ソウルメイト・ドラゴン⑭ あなたは本物のソウルメイト | 立ち止まったハートが前進する!未来が視える奇跡リーディング

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【未来が視える!奇跡リーディング】で、立ち止まったあなたのハートを開きます。女性の健やかな幸せのためにポラリスは輝きます。人響三九楽ヒビキサクラ

 

ソウルメイト・ドラゴン ① 天命を載せた龍

ソウルメイト・ドラゴン② 私は龍の背中に乗る

ソウルメイト・ドラゴン③ 運命は「もし・・・」を超えた積み重ね

ソウルメイト・ドラゴン④未来は過去を手放した「今」から開かれる

ソウルメイト・ドラゴン⑤ 星が私を導く

ソウルメイト・ドラゴン⑥ 一見ネガティブな出来事にでさえ、最善の未来がある

ソウルメイト・ドラゴン⑦ 私は皆に応援されている

ソウルメイト・ドラゴン⑧ この結婚生活は、仮面夫婦でセックスレス

ソウルメイト・ドラゴン⑨ あきらめが明らかに改まった時、光が見える

ソウルメイト・ドラゴン⑩ 運命という龍に選ばれここに来た

ソウルメイト・ドラゴン⑪ 神様が用意した束の間のドルチェヴィータ

ソウルメイト・ドラゴン⑫ 愛を言葉で伝えたい

ソウルメイト・ドラゴン⑬ 幸せは与えられるものではなく、自らが作り出すもの

 

家定様が一緒に過ごした時間・・・

両手からサラサラと流れていく砂のように儚い夢のような時間だった。
わずか二年足らずの結婚生活。
けれどこの二年間が私を強くし、私を変えた。

家定様と約束をした。

「もし私がこの世を去り、今度菓子職人として生まれ変わっても、私の妻でいてほしい。
私の作った菓子を食べ、笑っていてほしい。

いつまでもずっと私のそばにいてほしい。」

今も約束する。
必ずもう一度あなたの妻になる。

そう指切りした自分の小指を見つめる。

そしてきつく唇を噛んだ。
 

安政五年七月、家定様はこの世を去った。

家定様を失ったこの年は、さまざまなことが怒涛のように起こった年だった。
この年の四月、紀州の徳川慶福様を時期将軍に推す南紀派の井伊直弼が大老に就任した。
六月に孝明天皇の許可を得ないまま、アメリカ人のハリスとの間に日米修好通商条約を結んだ。
この行動が一橋派から攻撃を受けることになり、二つの派閥争いが激化した。
この混乱を治めるため、家定様は時期将軍を徳川慶福様に決定した。
これら一連の流れや争いは、家定様を心身ともに消耗させた。
家定様となかなか会えない時間が続いた。

最後に家定様にお会いしたのは、いつだっただろう。
そうだ、あれは夏が足音を立てて近づいてきた初夏の夜だ。
庭から虫の声が鳴り、暗い夜空には煌々と大きく美しい満月が輝いていた。
私達は一緒に満月を眺めていた。

 

「上様、最近はたいそうお忙しいご様子ですね。

大丈夫ですか?」

「そうだな、正直、疲れた。

御台には悪いが、時期将軍は紀州の慶福にした」

「いえ、そのようなことはございません。
上様がお決めになったことに、私は心より賛同いたします」

「御台にお願いがある」

「何でしょう?」

「慶福は若干十三歳だ。

彼を私達の息子として、支えてやって欲しい」

「上様、そのようなこと!!」

「御台が私との間に子を望んでいたのは、知っていた。
できれば、叶えてやりたかった。

が、もう無理だ。
もうあまり時間が残されていないような気がする。
だから、慶福を残していく。
彼を私達の子だと思って、将軍に育ててやって欲しい」

「上様、そのような悲しいことを言わないでください。

私はいやです!!」
「御台、よく聞いて。

私のような偽物の将軍を愛してくれてありがとう。
誰にも言えなかったこの秘密を一緒に抱えてもらえただけでも、例えようもないくらい楽になり幸せだった。

生きていてよかった、と心から思えた。
残された時間はあまりないが、御台の時間はまだまだ続いて行く。
慶福を一人前にしたら、あとは自分のすきなように人生を生きるのだ。
徳川から出て薩摩に帰ってもいい。
何でも自分がやりたいことをしたらいい。
御台はパワーがある。
きっとやりたいことを叶えていくだろう。
だから、すきなように生きていいんだ」

「そのようなこと・・・・・・

私は、上様の妻以外やりたいことなどありません!!」

「大丈夫だ。

きっとやりたいことは見つかる。

御台は健康だし、何でもできる。
私がやりたくてもできなかったことをどんどんやってほしい。
徳川に縛られることなど何もない。
ただ、龍から徳川のバトンを託されたように、慶福にバトンを無事渡せるようにだけしてほしい。
それだけだ」

「ダメです!

私はまだ上様の芋菓子を食べさせてもらっておりません!!
まだそれを食べない内は、そんなお約束はできません」

 

私はわざとプイッと横を向いた。

そうしないと泣いてしまいそうだった。
家定様は私を優しく抱きしめ言った。

「篤子、私の愛おしい篤子
美味しいお菓子は次に一緒に生まれ変わった時に、その可愛いお顔が真ん丸になるほどたくさん食べさせてあげよう。

その時まで待っていて。
今度は偽物の私ではなく、胸を張って会える本物の私でいるから。
ちゃんと母に育ててもらうから。
健康で元気なイケメンに生まれ変わっているから」

初めて家定様が私の名を呼んでくれた。

最初で最後だった。

胸が熱くなり、涙がこみ上げた。

「家定様!

あなたは本物のソウルメイトです。
私の魂の一部です。

あなたがどんな顔形になっていても、きっとわかります。

きっと見つけます。

だから、今はしっかりあなたの顔を見せて下さい。
触れさせて下さい」

そっと触れた家定様のお身体は、以前よりさらに骨ばり悲しいくらい痩せていた。

顔色も悪かった。
だが私は奇跡を願った。


それから家定様は公務が忙しくなった、という理由で会えなくなった。
いつお会いできるのか?
上様のご様子は、いかがなのか?
と、何度もなんども表に問い合わせていた時に、薩摩からお義父上が亡くなった、という知らせを幾島が受け取った。
私達は、抱き合って泣いた。
お義父上様の願いを果たせなかった不甲斐なさに打ちひしがれ、私と幾島は胸がつぶれる思いだった。
お義父上様の無念を思い、忍びなかった。

そのショックが冷めやらぬ数日後、滝山が上様ご逝去の知らせを持って来た。
大奥では誰ひとり、家定様ご逝去の知らせは入ってこなかった。
私達は完全に置いてけぼりにされていた。

この大奥では、それが習わしだそうだ。
だが、なんと残酷な習わしだろう。
私が病床についた、という噂で家定様の体を案じている時、家定様はあの世に旅立たれていたのだ。

愛する人の最後を看取ることも、ここでは許されなかった。

胸が壊れるほどの強い悲しみの後、猛烈な怒りがこみ上げた。

畳をかきむしり、歯ぎしりし、ありったけの罵詈雑言を叫んだ。

体中の水分を振り絞った涙を流した。
そして立ち上がって走り出した。
後ろから滝山と幾島が
「御台様、どちらに!!」
と走りながら叫んでいた。

その声を振り切り
「上様のところに参る!」
と一心不乱に走った。


大奥と表を分ける錠のかかった扉の前に来ると、たくさんの侍女達が両手を広げ、私を妨げた。
「なりませぬ!御台様!!この先は表です。大奥のものはその先には行けない掟です」

何が大奥だ!
何が掟だ!!
そんなものは破るためにある!
通せ!!
私はそんなものに縛られぬ!!

激情にかられた私は侍女達を押しのけ、力いっぱい払い飛ばした。
そして自ら錠に手をかけ、大きく息を吸い込んだ。

そして、外した。
ギギギッ―――――

地の底から響くような音が、あたり一面に鳴り響く。

中と外を分けていた重い重い扉が開いた。
表の扉のむこうにいた家臣たちがフリーズし、目を見開き、私を見た。
「上様のところに、案内せよ!!」
飛び上がった家臣の一人が、慌てて私を先導した。

長い長い廊下を小走りした。

 

ついたその部屋に、家定様は静かにおられた。
すべて終わった後だった。
見事な祭壇だけがそこにあった。
「ようやく会えたね」と静かに微笑んでいたようだった。

この瞬間まで、0.00001%だけでも上様が生きていることを信じていた。

が、やはり本当だった、と身体中から力が抜け、その場に座り込んだ。
あれほど振り絞ったのに、まだ両目から涙が洪水のように噴き出す。

「う・・・上様・・・い、家定様・・・

どうして・・・どうして・・・」
それしか言葉が出なかった。

突然、背中からふわりと抱きしめられた。

幾島だった。

これまで聞いたことのないような優しい声で幾島が耳元で囁いた。

「御台様、戻りましょう」

「いやだ!

ここにいる!

上様のそばにいる!!」

強く首を振り、駄々っ子のようにせがんで泣いた。
この世のどこにも、もう家定様はおられない。

だが私の心も体もこの事実を受けれられずにいた。

「そのように取り乱すから、大奥には上様がお亡くなりになって一ヶ月後に知らせるのでございます」
その時、首筋から冷たいナイフを当てられたような声が聞こえた。
い・・・
一ヶ月も前・・・
あまりのことに涙が噴き出ていた涙が止まった。

振り向くと、大老の井伊直弼が苦々しい顔で立っていた。

「御台様、さぁ、まいりましょう」
幾島が再び私を立ち上がらせ、背中を押した。

「チッ、まったくこれだから、女は・・・・・」
井伊が小さな声で舌打ちした。
その声を拾った私は、叫んだ。

「無礼者!

そなたには、愛するものを失った悲しみがわからぬのか!
家定様はそなたにはわかるはずもない、すばらしいお方であった!!
悼まれて当然じゃ!!」

これまで女に怒鳴られたことなどなかったのだろう。
井伊は呆然とし、口が開いていた。

「上様にお別れを告げることができた。

もうよい!」

幾島の手を払い上様との約束を果たす決意を胸に秘め、私は再び大奥へと向かった。
新たな戦いが始まった。

 

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あなたは、ソウルメイトに出逢ったことがありますか?

 

ソウルメイトとは異性とは限りません。

 

あなたの周りにいる人すべてが、あなたのソウルメイトです。

 

中でも、限りなく愛おしく思える人がいます。

 

それが、あなたの魂のカケラを持った人です。

 

 

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