『センゴク天正記 8巻』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『センゴク天正記 8巻 (宮下英樹)』

 

4063618730 センゴク天正記(8) (ヤングマガジンKC)
講談社 2010-03-05

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過去記事はこちら → センゴク 1巻~11巻  12巻  13巻  14巻  15巻

               センゴク外伝桶狭間戦記 1巻  2巻

               センゴク天正記 1巻  2巻  3巻  4巻  5巻  6巻  7巻

 

 

【あらすじ】

『信長公記』『歴代古案』『越賀雑記』『北徴遺文』『北越軍記』『長家家譜』あらゆる史料から手取川合戦を多角的に検証!!そこで何があったのか?今一度 旧来の捨て身の合戦敢行すべし柴田修理亮勝家 史上最も硬骨にして最も愚直な男包囲された七尾城を救援すべく、ついに信長は兵を挙げた。総大将・柴田勝家率いる軍勢は、上杉謙信の勢力圏内へと侵攻。戦国史上においてただ一度、織田と上杉が直接ぶつかり合う“手取川の合戦”は間近に迫った!!

 

 

『仙石権兵衛秀久』という実在の人物を主人公とした戦国時代マンガ。

圧倒的な画力、史実と創作の絶妙な融合、そして素晴らしい人物描写。

現在連載中の歴史マンガの中でも、最高峰と言っても間違いない作品です。

 

この作品が面白いところは、『仙石権兵衛秀久』という主人公がいるものの、

実際には、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康など時代の権力者を主役として時代を動かしている点です。

あくまで、『仙石』は、彼らの一武将に過ぎず、歴史イベントに大きく関わってくることはない。

時代の権力者たちが行った『有名な戦』・『有名なイベント』を多少脚色して描きつつ、

その時、一武将である主人公がどのような行動を取ったのかを描いた作品なのです。

戦国時代のファンならば、必見の作品だと思います!!

 

さて、この『センゴク天正記』は、前作・『センゴク』の第2部に当たります。

 

誤解が無いように最初に書きますと、仕切り直しということで、8巻表示されておりますが、

この作品は、実質的『センゴク』の23巻目に当たります。

つまり、前作・『センゴク』を読んでいないと、面白さ半減は間違いないです。

やはりまずは前作・『センゴク』を読んで戴きましてから、この作品に手にしてくださいませ。

 

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ここからは、8巻の感想。

 
1577年(天正5年)7月、上杉軍がついに能登の畠山氏の七尾城への侵攻が始まる。

しかし、その畠山氏の当主は幼少で、部下達も織田派(長続連ら)と上杉派(遊佐続光ら)に分かれ、

分裂状態であった。 それでも、幼少の当主の決定により、織田へ与すことが決定され、

そのことを受けて、織田軍は総大将を柴田勝家とした北伐が開始される・・・。

 

という感じで始まったのが8巻でして、能登の畠山氏の複雑な内部状況を描きつつも、

ついに『上杉軍vs織田軍』との戦いが描かれることとなりました(『手取川の戦い』)。

 

今巻のメインとなるのは、もちろん『手取川の戦い』ですね。
『手取川の戦い』とは、1577年(天正5年)11月3日の加賀国の手取川で起こった上杉軍と織田軍との

合戦のことでして、上杉軍が当時最も勢いのあった織田軍を一方的に撃破したという合戦です。

 

そんな『手取川の戦い』が描かれることとなったのが今巻でして、畠山氏の内部分裂から始まり、

『羽柴秀吉』による調略の失敗、『羽柴秀吉』の戦線離脱、上杉軍による七尾城の落城、

織田軍の撤退、そして上杉軍による追撃(手取川が大雨で大洪水していた)などが次々と描かれ、

『手取川の戦い』がどのように始まり、どのように終わっていくのかが詳しく描かれております。

 

個人的な一番の注目点は、やはり『羽柴秀吉』の戦線離脱ですね。

この戦線離脱に関しては、一般的に、『羽柴秀吉』と『柴田勝家』との不仲が原因と言われておりますが、

この作品では、上杉軍との戦いを進めようとする総大将の『柴田勝家』と、上杉軍との戦いを避けようと

する『羽柴秀吉』との間で意見の相違があり、『羽柴秀吉』が無断で戦場から去ってしまったという解釈で

このイベントが描かれております。 特に、『羽柴秀吉』が上杉軍との戦いを避けようと『柴田勝家』を

説得しようとする様子は印象的に描かれておりまして、新しい考え方で戦をしようとする『羽柴秀吉』と

従来の考え方で戦をしようとする『柴田勝家』との対比が非常に上手く描かれております。

 

で、本編ですが、
『羽柴秀吉』が戦線離脱をしたあとは、『柴田勝家』が『上杉謙信』の巧みな戦略に誘い出され、

洪水で手のつけようの無い手取川を背に戦いを強いられるという状況となっております。
次巻では、この最悪の状況からの脱出が描かれることとなると思われ(『鬼柴加州霞越え』)、
その状況で主人公・『仙石秀久』がどのような活躍をするのかがメインとして描かれるのだと思います。

 

次巻も楽しみです。

 

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【総評】

о(ж>▽<)y ☆ 面白いです。

『羽柴秀吉』と『柴田勝家』との考え方の対比は、非常に面白く読むことが出来ました。

また、『エンマ様(柴田勝家)』の活躍が派手に描かれたのも個人的に面白かったです。
次巻も期待できそうです。

 

点数的には

100点

です。

 

 

では、ここまで。

 

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