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さて宣伝はこのくらいにしまして（笑）
今日はこないだの『ととのうみすと』検証記事の際にコメントで質問頂いた別の商品をですね、
実際に買ってみたよ！っていう記事です。
▶【超純水】と【アルカリイオン水】で毛穴つるつる美肌に？！めちゃくちゃ怪しい商品を実際に買ってみた
今回新しく購入してみたのはこちら！！
これは『ピュアイオンミスト』という商品で、
写真が透明ボトルなので分かりにくいのですが、、
分かりますかね？？
なんと成分は「水」としか書いてありません！
それにも関わらず、
・毛穴ケアができたり
・化粧ノリがよくなったり
・浸透が凄く速かったり
などなど様々な美容効果があると謳われています。。
（「どっかで見たような説明だな～」なんて思う人もいると思いますが、それは多分気のせいです。笑）
あ、画像は全部以下ページから引用です。
https://www.racpure.com/hpgen/HPB/entries/9.html
というわけでまるでホントに「魔法」のような『水』オンリーのミストなのですが…
まぁこういうのがあるらしいのです。
あ、ちなみに@コスメストアにも売ってるらしいんですけど…。笑
大人気（？）だそうですね。
しかし…
僕のブログを読んで下さっている皆さんならば
まず真っ先に
『これ、めっっっっっっちゃ胡散臭いな！！！！』
と思って頂けるでしょう！！
思いますよね！？！？
お願い！思って！（懇願）
ねぇ～、普通ならおかしいと思いますよね～。。
これはまず2つの疑問が出てきます。
・水100％なのにそんな効果あるわけがない
・逆にそんな効果があるなら水100％なわけがない
と。
まぁ実際どうなのか？というのをいつも通り検証してみます。
◎とりあえずpHを測ってみよう
これね、さっきも言いましたが成分は「水」としか書いてありません。
まず、普通の「水」であれば、これは『精製水』というもののことを指します。
『精製水』とはイオン交換膜法などの様々な方法によって不純物を限りなく取り去り、
かつ高温加熱等で菌類なども殺菌処理した水です。
ただの水であればこれのこと。
最も低刺激で安全性が高いですが、何の特殊な効果もありません。笑
これと同じ性質か、またはほぼ同様の挙動を示さなければ『水』100％とは言えません。
で、皆さんご存じの通り、こういった普通の水は
『ｐH』というものを計測すると約「7」を示します。
これは【中性】という液体の性状を表す指標ですね。
まぁね、
水100％なんですから…
もちろんあなたも
中性ですよね？
シュッと
！！！？？？
…
ん？？？
あれ！？？？！！！？？？
二度見しますよね？？
色、濃くないか…？？(ﾟoﾟ;
ご存じかと思いますが、このpH試験紙というのは色が青黒くなるほどアルカリ性が強いです。
これね、写真だと11と12の差はほとんど分かんないんですが、
見る感じ、前回の「ととのうみすと」より濃いんですよね…。
ちなみにととのうみすとは「アルギニン」というアルカリ性のアミノ酸を配合して、
pHが11．2くらいあったんですよ。
pH=11．2でも炭酸Na水溶液と同じくらいのアルカリですので、
結構強いよね～、これやばいよね～…という話だったんですよ。
さて、では『ピュアイオンミスト』さんの実測pHはいくつなのか？
それがこちら↓
なんと、
【pH=12.3】
という驚きの値を示しています。
これ、本当に『水の激落ちくん』とほぼ同じです。
▶「水だけ」なのに汚れが落ちる？不思議の水【アルカリ電解水】の真相に迫る
あ、な～るほど。
あなた、実は激落ちくんだったんですね？(^o^)
ま～たかわいくなっちゃって！(^o^)v
◎ピュアイオンミストの正体は【アルカリ電解水】
というわけではい、決定。
こいつは「激落ちくん」と成分としてはほぼ同じもので
【アルカリ電解水】
ですね。
毎回説明してますが、今回も説明します。
「塩水」などの電解質溶液に電気を流して電気分解を行い、陰極側で得られるアルカリ性の溶液です。
成分に元の溶液に含まれる塩類由来の「水酸化Na」などの成分が溶けています。
（ちなみにこの電解反応で水素が発生するのでこの水を「水素水」と呼ぶ輩も。）
▶魔法の水『水素水』とは？ その実態と効能について
陽極側には酸性の次亜塩素酸が発生し、陰極側には水酸化Naや水酸化カリウムなどのアルカリ性物質が発生します。
この陰極側の溶液を汲み取って完成。
製法についてメーカーは「特殊な技術によって還元イオン水に変化させます」と答えてますが、
こんなの特殊でもなんでもないごく一般的な電気分解反応です。
中学校の理科で習いますよね。
ちなみに中身は激落ちくん（500ml200円くらい？）とほぼ同じですが
こちらは120mlで2160円します！（苦笑）
実際には激落ちくんを3倍くらいに薄めれば同じものが出来ますので、
原価は100円でもおつりが来るくらい安いはず。
正直
「マイナスイオンの力で～」「アルカリイオンが～」「還元イオン水～」とかなんとか言ってたら
大体にして「アルカリ電解水」であることがほぼ確定します。
なので製品のサイトを見たときにすぐ分かったので、
コメントでも「買わなくても分かりますが…」とお伝えしていたんですよね…。。
ただ実際買ってみたら思ってたより断然酷いやつだったという。
アルカリ電解水は、はっきり言ってただの水酸化ナトリウム水溶液と何ら変わらない物質です。
こんなの魔法の水でもなんでもありません。
◎色々ヤバすぎる【ピュアイオンミスト】の問題点
それで、こいつの正体が明らかになったところで、
購入の際に沢山パンフレットとかも送られてきたので
色々突っ込んでみたいと思うのですが…
【ただの水じゃなかった！】
うん！！そうだよね？？？
ｐH=12．3の水がただの水なわけないよね！！？？（爆）
かなりの強アルカリ性水なので、当然普通の水とは表面張力などに差が生じます。
（何かしら塩とか溶かすだけでも表面張力は変わります）
また「浸透が良くて肌に馴染む」とあるのは単に角層を溶解させているからであって、
強アルカリ性水が肌に浸透しても何も嬉しいことはないですよね(^_^;)
あと「油と馴染む」のは前から言っている「強アルカリによる加水分解反応」です。
pH=12.3あれば当然の反応です。
そして、こういった怪しげな水を売っているメーカーがいつもやるのがこの実験。
「釘やクリップが錆びない！！」
ってやつね。
そもそも強アルカリ性の水の中では大抵の金属は錆びません。
特に『鉄』などの金属は中性～酸性のものにはイオン化しやすいためよく錆びますが、
アルカリ性の溶液だとイオン化できないので錆びる反応が進まないのです。
これをあたかも「抗酸化作用！」とか言っちゃうメーカー多し。
ただのイオン化の平衡反応だというに…。。
Q&Aもぶっ飛んでいて（苦笑）、
「ぬるぬるした感じがするのはなぜ？」→「マイナスイオン電子を大量に含むこの水の特徴です。」
いやいや、アルカリ性で皮膚溶けているからだよ？。。
「ピュアイオンミストはアルカリ性？」→「スプレー後は中性になります」
なりません。アルカリのまま。
逆に皮膚で中性になったとしたら、皮膚の表面の脂質とか保湿成分と反応してるからです。苦笑
「効果的な使用法は？」→「コットンにたっぷりスプレーして10分～20分程パック」
何それ、顔溶けそう（白目）
あとこれもヤバい…。。。
上に載せてた毛穴ケアとかもヤバいなと思いますけど。苦笑
まぁこっちは予想できる範囲なのですが…
「こんな楽しい使い方も！」
「敏感肌の洗顔」にpH12.3の水を拭きかけてタオルで拭き取れって？？
いや、最低でも洗い流してください…。。
「入院中のプレゼント！」
いや、要らないね！！（笑）
要らない要らない(;^o^)ゞ
「切り傷、火傷のときに！」
めっちゃ沁みるからね！！！
強アルカリ性水だよ？！
しかも医薬品じゃないんだから普通に薬機法違反なのですがそれは…。。
赤ちゃんのおしりやワンコ・ニャンコに？
もはや憤りを通り越しますね。これは。（真顔）
◎「成分誤表記（成分詐称？）」に当たるため即回収案件では？
というわけで成分的な問題点と使い方もヤバいんですが、
そもそもこれ、
『成分誤表記』というか『成分詐称』ですよね？
これはアルカリ電解水なので、本来は水に何らかのアルカリ性物質が溶けています。
これを化粧品として販売する場合、「水」だけの表記で良いのか？
もちろん良いわけがありません。
本来なら、そのアルカリ相当分のアルカリ剤の名称を成分として記入する必要があります。
ちなみに、
こちらでTDSメーターという溶液中に溶けているミネラル分の量を計測する機械で測ってみると、
計測に200mlくらい必要なのでミスト30mlに170mlの精製水を加えて約6.7倍に薄めたピュアイオンミストのミネラル濃度が約430mg/Lでした。
約6.7倍だとすると、2881mg/L＝0.28％もの何らかの成分が溶けていることになります。
（水酸化NaだけだとしたらpH＝13以上あってもおかしくない濃度ですが…）
この「何か」が何かは僕の持っている機器ではすぐには分からないのですが、
少なくとも「何か」は溶けていることが確実です。
つまり成分は「水だけ」ではないということになります。
これは明らかに「成分表示に誤りあり」なので、
通常ならメーカー回収するのが当然の成り行きかと思います。
◎今までで1番ヤバい商品かもしれない
というわけでね。
今まで色々怪しげなやつを検証してきましたが、
これ1番ヤバいやつかもしれないですね。
平気で成分詐称してるし、一応「化粧品」として販売しているとしたら宣伝広告内容も薬機法違反だらけです。
pHの数値といいもはや先日の「ととのうみすと」が良心的に見えてくるレベルというね…。。
遊び半分というか検証してコメント返信だけで済ませるつもりだった商品だったのですが
思いのほか危険度が高い製品で驚きました。
こういうのが平気で流通している（@コスメストアにも売っているらしい？？）っぽいので
本当に皆さん、、
こういう胡散臭～～いのには絶対騙されないようにしてくださいね。。
以上。
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