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柏木むつきです。
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少し前のことになるのですが、
YOUKYOUプライベートカフェに来てくださった、
茨城県の中学校の講師として働かれているNさん。
正確に言うと、
4月から中学校で働かれるということで、
「その前の自分の気持ちを整理したい」と3月末に来てくださったのでした。
(いつもいただく感想が嬉しすぎてついつい長いこと温めてしまう…。
気付けば2か月経っていて自分でも驚いてしまった…。)
以下はNさんのご感想。
掲載の都合上、少し表現を変更している箇所もありますがご紹介させてください。
ここ最近、
「
なぜ学校にいるのが看護師ではなく養護教諭なのか」と問われることがあり、答えられない事がありました。 学校現場では、
養護教諭ではなく看護師(のような役割)を求められる場合もあるという事と、 その事に違和感を抱きながらも、 きちんと答えられない事にもすごくモヤモヤしました。
また、私は看護師免許を持っているので、
そのことを褒めて頂ける機会もあったのですが、嬉しさ半分、 臨床に出てない私が看護師として出来ることはないのに…というモ ヤモヤもありました。 働き始める前にこのモヤモヤをなくしたい…と思い参加しました!
!
働き始める前に、
自分の中のモヤモヤを晴らすことが出来て本当によかったです。 もしかしたら今後、
働く中で考えが変わる事もあるかもしれませんが… 今の自分の中で、「なぜ看護師ではなく養護教諭か」という一番の
モヤモヤの答えを出すことが出来て、スッキリしています。
自分の中で、健康診断は養護教諭が頑張らなきゃいけない、
救急処置は単数配置で誰にも頼れないから完璧に出来る様にしてお かなくてはいけないから頑張らなきゃ…という想いがあり、1人で 不安になっていましたが… なぜそう思うのか、本当にそうなのか?を考えていく中で、
自然と「なぜ看護師ではなく養護教諭なのか」 の答えも出てきました。
特に救急処置に関しては、
引き継ぎで疾病を抱えた子が多いことを知り怖くなり、 一人で完璧に対応できるようにしなくちゃ…と沢山の本を読んでい ましたが… 私がいなくちゃダメ!
ではなく他の先生や周りにいる生徒が対応できるようにすることも大事だと思ったので、 他の先生や周りの生徒が対応できるようにするには、
何をどう伝えれば良いのかを今考えています。 健康診断についても、自分より忙しそうな人に頼めない…と思い、
出来る限りの事を一人で頼らず頑張ろうと決めていましたが… 私一人で全てやってしまう事は、
結果的に他の先生が生徒の健康に興味を持ち、 知る機会を奪う事であり、 それは生徒にとってマイナスな事でしかないと気が付きました。 なので遠慮せず、どんどん頼っていこうと思います!!
「学校保健」というのはそもそも養護教諭1人でやるものではない
事も思い出したので… 健康診断以外でも周りの先生を、沢山頼っていこうと思います!
また、引継ぎの時に何気なく担任の先生に言われた発言から「
じゃあこの子達が保健室に来なかったら私の事が嫌いってことじゃん…」 と思い、「この子達が来てくれなかったらどうしよう…私が来てか ら保健室来室者が減ったらどうしよう…」 とそちらもモヤモヤしていましたが… この想いの根底には、
養護教諭としての自分に自信がなく不安な事、 その不安を無意識に生徒を利用して解消しようとしている事に気が つきました。
生徒が頼る相手は養護教諭に限らず、
担任でも教科担任でも友達でも良いこと、 保健室来室者数で自分の価値は変わらないこと…という本来当たり 前な事なのに、すっかり頭から抜けていた事を思い出しました。
周りの先生を信頼し、頼ること。
生徒を信頼すること、
生徒を利用して自分の不安を埋めるような事はしないこと。 この3つは自分の中でしっかり守り、
あとは楽しくいきたいと思います!!
ありがとうございました!!
私自身も悩んだことがありますし、
きっと養護教諭なら一度は経験したことがあるのではないのかな…。
「私の存在意義って何だろう?」
ということ。
大学で習って、
研修で学んで、
たくさん本を読んで…。
それでも確固とした答えが出ないことに悩み迷いモヤモヤしたこと。
私もたくさんありました。
何度も何度も「壁」にぶつかってきました。
(そして今でもその「答え」を探すべく大学院にいます)
「なぜ「自分」は学校にいるのか。」
こうタイトルに書いたのは意味があります。
あえて、
「なぜ「養護教諭」は学校にいるのか。」
ではなくて、「自分」にしたところに私の「想い」があります。
「なぜ「教諭」は学校にいるのか。」
という「問い」ってあまり聞かれないのですが、
「なぜ「養護教諭」は学校にいるのか。」
は「教諭」に比べても多い「問い」であると同時に、
養護教諭の多くが抱える「悩み」でもあります。
確かに、
「養護教諭」が学校にいる意味については、
様々な研究があり、見解があり、解決の糸口になるようなものはありますが
(だからといってそれが絶対の「正解」だとは私自身は思ってはいませんが)、
養護教諭一人ひとりの「悩み」を掘り下げた時、
そこにあるのは必ずしも「肩書」に対する悩みではなく、
その人の「自分」との向き合い方、在り方に起因しているものがあると私は思っています。
そこはきちんと分けておく。
もちろんきれいに分かれるものでもないと思いますが、
少なくとも「養護教諭」に起因しているのか、
「自分」に起因しているのか、という視点を持っておくのは大事だと思います。
万人にピッタリはまるような「正解」は「外」にはないから。
もしも今、ピッタリはまる「正解」があるなら、
きっとその「悩み」は「悩み」ではないだろうから。
Nさんとの時間は、
まさに「なぜ「自分」は学校にいるのか。」という「問い」について、
Nさんの中にある「正解」の種となるようなものを一緒に探していく時間でした。
今、完璧な「正解」を見つけることが大事なのではなくて、
Nさんにとって、大事な「種」を見つけて、
Nさんの心の畑に種を蒔く。
その時間の方が大事だな、と私は思いながらお話を伺いました。
きっとその「種」は、Nさんの中の「思考」をも耕すだろうから。
YOUKYOUカフェ同様、
今すぐ役立つようなスキルや知識を身に着けることよりも、
参加してくださった方にとっての「種まき」のような時間を大事にしています。
既にその方の中に「在る」ものにこそ、「正解」があると思うから。
今回参加してくださったNさんも十分「在り」ましたし、
「在る」からこそ、そこから拡がる可能性をも感じることができる。
「自分」はマイナスなのではなく、既にプラスの存在である。
そのことが「なぜ「自分」は学校にいるのか。」の「答え」にもなるだろうし、
結果として「なぜ「養護教諭」は学校にいるのか。」の「答え」にもつながっていくものだと私は考えています。
Nさんからは働き始めた後に、「近況報告」を丁寧に頂いたので、
そちらについてもまた記事にしていきたいと思います。
ゆっくりじっくり「自分」と向き合える大事な時間です。
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