『センゴク天正記 6巻』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『センゴク天正記 6巻 (宮下英樹)』

 

4063618145 センゴク天正記 6 (ヤングマガジンコミックス)
講談社 2009-08-06

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過去記事はこちら → センゴク 1巻~11巻  12巻  13巻  14巻  15巻

               センゴク外伝桶狭間戦記 1巻  2巻

               センゴク天正記 1巻  2巻  3巻  4巻  5巻

 

 

【あらすじ】

最先端の史料、取材によって描かれるネオスタンダード!!平成の新[名将言行録]!!上杉謙信と雑賀孫市の“共同戦線”を余すことなく活写!!真説・手取川の合戦、最新解釈!! 殺むる勿れ――一度一線を越えれば屍の山を築く一生とならん―― 雑賀孫市重秀 史上最も異端にして最も誇り高き男信長の越前侵攻によって、窮地に立たされた本願寺顕如は信長打倒の切り札として、戦国最強の傭兵集団・雑賀衆に協力を要請するのだった――。織田、本願寺、そして上杉の、三つ巴のにらみ合いが過熱する!!

 

 

『仙石権兵衛秀久』という実在の人物を主人公とした戦国時代マンガ。

圧倒的な画力、史実と創作の絶妙な融合、そして素晴らしい人物描写。

現在連載中の歴史マンガの中でも、最高峰と言っても間違いない作品です。

 

この作品が面白いところは、『仙石権兵衛秀久』という主人公がいるものの、

実際には、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康など時代の権力者を主役として時代を動かしている点です。

あくまで、『仙石』は、彼らの一武将に過ぎず、歴史イベントに大きく関わってくることはない。

時代の権力者たちが行った『有名な戦』・『有名なイベント』を多少脚色して描きつつ、

その時、一武将である主人公がどのような行動を取ったのかを描いた作品なのです。

戦国時代のファンならば、必見の作品だと思います!!

 

さて、この『センゴク天正記』は、前作・『センゴク』の第2部に当たります。

 

誤解が無いように最初に書きますと、仕切り直しということで、6巻表示されておりますが、

この作品は、実質的『センゴク』の21巻目に当たります。

つまり、前作・『センゴク』を読んでいないと、面白さ半減は間違いないです。

やはりまずは前作・『センゴク』を読んで戴きましてから、この作品に手にしてくださいませ。

 

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さて、ここからは6巻の感想。

 

『武田軍』を退けた『織田軍』は、同盟関係にある『上杉軍』と共に、一向一揆を主宰する本願寺の

影響下にある越前・加賀・越中に戦いを仕掛ける。 その本願寺も、雑賀衆の頭領・『雑賀孫市』や、

西国最大かつ最後の超大国・『毛利家』と同盟を結び、『織田軍』を迎え撃つ事となる。

そんな中、『織田軍』の同盟関係にある『上杉軍』が突如、本願寺側に寝返ってしまい、

そのことにより、『上杉謙信』を盟主とする信長包囲網が築き上がってしまう・・・。

 

というのが6巻のあらすじでして、不可思議なる仁・『上杉謙信』の登場・活躍・裏切りにより、

『織田軍』の絶対的優勢な状況が一変し、『武田信玄』が生きていた時代に戻ってしまいました。

 

そんな6巻の注目話は、もちろん『上杉謙信』の裏切りです。

元々、『織田信長』と『上杉謙信』の同盟関係とは、『武田信玄』の西上作戦の際に、『織田信長』より

同盟の申し出を受けた事から始まりまして(1571年)、『上杉謙信』が『織田信長』との同盟を破棄し、

『本願寺』と同盟を結ぶこととなった1576年まで続いた同盟関係のことです。

とはいえ、この関係が常に順風満帆なわけではなく、戦国時代がゆえに、いつ裏切る・裏切られるかの

腹の探りあいが常に行われており、特に、『織田軍』と『越前・加賀の一向宗』との戦いでは、戦場が

『上杉軍』が守る“越後”と接しているため、下手をすれば『上杉軍』が『一向宗側』に裏切り、

攻めて来る可能性もあり、相当、気を使う戦闘であったようです(この戦いでは上杉軍は動かず)。

 

そして、1576年。

『上杉』より『織田』へ、『上杉』が“賀能越(加賀・能登・越中)”の一向宗を攻め、『織田』が大阪本願寺を

攻めるという同時侵攻案が提案されます。この作戦は“賀能越(加賀・能登・越中)”の一向宗を気にせずに

大阪本願寺へ全ての兵を向ける事ができるという、『織田』にとって願ってもない誘いでして、

当然、『織田信長』はその申し出を受け、4月14日に『大阪本願寺』へ出撃命令を下します。

しかし、『織田軍』が『大阪本願寺』へ攻めている最中に、突如、『上杉軍』が『大阪本願寺』との講和を決め

てしまい、まさかの“越賀一和”が成立し、西国の『毛利氏』を加えた織田包囲網が築かれてしまいました。

しかも、この時期は、『織田信長』が“天王寺砦の戦い”で、雑賀衆の奇襲にあい怪我をしてしまっている

時期でして、さすがの『織田信長』もこの状況には表情を曇らせる描写が描かれました。

 

その『織田信長』ですが、兵の士気を高めるために、自ら民衆の前に立ち、会見を行う事となります。

『自らの政策が失敗と認めたこと』・『越賀一和の義が偽りである事』・『いまだに下克上の世であること』を

宣言し、いずれ行われるであろう『上杉軍』との戦闘を予告する事となりました。

そのシーンでの『織田信長』は、カリスマ性に溢れ、非常に格好良く、必見であると思いますよ(^^ゞ。

 

そして、次巻では、ついに『上杉軍』との戦闘が描かれそうですね。

楽しみに次巻の発売を待ちたいと思います。

 

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【総評】

о(ж>▽<)y ☆ 面白いです。

『上杉軍』の裏切りという歴史的な出来事が描かれつつも、主人公・『仙石権兵衛秀久』が仕える、

『羽柴秀吉』と『秀吉家臣団』の成長が描かれておりまして、多くのキャラクターが新登場しました。

ここら辺から、『秀吉家臣団』にも変化が生まれてくるのでしょうね。

(顔出しはありませんでしたが、石田三成もちゃっかりと登場しております)

 

点数的には

100点

です。

 

 

では、ここまで。

 

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