【モアリップ】は常用厳禁・唇荒れ時のみ推奨!「医薬品だから安心」は大誤解です。 | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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三連休からちょっとバタバタしていてあんまりじっくり記事が書けてないのですが…

 

 

今日はリップケアと医薬品についての話を少し。

 

(もうブログでは何度も扱っているので今更感ありますが…;)

 

 

 

最近『モアリップ』というリップクリームがまた人気を博しているのだそうです。

 

 

 

こういうやつですね。

 

持っている方も多いかもしれません。

 

 

 

何でも有名なインスタグラマーさんやユーチューバーさんや、

 

芸能人などが愛用しているということで

 

一般消費者にも最近爆発的な人気が出てきた様子。

 

 

 

これ、実際にもの凄く効果的で、

 

カサカサの唇とか口唇炎や口角炎などを驚きの早さで治してしまう!!

 

というそれはまた凄い商品なんですよ。。

 

 

 

 

 

そんじょそこらのリップクリームでは全然治らない唇荒れがすぐ治っちゃうぜ!

 

みたいな感じです。笑

 

 

 

 

いや、タネを知っている人からすれば「そりゃそうだろ;」って話なんですけどね…。。

 

 

 

 

 

 

ところでなぜさっき「また」って書いたかというと、

 

実はこの商品に妙な人気が出てきて一斉を風靡したのははじめてことではなくて

 

今から5年くらい前にも同じようなブームがあったんです。

 

 

当時は雑誌などでも紹介されたり今とはちょっと違いますが有名ブロガーさんが「お勧め!」とか言っちゃって、

 

かなり多くの方が毎日のようにモアリップを使うという状況になっていたみたいで…。

 

 

 

「口紅前にリップ下地に使うと一日中ぷるぷる」とか、

 

「モアリップを塗りたくってラップをかけてパックする」とか、

 

「ティントの前に使うと唇が荒れにくい!」とか。。

 

(中には「スキンケアクリームの代わりに使う」という猛者まで出現…;)

 

 

 

ただ、このような使い方は非常に問題があるんです。

 

 

 

 

結構問題になったので、その際に僕が以下のような記事を書いたり、

 

リップクリームの種類と使用上の注意

 

他にも同じような危惧を感じていた人がSNS上で注意喚起をしたりして

 

一時はそういった使い方をする人がかなり少なくなっていました。

(そんな気がしただけかもしれませんが。苦笑)

 

 

 

 

でも最近また…という感じのようで、

 

リマインドという意味も込めて今日こちらの記事を書いています。

 

 

 

◎モアリップは【医薬品】!化粧品のような使い方はNG!

 

 

 

 

「モアリップ」はそもそも【医薬品】(第三類医薬品)であり、

 

「医薬品」のリップクリーム、「口唇炎・口角炎治療薬」とはっきり書いてありますね。)

 

 

 

医薬品は皆さんが普段からお使いの「化粧品」「医薬部外品」とは安全性の考え方が違います。

 

 

 

よく「医薬品だから安心」「医薬品にも使われる成分だから安全」みたいなことを言う人が居ますが、

 

これは大きな誤解です。

 

 

 

薬機法では「化粧品」と「医薬部外品」と「医薬品」を以下のようにざっくりと分けています。

 

 

 

化粧品医薬部外品(薬用化粧品)

 

「日常的に使用しても安全である」ことが大前提に作られるので、

 

当然のように毎日使用することができます。

 

 

ただしその分効果はあまり大きくなく

 

保湿効果などの穏やかな作用(化粧品)か、

 

ある症状に対して穏やかな予防的効果を持つ(医薬部外品)かのどちらかという感じです。

 

 

 

つまり化粧品も医薬部外品も基本的にはそれを使ったところで劇的な効果がありません。

 

 

唇の炎症についても、「炎症を予防」ならばある程度可能でも、

 

「炎症を治療する」ことは基本的にはできないのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし【医薬品】ではそうではなく、

 

『ある症状を予防または治療する』ために作られているのが医薬品ですので、

 

即効的な治療も可能ということになります。

 

 

これは広告表現などにも影響を与えていて、

 

例えば化粧品や医薬部外品では広告に「治療」「治癒」などという文言を書くことは出来ません。

 

 

一方で例えば資生堂さんのモアリップの公式ホームページでは以下のような広告が行われています。

 

 

 

「治療薬」や「治癒力」などの表現が平然とされていますが、

 

これは医薬品だから可能なのです。

 

 

 

「効く」「治す」「修復」などの表現も、

 

化粧品や医薬部外品では許されませんが、医薬品だと可能になります。

 

 

 

 

このようにして、

 

【医薬品】は化粧品や医薬部外品よりも明らかに高い効果があるものとして作られているのですね。

 

 

 

 

 

 

しかしこれらの効果は化粧品や医薬部外品には使われない成分や、使えても高濃度では入れられない成分を沢山配合していたり、

 

肌の奥まで届くように浸透を促進する特殊な処方になっていたりという、

 

医薬品ならではの作られ方になっているからなのですが…

 

 

 

 

もしそれで何のリスクもないのであったら、

 

効果が少ない化粧品や医薬部外品が存在する理由がそもそもない

 

ですよね?

 

 

化粧品や医薬部外品が存在するのは、

 

医薬品にはそもそも大きなデメリットがあるからなんです。

 

 

 

 

 

全ての医薬品に一様に言えることとして、

 

「大きな効果のあるものには、相応の副作用がある」

 

ということです。

 

 

(医薬部外品は厚労省に安全性データなどの申請が必要だが化粧品にはそれがないため、安全性が担保されていないものや無尽蔵に有効成分を配合したものがあるなど、場合によっては医薬部外品よりリスキーな化粧品が出回ることもある点には注意)

 

 

 

つまり

 

医薬品は医薬部外品&化粧品に比べて、効果が大きい分副作用などが出るリスクがあります

 

そのため薬局などで販売され、「添付文書」などの注意書きがあり

 

また、ものによっては薬剤師や医師の指導なしに使えないものもあるのです。

 

 

 

 

 

モアリップは医薬品ですので当然副作用が懸念され、

 

本来想定されていない使い方…例えば化粧品のような連日使用はそもそもNGなのです。

 

 

 

 

◎モアリップの常用で懸念される症状とは?

 

 

 

基本的にモアリップの使い方は以下のような症状の時のみに限るべきで、

 

 

1.唇の皮むけ時(出来れば酷い時のみ)

2.ひび割れや腫れて痒みや痛みのある口唇炎

3.口角がただれて切れてしまう口角炎

 

 

 

僕的には1.の軽い症状くらいは使わない方が良いと思いますが(苦笑)、

 

もし使うならこの3つの症状時のみにしましょう。

 

 

 

それで、もしこれらの症状がないのに長期的に使ってしまうとどういうことが起こりうるか?なのですが、

 

予期されるものとしては

 

・逆に唇が荒れやすくなって常に使わないといけなくなる

・他のリップに変えるとほぼ必ず荒れてしまうようになる

 

などがあります。

 

 

まぁ簡単に言うとこれ以外は使えなくなる「依存症」みたいな感じです。

 

 

 

このモアリップには「アラントイン」という成分が入っていまして、

 

これは細胞の修復を早める有効成分で、化粧品や医薬部外品にも微量に入っていたりもするのですが…

 

唇って元々角層がとても薄いの成分が浸透しやすく、副作用がかなり出やすいです。

 

 

アラントインによって細胞修復が早められることで唇の炎症やひび割れもすぐ治りますが、

 

アラントインで細胞を急速に作ると、

 

通常の時間をかけてじっくり作られた皮膚と比べるとどうしても薄く脆い皮膚が形成され、

 

治癒したところが再度炎症やひび割れを起こしやすくなってしまったり

 

 

あとは抗炎症成分や粘膜の健康維持成分に皮膚が慣れてしまうことで、

 

この成分が入っていない化粧品や医薬部外品のものを使用すると

 

反動的に唇が荒れやすくなってしまうなども考えられます。

 

 

 

 

 

これ、実は「ヒビケア軟膏」を昔使っていて同じようなことになったことが僕はあるんですが、

(アラントイン・パンテノール・トコフェロールなど有効成分が結構似てます。)

 

ヒビケア軟膏はアラントインの濃度が100g中0.2gです。

 

それに対してモアリップはアラントイン濃度が1g中0.005g(100g中0.5g)です。

 

 

モアリップってこうやって見るとアラントイン結構がっつり入れてるんですよね。

(ちなみにロート製薬の「メンソレータムメディカルリップ」もモアリップとあまり変わりません)

 

 

 

口コミを調べていても「これ以外は荒れちゃう!」みたいな人結構いますよね。

 

それって実はモアリップの有効成分に依存してしまっている…という可能性もかなり高いと思います。

 

 

 

 

そもそもモアリップというのは皮膚炎治療用の軟膏と同じですから

 

長期的に使うことを想定して作られているものではありません。

 

 

さきほども書いた様な炎症時やひび割れ時など限定的な症状の際に1週間程度使い続けることは想定されているものの、

 

一ヶ月、二ヶ月、数年…と長期的に化粧品のように連用することは完全に想定外です。

 

 

 

モアリップの添付文書には副作用は特に書いていないのですが、

 

これは想定内の使用をした際の副作用の話なのでちゃんと限定的に使用すれば全く問題なく使えるものの、

 

 

化粧品みたいに自己流の使い方をしてしまうとメーカーの責任も問えなくなってしまうので

 

それは絶対にやめるべきです。

 

 

 

 

ちなみにメーカーサイトの「よくある質問」には

 

『モアリップは薬だけど、毎日使ってもいいの?』

 

という質問が載せられているものの…

 

5~6日間使用しても症状がよくならない場合や使用して症状が悪化した場合は、直ぐに使用をやめて、医師や薬剤師にご相談してください。くちびるのあれなど症状がある場合にはお使いいただけます。

 

 

なんだか非常にはっきりしない回答が載せられていて、なんだそりゃって感じですよね(^_^;)

 

 

まぁ、

 

「くちびるのあれなどの症状がある場合にはお使いいただけます」

 

というのはつまり

 

「くちびるのあれなどの症状のない場合は使わないで下さい」

 

ということですよね?;

 

 

ここははっきりとそう書いた方が良いと僕は思うのですが…。。。

 

 

 

(ちなみに医薬品によっては毎日使用することを想定して作られているものもあります。第三類医薬品のビタミン剤などはその典型。ただし塗り薬などでそういうものは殆どないと思います。)

 

 

 

 

◎通常時は化粧品もしくは医薬部外品のリップクリームを使うように!

 

 

というわけで、

 

もちろんモアリップは非常に良い商品で炎症の治療薬としてはとても効果的だと僕は思います。

 

ただし、特に唇の荒れがない場合は極力医薬品は避けて、

 

化粧品や医薬部外品のリップクリームを使うようにした方が良いでしょう。

 

 

 

今日ちらっとTwitterのタイムラインで見かけたのですが、

 

「モアリップを使って唇が綺麗になったからといって予防的に毎日使うというのは、

 

風邪薬を飲んで風邪が治ったから予防的に風邪薬を毎日飲むのと同じでは?」

 

という意見があって、なるほどなと思いました(^_^;)

 

 

風邪薬も風邪を引いた時のみ1週間程度飲むことを想定して作られているものの、

 

健康なのに飲み続ければ肝臓を壊したりします(体験談)。苦笑

 

 

 

なので「医薬品」とあるものについては、

 

殆どの場合毎日使って良いものではないので皆さん是非ご注意ください。

 

 

 

まぁ数年前にはオロナインをパックにしたりまぶたに塗ったり目尻に塗ったりという人が居て(苦笑)、

 

ヒルドイドを化粧品感覚で使う人がいっぱいいたり、ボラギノールを目尻に塗ったらシワが消えるとか色々あったんですけどね…

 

かずのすけは「医薬品の美容利用」は断固反対という立場です。

 

「医薬品の美容利用」について考える




医薬品は本当に結構強い効果が明らかに現れたりするので

 

消費者にとっても感動(?)が大きくこのような使用法がちょくちょく出てきて

 

SNSなどでバズってしまったりするのですが…

 

 

今後もっと医薬品や化粧品の基礎的な知識が一般消費者にもしっかり根付くと良いなと思っています。





 

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