【マンガ感想】
『センゴク天正記 5巻 (宮下英樹)』
センゴク天正記 5 (5) (ヤングマガジンコミックス)
宮下 英樹 講談社 2009-05-01 by G-Tools |
過去記事はこちら → センゴク 1巻~11巻 12巻 13巻 14巻 15巻
【あらすじ】
武田・長篠から上杉・手取川へ強敵を次々と破り、勢力を急拡大する織田信長……長篠合戦編、完結!!そして衝撃の新章開帳――!!織田鉄砲隊の包囲一斉射撃により武田の主力部隊は殲滅された!! さらに武田最強の男・山県昌景までもが鉄砲隊の前に討死――!! 壊滅状態となった武田軍は、不死身の鬼美濃・馬場信春を殿軍に、悲壮なる撤退戦を始めるのだった!! “長篠の合戦編”、ここに完結す!!
『仙石権兵衛秀久』という実在の人物を主人公とした戦国時代マンガ。
圧倒的な画力、史実と創作の絶妙な融合、そして素晴らしい人物描写。
現在連載中の歴史マンガの中でも、最高峰と言っても間違いない作品です。
この作品が面白いところは、『仙石権兵衛秀久』という主人公がいるものの、
実際には、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康など時代の権力者を主役として時代を動かしている点です。
あくまで、『仙石』は、彼らの一武将に過ぎず、歴史イベントに大きく関わってくることはない。
時代の権力者たちが行った『有名な戦』・『有名なイベント』を多少脚色して描きつつ、
その時、一武将である主人公がどのような行動を取ったのかを描いた作品なのです。
戦国時代のファンならば、必見の作品だと思います!!
さて、この『センゴク天正記』は、前作・『センゴク』の第2部に当たります。
誤解が無いように最初に書きますと、仕切り直しということで、4巻表示されておりますが、
この作品は、実質的『センゴク』の20巻目に当たります。
つまり、前作・『センゴク』を読んでいないと、面白さ半減は間違いないです。
やはりまずは前作・『センゴク』を読んで戴きましてから、この作品に手にしてくださいませ。
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さて、ここからは5巻の感想を。
中央突破を図り、主人公達が守っていた第1・第2の柵を突破してきた『真田軍』・『内藤軍』に対して、
『織田軍』が5方向からの『殺し間』を仕掛けたことで、一瞬にして『真田軍』・『内藤軍』が全滅。
そのことで戦況が一変し、『武田軍』の殿戦が始まることとなる・・・・。
前巻で、有名な『3000丁の火縄銃による三段撃ち』により一気に情勢が『織田軍』に傾き、
『武田軍』による殿戦・『織田・徳川連合軍』による追撃戦が描かれることとなりました。
この殿戦・追撃戦での注目点は、やはり『武田軍』の『武田勝頼』に対する忠誠心の高さですね。
私の歴史知識では『武田勝頼』は嫡子ではなかったために、『山県昌景』・『馬場信春』・『高坂昌信』など
武田軍を支えている老兵達との確執があり(義信事件も影響有り)、勝頼独自の部下と、
『山県昌景』・『馬場信春』・『高坂昌信』などの老兵が対立していたと思っていました。
そのため、過去にこの作品で描かれた『山県昌景』・『馬場信春』・『高坂昌信』らが、
『武田勝頼』に対して、『武田信玄』と同等の名将とするための教育を行ったことは驚きでしたし、
『山県昌景』、『馬場信春』らが、自らの命をかけてまで『武田勝頼』を守ったことも驚きでした。
『武田勝頼』がこの戦いで失ったもののは多いですが、得たものもあったという描写は良いですね。
彼がこれからどのように描かれていくのか、ますます気になります。
で、そんな忠誠心の高い部下達の必死の殿戦により、『武田勝頼』は無事信濃に戻る事ができまして、
長かった長篠の戦が今巻で終了します。 最強と呼ばれていた武田軍を倒した織田軍は、
その勢いのままに一向一揆を主宰する本願寺の影響下にある越前・加賀・越中に戦いを仕掛けます。
そして、そんな中、織田軍の同盟軍として、ついに最後の大物・『上杉謙信』が登場します。
この不可思議なる仁の登場により、常勝し続けている織田軍に誤算が生じ始めるらしいのですが、
それは次巻以降となりました。 次巻の発売がますます楽しみになってきました。
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【総評】
о(ж>▽<)y ☆ 今巻も面白かったです。
長篠の戦の殿戦+『馬場信春』の活躍は素晴らしく、一気に読んでしまいました。
また、今巻では、主人公・『仙石秀久』と『野々村幸成』の娘・『お藤』との縁談話があり、
モテない主人公・『仙石秀久』の元にも、ついに嫁さんが来ることとなりましたし、
最後の大物・『上杉謙信』の登場したのも、物語上、非常に盛り上がる演出であったと思います。
次巻の発売日が楽しみです。
点数的には
100点
です。
では、ここまで。