法律家ではなくまったくの素人ですが、
だからこそ、素人の私が裁判所で知り得た思いを記録として綴って行きたいと思います
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認知症の方が公正証書遺言を作成する場合、
「1度や2度は失敗する」ぐらいに構えた方がいいかも知れません。
かくいううちの母も失敗しました。
まずは場所です。
認知症患者が「初めての場所」を嫌うのはよくあること。
打ち合わせの時はいいんです。
公証役場の入り口付近にある相談カウンターだし、なにより隣には家族もいる。
とりあえず、なんとかなるんです。
じゃあ、本番はというと・・・
事務所奥の会議室チックな場所に大きなテーブル。
そこに公証人と2人の証人。
うちの場合、証人が2人とも司法書士でスーツ姿。しかも男性。
お2方ともお若くて優しいカンジなのですが、母にしたら怖いと感じたのでしょう。
ましてや、娘とはとんでもなく離れていて姿すら見えませんからね。
もう、緊張と恐怖でパニックですよ。
遺言の内容がゴチャゴチャになった上、あろうことか住所まで言えなくなる始末。
さすがに「今日はやめましょう」ということになってしまいました。
公証人の先生は、
「とりあえず白紙に戻してもう1度考えてみてください。
その上でやはり遺言書を作成したいと思ったら改めて連絡してください。
すぐじゃなくて構いません。思い立った時でいいんです。
そしたら、もう一度打ち合わせから始めましょう」
と言ってくださいました。
そして数日後、やはり遺言は残したいということで打ち合わせにお邪魔しました。
日数がそれほどあいておらず、母の固い意思も見て取れたので、
打ち合わせと言うよりはリハーサルのような会話内容でした。
最後にまた長谷川式の検査をし、数日後には2度目の本番と言う運びに。
2度目はもう母が気持ちを語ると言うよりは、
公証人が「~は~でよろしいですね?」みたいな確認方式にしてくださり、
住所もかろうじて言えたので、無事に署名捺印をして終了~。
これはもう、公証人と証人2名にかかっているといっても過言ではないですね。
公証人は何度も母と面会して意思確認をし、遺言にブレがないことを確信した。
だから、
「なにも認知症の高齢者に一言一句すべてを自分で言わせなくたっていいだろう」
と、母が混乱しないように確認形式を交えながら話を進めた。
そして証人2名もそれでいいと判断したから署名捺印をしてくれた。
はたして、意地悪な人だったらどうだったんでしょうね?
結局母は4つの項目を遺言書に残すことができました。
素晴らしい
参考までに料金ですが、
やり直しになったからと言って、公証役場にお支払いする料金が変わるということはありませんでした。
ようするに作成費用のみで、相談や打ち合わせは無料ということ。
ただし証人には都度謝礼が発生し、公証役場に支払うのではなく直接の支払いでした。
【結論】
公正証書遺言を作成する場に立つという事は、
私達が職場の面接を受けるくらい緊張するものだと思います
1度や2度失敗しても大丈夫。緊張は誰だってする
「私はこれとこれだけは絶対に遺言に残したいんだ」という気持ちがブレさえしなければ、
公証人の先生はずーっと待っててくれますよ♡
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