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皆さん、【エマルジョンリムーバー】って知ってます?
なんだか最近になってインスタグラムを中心にすごく話題になっているそうなのですが…👀
ツイッターで引用リツイートやコメントを凄く沢山頂くようになったので、
これを機に詳細を解説したいと思います!
実はうちのブログでも何度か取り上げているのでブログを長く読んで下さっている方はよくご存知だと思います😅
とは言っても、
このエマルジョンリムーバーや、類似品の「ととのうミスト」などが話題になっていたのは2018年くらいが最盛期で、
当時より人気?だった「ととのうミスト」をメインに書いた記事はあるものの、
エマルジョンリムーバーをメインに取り扱った記事って今思えばなかったんですよね…。
その他類似品の今までの関連記事は↓こちらをご覧ください!
では本題に入っていきます!
◎界面活性剤不使用なのに毛穴汚れが見る見る浮き出る?魔法の水【エマルジョンリムーバー】とは
エマルジョンリムーバーはだいぶ昔からかなり人気の商品なんですが、
Amazonの広告を引用してみるとこんな感じですね…。
(引用元:エマルジョンリムーバー 200ml)
簡単に言うと
【皮脂汚れや毛穴汚れを落とすためのミスト状洗浄剤】
ですね。
ただ、通常の洗剤と異なっているのが、
洗剤の主成分たる「界面活性剤」を配合していないということです。
実際にこちらの製品の成分は以下の5つのみ。
全成分:水、海水、アルギニン、フィチン酸、酸化銀
この中には確かに界面活性剤は含まれていません。
にもかかわらず
これを吹きかけるだけで毛穴汚れ(?)のような『白い濁り水』が生じるため、
一般の方からすると「なぜ汚れが落ちるか分からない」ために
【魔法の水】のように言われている…というわけです。
というか
・エマルジョンリムーバーは毛穴汚れを一瞬で浮かしだす「魔法の水」。
・“魔法の水洗い”で毛穴汚れを落とす
のように公式が自ら「魔法の水」を豪語しているという状況です😅
このため
まるで魔法のようなその不思議な洗浄現象に驚いてしまう人も沢山いるようですね。
◎実は魔法でもなんでもない!エマルジョンリムーバーで汚れが落ちるメカニズム
まぁここまで書きましたが、いつも言うように
化粧品の世界に「魔法」なんてものはありません。
目の前で起こっている現象には、必ず科学的なメカニズムがあります。
ちなみに公式の見解では、
「特殊海洋深層水が油系汚れを乳化、分解。」
などと言うふうに書いてあります。
確かに先程の成分を見ると、「海水」という成分が入っていて、
この海水に謎が隠されているのか…?と思う人もいそうですね。
しかし実際にはどんな海水であっても汚れを浮かす効果などありません。
あとインスタをちょっと見ていたら「超純水が汚れを吸着して~(?)」のように書いている人が居たんですが、
そもそも超純水に汚れを吸着する作用なんてないし、別の成分を加えた瞬間ただの水です。
というかまずこの製品に超純水が使われているなんてどこにも書いてませんよね😅
(多分普通の水では…?)
なのでこれもハッキリ言って大変な見当違いです。
ではどうやって洗浄効果を出しているのか。
うちのブログでは何度も説明していますが、
これは、
その製品の『pH』を測ればすぐに分かります。
◎エマルジョンリムーバーの「pH」を測ってみると…!?
ここにエマルジョンリムーバーと『pH試験紙』を用意しました。
「pH(ピーエイチ/ペーハー)」とは、中学理科で習いますが、
その液体の酸性・アルカリ性などを表す指標です。
このpH試験紙にはpHによって色が変色する試薬が染み込まされており、
pH変化によって色が変わるのです。
アルカリ性なら緑~濃紺、酸性なら黄~赤に。
では早速エマルジョンリムーバーのpHを測ってみましょう!
ど~れどれ。
シュッとな。
はい…。
見るからに優しいお色ではありませんよね…😉💦
ちなみにこちらの正確なpHなどは以前↓の動画でも計測してますが、
pH=11を超えるアルカリ性を示すのです。
このように、pH=10以上程度のアルカリ性の水であれば、
アルカリ性と皮脂汚れなどの油分との相互反応によって洗浄効果を発揮する
『アルカリウォッシュ』と全く同様のメカニズムによって洗浄することができるのです。
アルカリウォッシュについては↓のブログでより詳しく解説していますが、
簡単に言うとアルカリと皮脂などに含まれる油脂分が加水分解という反応を起こし、
その場で微量の「セッケン」成分を作るため、洗浄効果を発揮できるというものです。
アルカリ性は強ければ強いほどその洗浄力は高くなります。
ちなみに界面活性剤フリーの「アルカリウォッシュ」で有名な製品といえば、、
そう、『水の激落ちくん』ですね😅
水の激落ちくんもpHが12程度のアルカリ性に設定されており、
(かなり古いので今は12を切っていますが、昔は12.5くらいありました)
これも同じようにアルカリ性の力によって洗浄効果を発揮しているというわけです。
(ただ配合されている成分がちょっと違うので、より詳しい内容は過去ブログを参照してください)
◎エマルジョンリムーバーのアルカリ性の正体は…?
そしてこれもまた何度もお話していますが、
このエマルジョンリムーバーの「アルカリ性」の正体についてなのですが…。
通常、こういったアルカリウォッシュというと
上記の過去ブログでも解説しているように
・水酸化Naや水酸化K
・炭酸Naや炭酸水素Na
・アルカリ電解水(実質的には水酸化Na水溶液)
などのようなよく知られている「アルカリ剤」を使用するのがセオリーなのですが、
このエマルジョンリムーバーには上記の成分は含まれていませんよね。
では一体どうやってアルカリ性にしているのか?というと、
この二段目に書いてある【アルギニン】という成分がその正体です。
アルギニンは「塩基性アミノ酸」という物質の一種で、
これ単品で水に溶かすとpH10~12程度のかなり強めのアルカリ性を示す物質です。
類似製品の『ととのうミスト』なども含め、こういった毛穴洗浄ミスト系の製品に共通して配合されています。
なんか色々エキスとか入っているものもありますが、
ハッキリ言ってその他の成分は無視しても良いくらいにどうでも良いです😅
このミストはアルギニンが全てなんですよね…。
ちなみにアルギニンを利用したアルカリ洗顔料といえば…
かの有名な『ビオレおうちでエステ』も同様のメカニズムなんです。
ただしおうちでエステはpHは9~10くらいなので、
エマルジョンリムーバーなどよりはだいぶ優しい(?)とも言えますね…!
◎エマルジョンリムーバーの洗浄力はどのくらいなのか?
というわけで、大して凄いわけでも魔法でもなんでもないとても単純で原始的な洗浄メカニズムということをご理解いただけたかなぁと思うのですが、
では実際にこのアルカリウォッシュの洗浄効率ってどのくらいなのでしょうか…?
簡単な実験をしてみました。
シャーレに、モデル皮脂として人の皮脂と似ているとされる「馬油」を塗りつけます。
ティッシュに馬油を含ませて塗リ付けています。
これにエマルジョンリムーバーをかけてみましょう。
結構大量に(5~6プッシュくらい)噴霧して、
よく振り混ぜると、こんな感じ↓で白い濁りが生じるわけです。
これを見て「ごっそり汚れが落ちた~!」って思う人もいるかも知れませんが…、
実際に、できるだけこの汚れが浮き出た水分だけをティッシュで吸い取ってみると…、、
油のギトギトはまだまだ健在でして…、、
実は目で見える濁りほど汚れが落ちているわけではないんですよね…😅
加水分解で生じた微量のセッケン成分が乳化反応を起こして光の散乱効果で白濁しているだけであって、
あの白い濁りが全て汚れというわけではないのです。
(毛穴汚れというか、皮膚表面の油分と反応しているだけ)
これは、よりアルカリ性の強い激落ちくんでも全く同じ反応が起こります。
ご覧の通り、ミストをかけただけで油汚れを十分に除去できるか?というとかなり怪しいのです。
ちなみにこの程度の油分であれば、本物の石鹸の泡をふわっと乗せて、
軽く指で撫で洗いするだけで…
簡単にツルピカに落ちます。
(端っこだけほとんど触らなかったので少しだけ油膜が残ってしまいましたが…)
実際に広告等につられてエマルジョンリムーバーやととのうミストを試してみて、洗浄効果が思うほどではなかったという方、かなり多いのではないでしょうか?
つまりアルカリウォッシュというのは、実際にはそんなに皮脂汚れを落とす効率は高くないのですね。
界面活性剤フリーで十分に洗浄をするなら、pH13近くないと結構難しいと僕は思います。
(めちゃくちゃ危険なのでそんなもの顔には付けられませんが…)
そんなことをするくらいなら、
石鹸で洗ったほうが低刺激で、なんぼも洗浄力が高いです😅
◎肌をpH=10以上のアルカリ性に晒すリスク
というわけで、エマルジョンリムーバーよろしくこういったミスト洗浄剤は、
アルカリ性の力で擬似的な洗浄効果を発揮しているわけですが…
「pH11近くのアルカリ性の水」と知ってこの商品を買いたいと思った人はどのくらいいらっしゃるでしょうか。
どうでしょうか。
僕は正直この商品を凄くオススメです!とは中々言えないなぁと個人的には思っていまして。
というのも、やはり色々スキンケアの勉強をすると
「肌を過度なアルカリ性に晒す」という行為はお肌にとってはあまり良いことではないからです。
お肌のタンパク質(ケラチン)は、アルカリ性で結合力が低下する性質があるため、
肌バリアが低下してしまう一因となります。
ただ「お肌が溶ける」pHは最低でも12は必要と言われているので、
10や11程度なら、そこまでを懸念する必要はないにしろ
普通に皮膚刺激がありますし、
肌のバリア機能の低下にはかなり影響を与えます。
その他にも、
お肌の表面は弱酸性が最も好適な環境であり、
セラミドやNMFなどの天然保湿因子もアルカリ性状況下では生産力が低下してしまうことも分かっています。
一応肌にはアルカリ性になってもそのpHを元に戻すアルカリ中和能というものがあり、
健康な肌なら30分~1時間程度で弱酸性に戻るとされていますが…
特に敏感肌やアトピー肌質の方は、一度アルカリ性に傾くと中々それをもとに戻せない…
という肌質の方もおられます。
うまく利用すれば、アルカリ性によってタンパク質の結合力を低下させて、
老廃角質なんかを除去しやすくすることもできるのですが…、
(温泉のアルカリ性泉で肌がツルツルになるメカニズムと同じ)
これもやりすぎると肌が薄まってしまいより肌荒れしやすくなったりという原因にもなります。
使用後は必ず水で洗い流すことをオススメします。
(ただpH10くらいなら市販の石鹸でもそのくらいのものはありますので、本物の石鹸で洗った方がまだまだ効率的なのではないかという気がします😅)
◎「アルカリ性の水」ということを知らないと、危険な使い方をしてしまうかも
もちろんうまく利用できれば活用法がないわけではないので、
性質さえ知っていれば使い方次第かなとは思います。
ただ、これらのアルカリミストは全般的に
公式に『この製品はアルカリ性である』ということを公知していないため、
性質を全く知らずに使用して肌バリアを低下させてしまったり、
顔に噴霧するということは「目に入る」リスクももちろんあるわけですし、
(口コミでもかなり目に入ると痛いって言われてますよね…「海水だから痛い」って言ってる人いますが、、苦笑)
そういった危険な使い方をしてしまう人が増えかねないと僕は感じています。
これがアルカリ性であることを知らせずに販売している…
というのはやはりどう考えても消費者に対して誠実な態度とは僕には思えないため、
オススメするのは難しいなぁと感じているわけです。
もちろん、この効果がうまくハマって本当にいい結果につながっている人もいるでしょうし、
逆にこういった製品を求めている人もいると思います。
そういった方は是非使い続けて頂いてOKなのですが、
この製品はけっして「魔法の水」などではない
ということをよく知った上でご利用頂きたいと思っています。
というわけで本日は以上です。
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