【マンガ感想】
『センゴク天正記 13巻 (宮下英樹)』
センゴク天正記(13) (ヤンマガKCスペシャル)
宮下 英樹 講談社 2012-02-06 by G-Tools |
過去記事はこちら → センゴク 1巻~11巻 12巻 13巻 14巻 15巻
センゴク天正記 1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻
【あらすじ】
[中国攻略編、開帳!! 毛利家は如何にして西国の覇者となったのか‥‥!?] 下剋上による競争が激化し、揺れる織田家中‥‥。過酷なる出世争いの中で生き残るべく、羽柴秀吉は、山陰山陽の覇者・毛利家との全面戦争に着手する‥‥!! 毛利元就による遠大なる国造りと、それを受けついた次世代の飛躍により、西国を統べる巨大国家の実体とは!?
『仙石権兵衛秀久』という実在の人物を主人公とした戦国時代マンガ。
圧倒的な画力、史実と創作の絶妙な融合、そして素晴らしい人物描写。
現在連載中の歴史マンガの中でも、最高峰と言っても間違いない作品です。
この作品が面白いところは、『仙石権兵衛秀久』という主人公がいるものの、
実際には、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康など時代の権力者を主役として時代を動かしている点です。
あくまで、『仙石』は、彼らの一武将に過ぎず、歴史イベントに大きく関わってくることはない。
時代の権力者たちが行った『有名な戦』・『有名なイベント』を多少脚色して描きつつ、
その時、一武将である主人公がどのような行動を取ったのかを描いた作品なのです。
戦国時代のファンならば、必見の作品だと思います!!
さて、この『センゴク天正記』は、前作・『センゴク』の第2部に当たります。
誤解が無いように最初に書きますと、仕切り直しということで、12巻表示されておりますが、
この作品は、実質的『センゴク』の27巻目に当たります。
つまり、前作・『センゴク』を読んでいないと、面白さ半減は間違いないです。
やはりまずは前作・『センゴク』を読んで戴きましてから、この作品に手にしてくださいませ。
----------
ここからは、13巻の感想。
本願寺を攻略し終えた『織田信長』は思い切った内部改革を行うこととなる。
それは、『織田信長』が幼少のころから織田家に仕えている重臣・『佐久間信盛』の追放である。
この突然の重臣の追放は、織田軍全体に大きな動揺を与えていくこととなっていく・・・。
という感じで始まったのが13巻でして、本願寺を攻略し終えた『織田信長』は突然、
重臣・『佐久間信盛』を追放し、内部改革を行うこととなりました。
そんな13巻で面白かったのは、やはり『佐久間信盛』の追放劇ですね。
『佐久間信盛』とは、『織田信長』の父親・『織田信秀』に仕え、さらに『織田信長』の家督争いの
際に、『織田信長』を支持したというこの時点で、最古参の『織田信長』の重臣の一人です。
殿戦を得意とした武将であるらしく『退き佐久間』と呼ばれおり、この作品では『三方ヶ原の戦い』で
その活躍が描かれました。
そんな重臣・『佐久間信盛』が、突然、『織田信長』により追放されてしまう事件が起こります。
この事件が起こることとなったタイミングは、本願寺攻めが終わった直後でありまして、
本願寺攻めの総大将を務めていた『佐久間信盛』が何故か追放されることとなりました。
追放される理由としては、「本願寺攻めでやる気が感じないし、明智とか羽柴とか柴田に比べて
武功が少ないし、何よりも本願寺攻略が遅すぎんだよ」というような内容でありまして(笑)、
ナント、重臣・『佐久間信盛』は高野山へ追放となってしまいました。
この最古参の重臣の追放劇は、織田軍に大きな動揺を与えることとなります。
特に、織田軍にとって、重臣・『佐久間信盛』の追放の理由が非常にあいまいであると感じて
いたようで、「佐久間信盛が追放された本当の理由は何だ?自分達も追放されてしまうのでは
ないだろうか?」という不安が織田軍を包み込みます(織田信長としては組織自体を大きく
変革したいからこその行動ですが、当然、多くの家臣にとってはそのことは理解できない)。
で、肝心の『羽柴軍』でありますが、『羽柴軍』自体に大きな動揺は描かれませんでした。
むしろ、『佐久間信盛』の追放をきっかけに、さらに功を上げようと頑張っていくような描写が
描かれていきまして(播磨の国の検地と毛利攻めの準備)、物語は中国地方を治めている
毛利軍の方へ移っていくこととなります。
ということで、『佐久間信盛』の追放イベント後は、『毛利元就』及び『毛利軍』にスポットが
当てられていくこととなります。 まあ、これ以降の展開についてはネタバレというか実際に
読まれた方が面白いと思うので詳しくは書きませんが、『毛利元就』の幼少のころから青年期の
話は非常に面白く、ぜひとも外伝という形でより詳しく描いてほしいくらいに面白かったですよ。
恐らく、次巻からは、『羽柴軍』による毛利攻めが始まると思いまして、ますます盛り上がって
行くと思われます。 次巻も楽しみです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【総評】
今巻より毛利攻めが始まりました。
ついでに、『石田光成』も登場してきております。 基本的に、この作品では、主人公の
敵になるキャラクターは格好良く描かれていくので、今後の彼の変貌が気になるところです。
次巻も楽しみです。
点数的には
100点
です。
では、ここまで。