に見せるように!」

ご丁寧にもこの手紙には「天下布武」という、信長様のスローガンの印が押されておりました。
これには、秀吉も震えあがりました。

まぎれもない信長様の手紙だという証です。
いきなり私の前にひれ伏し

「寧々~~わしが悪かった!

許してくれっ!!」

と、土下座しました。

私はわざと沈黙を貫きました。

銅像のように黙りこくったまま座る私に、秀吉は頭を畳にこすりつけ謝り続けます。

頃合いを見て

「わかってくれたら、結構です」

と、低い声で言い放ちました。

ホッと肩を降ろした秀吉が頭を上げ、おずおず私の顔を見た時です。

唇の端だけ上げ、にやりと笑ってやりました。

目は笑っておりません。

よほど怖かったのでしょう。

秀吉は釣られた魚のようにビクンと震え、飛び上がりました。

ざまをみろ、でございます。

立ち上がった私は信長様の手紙を手に、彼に背を向け部屋から出ました。

ふすまを閉めると、肩をすくませ声をこらえて笑いました。

作戦、大成功でございました。

 

それにしても、さすが信長様です。
お灸は、しっかりきいたようです。
私が頭ごなしに叱ると、火に油を注ぐようなもの。
意地になって浮気を続けるでしょう。

男は子どもと同じ。
子どもは親から頭ごなしに止めるように言われると、反発したくなるもの。
それは子どもが親を試し、親に甘え、親をどこかでなめているからです

私は母親代わりですが、一方的に秀吉に甘え続けられるのはごめんです。

夫を甘やかせ続ける妻は、いつしか夫になめられます。

妻は賢くなくては、務まりませぬ。


これ以後、秀吉の浮気はピタリと止まりました。

信長様は本当に懐の大きな方でした。

おこがましいことですが、私にとっては兄のような父のような頼もしい存在でした。

その信長様を兄に持つ、お市様を心から羨みました。

信長様に大切にされるだけでなく、秀吉の心までがっちりつかんだ美しい女性。

その嫉妬心が私を秀吉と柴田様、そしてお市様の絡め取られた蜘蛛の糸に引き寄せました。

運命の歯車はすでに回っていたのです。

私達四人の中心にいた信長様。

その後、まさかあのようなことになるとは、夢にも思っておりませんでした。

 

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あなたは自分の気持ちを伝えるのに、どんな方法を取りますか?

 

直接相手に伝えるだけが、いいわけでもありません。

 

どんな方法が一番、あなたの気持ちが伝わるでしょう?

 

相手に合わせ、臨機応変に対応するのも大切です。

 

あなたなら、どうします?

 

 

12月9日(土)残席2名様

 

 

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