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今日は先日の「除菌ウェットティッシュ」ネタと関連して、
【薬用ハンドソープ】
のおはなしをしていきます!
前回記事を読んでいない方は是非こちらもお目通しくださいね!
▶除菌ウェットティッシュは「ノンアルコール」にこだわるべきか?
こちらの記事では除菌ウェットティッシュに配合されている除菌剤についてその毒性値を比較してみて
一考察させて頂いています。
今回の薬用ハンドソープ記事でもその「成分」について詳しく見ていきたいと思います!
◎【薬用ハンドソープ】ってそもそもどんな商品なの?
ドラッグストアとかに行くと沢山置いてあるのですが、
「薬用ハンドソープ」というものが一体どういうものなのか…
まぁ大体の方はなんとなく理解しているとは思いますが
まずこれを最初に整理しておきたいと思います。
「薬用」という表記は、
『医薬部外品』に当たる化粧品に不随されているもので、
「薬用○○」=【医薬部外品】である
という認識を持って頂ければOKだと思います。
だからこういった「薬用系」の商品には必ず容器などのどこかに「医薬部外品」と書いてあるはずです。
医薬部外品(薬用化粧品)というのは簡単に言えば
・『有効成分』を配合していて何かしらの“効能”を持っている化粧品
のことです。
(詳しくは▶医薬部外品の見分け方を参考にしてください!)
ですので、
これらの薬用ハンドソープにも「有効成分」が配合されています!
特に薬用ハンドソープの場合、
『殺菌・消毒』
の効果をメインに押し出していますので
全体的に殺菌剤や消毒剤を配合していることになります。
では身近なハンドソープにはどんな成分が用いられているのでしょうか。
早速見ていきましょう!
◎有名ハンドソープの成分を比較してみよう!
今日用意したのは誰もが一度は見聞きしたことがある
- キレイキレイ 泡ハンドソープ(ライオン)
- ビオレu 薬用泡ハンドソープ(花王)
- 薬用せっけんミューズ 液体ハンドソープ(アース製薬)
の三つを用意しました!
あとカテゴリーが若干変わるんですが、
補足としてこれも買ってきました…(^^;)
通称『オスバン』と呼ばれる手指用消毒剤(第三類医薬品)です。
元々大昔は「薬用ハンドソープ」というと、
【逆性せっけん】
と呼ばれるものが主流でした。
逆性せっけんって何かというと、
普通の石けんは「陰イオン界面活性剤」というタイプの洗浄成分で、
「マイナスの静電気」を帯びる性質があります。
でも【逆性せっけん】はその『逆』で、
マイナスではなくて「プラスの静電気」を帯びる性質があったのです。
前回も最後に出てきましたが、
このような界面活性剤を「陽イオン界面活性剤」と言います。
雑菌などの微生物はマイナスの静電気には耐性を持っていますが、
プラスの静電気には弱く、強力な殺菌剤として働きます。
現在では陽イオン界面活性剤は「柔軟剤」として利用されるのが主流ですが、
昔はそのまま「洗剤」として利用されることもあったのです。
陽イオンといえど界面活性剤ですから、実は普通に泡立つんですよね。
そしてその主成分に最も多く用いられていたのが上記オスバンにも配合されている
「ベンザルコニウム塩化物」
です。
名前表記がちょっと違っていますが、前回記事でも出てきた強力殺菌剤、
「塩化ベンザルコニウム(ベンザルコニウムクロリド)」
と同一の成分です。
ただし毒性も皮膚刺激もとても強いので
もうほとんどこの成分を使ったハンドソープは無くなってしまったのですが、
今でもAmazonとかでは「オスバン」の同成分の薬用ハンドソープがあるので売ってはいるようです。
(本当はドラッグストアに売ってると思ったのですが無かったので手指消毒剤買ってきました…苦笑)
超強力な殺菌剤ですので、濃度を増やせば医薬品にもなってしまうという…。
個人的にはできるだけ触れたくない成分だったりします(^^;)
(特に薬用ソープとか医薬品の高濃度商品には…)
対してこの成分を配合しない代わりに、
最近の薬用ハンドソープでは成分表の「有効成分」を見ると
主に【イソプロピルメチルフェノール】や【サリチル酸】が用いられています。
この3点以外にも薬用ハンドソープは結構沢山ありますが、
恐らくほとんどの成分はこちらの2成分になっているものと考えられます!
◎2016年に配合禁止になった「トリクロサン」「トリクロカルバン」について
ちなみに、
2016年にアメリカの訴訟問題が発端で世界的に20種類近い殺菌剤・抗菌剤が配合禁止となりました。
(配合禁止とは言っても日本では厳密には「自主規制」です)
そのなかで日本でもたまに用いられていた成分が「トリクロサン」と「トリクロカルバン」で、
その当時までこの成分を配合していたいくつかの商品も上記のような成分に一斉に変更されました。
(実は上記製品でも元はこの成分を配合していたものがあったのですが今ではリニューアル済みです)
◎各成分の毒性等を比較してみると…
というわけで色々成分が出そろったところで、
以前の記事と同じく毒性等を見比べてみましょう!
最初にひとつ謝っておきたいことがありまして…m(_ _;)m
これ、先ほど自分で気がついたのですが
実は前回の記事で上の表の前身版を紹介した時に「イソプロピルメチルフェノールの毒性値を間違えていまして(異性体のチモールと勘違いして記載していました…)、、
その数値も新しく直してあります!
(元は980とか書いててサリチル酸より下にありました…何かおかしいと思ってましたが;;)
幸い前回の記事では触れなかった成分なのでほとんど説明は無かったのですが
誤解を与えてしまった可能性もあり、大変申し訳ございませんでした…。
上記の数値が本当に正しいものになります!
今はほとんど使われていないはずですが、「トリクロサン」と「トリクロカルバン」も載せておきました。
(使われていないので色変えてます。)
これを見ると、
一目瞭然で「サリチル酸」より「イソプロピルメチルフェノール」の方が安全性が高いことが分かりますね。。
しかも何なら、
「サリチル酸」より「トリクロサン」の方が良いような…。。。
というのは、
まず成分の特性的にこれは当たり前とも言えます。
◎「抗菌剤」と「殺菌剤」の違いについて
そもそも「イソプロピルメチルフェノール」は『抗菌剤』というタイプの成分で、
成分の生理学特性から雑菌類に特異的にダメージを与えてその繁殖を抑制したり殺菌したりする成分です。(抗生物質のようなイメージ)
対して「サリチル酸」はもろ『殺菌剤』です。
タンパク質を破壊する性質など、成分の化学特性によって雑菌類を無慈悲に滅菌する成分。
サリチル酸はご存じの方はご存じの通り、皮膚のタンパク質を破壊する作用があり医療機関では高濃度で強力なピーリング剤としても用いられています。
系統としては塩化ベンザルコニウムもこの一種といえます。
僕のイメージでは
- 抗菌剤=毒ガス
- 殺菌剤=爆撃
みたいに捉えています(;^_^)b
実はトリクロサンも抗菌剤なので、イソプロピルメチルフェノールに近いです。
つまり
「抗菌剤」は成分そのものの刺激はほとんどなく、
人間にとっての安全性は比較的高いのです。
でも「殺菌剤」は成分そのものにかなりの刺激があり、
場合によっては人にとってもかなりのダメージになる懸念があります…。。
ただし抗菌剤にはいくつかの問題があります…。
それは「耐性菌」を作ってしまう可能性があることです。
特に古くからトリクロサンには耐性菌の問題が指摘されていました。
(多分イソプロピルメチルフェノールも同じだと思います…)
さっきも言ったように、これらの抗菌剤は微生物に特異的に働きかける「毒」です。
毒って免疫とか作ると効かなくなってしまうと言うじゃないですか…。。
それと似たような感じで、抗菌剤に耐性を持った菌が生まれてしまって全然効かなくなってしまう…
という問題もあるのです。
そういう意味では塩化ベンザルコニウムとかサリチル酸のような広域爆撃殺菌剤だと、
耐性とか作りようもないので耐性菌が出来にくいとは言いますね。
あと抗菌剤は特定の微生物には効かない(ウイルスとかには効かない場合が多い)というデメリットもあります。
殺菌剤は…例えばサリチル酸はタンパク質で出来ていれば必ず効きますので、ウイルスなどにもちゃんと効くというメリットもあります。
◎そもそも薬用ハンドソープは本当に意味があるのか?
しかし、2016年のトリクロサン・トリクロカルバン使用自粛の際に、
これらの成分を禁止した第一の理由に
『普通の石けん等で手洗いした場合と比較して有意な効果を示す根拠がない』
というのが挙げられました。
これは本当にそうだなぁと僕も感じています。
実は僕はここ10年以上こういった殺菌剤や抗菌剤を配合している薬用ハンドソープ等を使用していません。
意識的に避けているレベルで使用してません…。。
(洗顔用のソープを薄めてハンドソープにしてます)
でも別に風邪を引きやすくなったとか、手が荒れるとかそんなこと感じたことがありません。
むしろ手は常人よりかなり綺麗な自信がありますし、
身体は強い方じゃない割に風邪はほとんどひかないです。
薬用ハンドソープなんか使わなくても普通に過ごしてますし、
わざわざこんな強い成分を使ったハンドソープを頻繁に使用する必要は絶対に無いと思っています。
これはトリクロサンだとかサリチル酸だとかあんまり関係ないです。。
それどころか
サリチル酸なんて皮膚刺激もかなり強い成分なんですから使わない方が手は荒れませんよ。
手にも「皮膚常在菌」という手肌を守っている良い菌が居るので、
抗菌剤の影響でこれらの生育環境に支障を来すと、その方が雑菌やウイルスが繁殖しやすくなる可能性もあると僕は考えています。
そもそも薬用ソープの方が身体に良いという根拠がないのですから、
こういう成分を気兼ねなく普段から使うというのはかなり問題があるのではないかという気がしています。
(これは除菌ウェットティッシュも全く同じ意見ですが…;)
僕の考えを述べるのであれば、
【薬用ハンドソープ】を使用する必要は一切ありません。
風邪などが流行る時期でも普通の石けん等でちゃんと洗えば済む話ですし、
手肌への負担を考えると、
ハンドソープじゃなくて低刺激のボディソープとか洗顔料を薄めて使用する方が良いと思います。
(この作り方はまた今度まとめますね。)
◎ついでにハンドソープの「洗浄成分」も見ておくと…
あとこの洗浄成分も注意した方が良いですね(^_^;)
実はこの3つの商品、全部その洗浄成分の特性が違います。
個人的に絶対使いたくないのは【薬用せっけんミューズ】です。。
これ、主成分が「ラウリル硫酸アンモニウム」となっています。
前回挟んだ「洗剤の歴史」の記事読んでくれた方なら分かるはず!
もう日本のメーカーならまず使うことはない、
最も皮膚刺激の強い洗剤 『ラウリル硫酸系』 の成分です。。
(ミューズはアース製薬が発売してますが、元々は外資系のP&G系列の会社が作っていました)
それに「サリチル酸」入れてるんですから…。。これは使いたくないなぁ;;
しかも「薬用せっけん」とか言っているくせに
まったく主成分が石けんじゃなくて笑ってしまいました。苦笑
(なんなら合成洗剤しか入ってません)
「薬用洗剤」と改名するべきだと思います…。
本当に「石けん系」なのは『キレイキレイ』ですね。
石けんとは書いてませんが、「ラウリン酸」「水酸化K」が上位に配合されているので、
石けん系だと判断できます。
その次の成分がアミノ酸系「ココイルグリシンK」の医薬部外品表記ですね。
ラウリン酸ってあんまり肌に優しい成分じゃないので、低刺激石けんだと積極的に除去する成分なんですけどね。
ビオレuは昔の弱酸性ボディソープと基本構成は一緒ですね。
「ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム」
はラウレス硫酸アンモニウムのことです。
ラウリル硫酸塩を改良して作られた合成洗剤。
比較的低刺激にはなっていますね。
薬用石けんミューズに比べると大分マシですが、それでもやっぱり洗浄力とかはとても高いです…。
◎手肌は「皮膚常在菌」に守ってもらうのが最も自然
というわけで薬用ハンドソープのおはなしをさせてもらいました。
まぁブログ歴長い方は今更なネタかもしれませんが、
やはりかずのすけ的には出来れば使用を控えて貰いたい成分のものが多いですね。
先ほども少し触れましたが
元々皮膚の表面には『皮膚常在菌』という菌類が生息していて、
その作用によって正常な肌バリアを形成しています。
例えば皮膚常在菌のひとつである「アクネ菌」は本来は皮脂を分解して弱酸性の脂肪酸を作り、肌バリアのための「皮脂膜」を作る手助けをしてくれていますが、
これが増えすぎるとニキビの原因になる…ということで、
現在ではこのアクネ菌を殺菌したり抗菌したりする薬用化粧品も多く発売されています。
そしてその成分の代表格が「イソプロピルメチルフェノール」と「サリチル酸」なのです。
つまりこの成分は外部からやってきた雑菌や病原菌だけでなく、
元々肌を守っている皮膚常在菌にも影響するということはこの時点で明らかですよね。
そういう成分で常日頃から手を洗ってしまうと、
手肌を守るための正常な菌類の活動を妨げてしまい、かえって手荒れなどを引き起こしてしまう可能性も高いです。
僕は人の身体は常在菌に守って貰うのが最も自然だと考えています。
もちろんそれで守れないものもあるのでそういうときは医療の出番ではありますが、
なんでもかんでも不必要なまでの殺菌や除菌はやり過ぎだと思います。
今のご時世、TVを付ければなぜか「除菌!」「殺菌!」と声高に叫ぶCMばかり。
本当は我々のために働いている良い菌すらも悪者扱いしているものも散見されます。
ニキビ用の薬用化粧品とかもやり過ぎ殺菌のものはすごく多いし、
フケ改善シャンプーとかも似たような感じ…。。
殺菌剤や抗菌剤は有効成分の中では特にリスクのある成分だと僕は考えていますので、
その日常的な使用には特に注意を払って欲しいと感じています。
以上、本日のお話でした!
そういえば次は赤ちゃんの「おしりふき」も見て欲しいと言われているので、
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