ソウルメイト・ドラゴン⑦ 私は皆に応援されている | 立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

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ソウルメイト・ドラゴン ① 天命を載せた龍

ソウルメイト・ドラゴン② 私は龍の背中に乗る

ソウルメイト・ドラゴン③ 運命は「もし・・・」を超えた積み重ね

ソウルメイト・ドラゴン④未来は過去を手放した「今」から開かれる

ソウルメイト・ドラゴン⑤ 星が私を導く

ソウルメイト・ドラゴン⑥ 一見ネガティブな出来事にでさえ、最善の未来がある

 

 

翌年、二十歳になった。

だがまだ徳川家への輿入れは叶っていなかった。

自分の強運を信じている。

だが背中をこづかれるような焦りで、眠れない日もあった。

私以上に焦りの強いお義父上は、輿入れが進まない結婚話に策を講じた。
幾島が仕えていた叔母郁姫様の夫である義理の叔父近衛忠煕様に、ストップした話を前に進めるにはどうしたらいいのか相談したのだ。
島津とご縁の深い近衛忠煕様は、私を養女と公家の娘とするのがベストだ、と即座にお義父上にアドバイスした。
近衛家は五摂家の一つで、公家の中でも名門中の名門だ。

天皇に最も近い位置にいる藤原家の一族のキングオブ貴族。

徳川家とはちがう位置でのセレブなのだ。
五摂家の一つ、近衛家の娘であれば家定様の御台所として何の不足もない。
その肩書を盾にし、速やかに婚姻を進めるよう、幕府に対し無言の圧力をかけられる。

 

言わば私に箔をつける、ということだ。
例えば、ここに一つのお菓子がある。
同じお菓子でもそのあたりの出店で売られているより、有名な店で美しい包装紙に包まれている方が美味しそうに見える。
さらにそれが「皇室御用達」という肩書を持つと、さらに立派に見える。
私、というお菓子を、お義父上の養女から五摂家の一つ近衛家の養女、というラッピングをし、どんどん箔をつけるわけだ。

そのことに対し、苦々しい思いがないわけでもない。

近衛家の養女になる話を聞いた私の顔に、その不満が現れていたのだろう。

幾島が言った。

「箔をつけるなど、当然でございます。

ですが、それは着物を取り変えただけのことでございます。

篤姫様がこのように自分をバージョンアップさせ、家定様に嫁がれるのが不満であることは重々承知しております。
ですが、姫様。
格式、というものは、そのようなもの。
これまで徳川家の正室は、京都の公家からまいっておりました。
この格式は、二百五十年も綿々と続いていたのです。
篤姫様がこの格式にご不満で変えたいと望むのであれば、それは今ではございません。
あなた様が徳川に入り大奥で女城主として君臨した暁に、その権限が手に入るのです。
ご不満な格式は、徳川にお入りになった後に存分に改革して下さいませ。
すなわち一橋慶喜様を次の将軍に推すところから始まります。
慶喜様でしたら、旧態依然とした幕府や大奥を変える力をお持ちです。
今回の近衛様のご養女の件は、その布石を打っているのです。
どうぞ大局を見据えて下さいませ。
あなた様がバージョンアップして箔をつけ徳川に嫁ぐことは、島津にとって損なことや不利なことなど何一つないのです

しかもこのたびの婚姻、あなた様が思う以上にたくさんの方々の手間暇とお金が動いております。

そのようなしょうもないことで、ご不満に思うなどもっての外!」

 

久しぶりの幾島の喝は、心に響いた。

この世にはそういう力が必要な世界があるのだ。

バージョンアップすることで確かに箔がつく。
言い方を変えれば、嫁ぎ先の徳川とイーブンになることだ。
私が徳川と同等に肩を並べることは、お義父上の望みにも近づく。
私が近衛家の養女になることは、幕府や大奥から蔑まれずにすむ。
いわば、嫁いでも大奥で堂々とできるようみなが道を作ってくれているのだ。
私は皆に応援されている、というではないか!

そう考えると、お腹の底から勇気が湧いてきた。

人間とは不思議なものだ。

起こった出来事や現実は変わらない。

だが独りよがりの狭い見方を手放し、ちがう方向から眺めると、まったく違うものに感じられる。

私の結婚の裏側にどんな策略があろうとも、みなが私のために一生懸命動き、道を整えてくれているのは、まぎれもない事実だ。

そこに感謝をしよう。
この応援を、堂々と受け取ろう。

そう思うと、灰色がかった心のくすみが剥がれ、冷めていた気持ちが太陽の光に照らされたようにあたたかくなった。

「わかった、幾島。
それでは、近衛家の娘として堂々と家定様に輿入れいたそう」
幾島は深々と私に頭を下げた。


龍の背中に乗ったのは、ただ運命に運ばれるだけではない。
龍の背中から大局を見据えることこそが、大切だ。

養女になった私は、一時的に藤原敬子(ふじわらすみこ)という名前になった。

こうしてようやく家定様への輿入れが決まった。

それからは早かった。

この年の十一月、私は徳川第十三代将軍、家定様に輿入れした。

薩摩を出て三年目にして、ようやくだった。

 

そして婚礼の日、初めて家定様にお会いした。

 

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