【マンガ感想】
『センゴク外伝桶狭間戦記 5巻 (宮下英樹)』
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センゴク外伝 桶狭間戦記(5) <完> (KCデラックス)
宮下 英樹 講談社 2010-12-29 by G-Tools |
過去記事はこちら → センゴク 1巻~11巻 12巻 13巻 14巻 15巻
センゴク天正記 1巻 2巻 3巻 4巻 5巻 6巻 7巻 8巻 9巻
【あらすじ】
死中に活を求める織田信長が、今川義元の本陣へと迫る!! 戦国時代とは何か!? 乱世とは何か!? 答えは運命の地・桶狭間にある!!戦国史上最も有名な合戦を描く、超絶歴史エンターテイメント!! いまだ謎に包まれた【桶狭間】の真実に迫る決定版!!是非もなし――人間(じんかん)の限り業を尽くすべし今川義元の侵攻に、揺れる尾張――両雄激突の時は間近に迫った……!!遥か後世まで伝えられるこの合戦には、いかなる意味があったのか……!? 人々が飢饉に喘ぐ小氷河期の時代、生への道を指し示す者たちの壮大なる戦記、ここに完結!!
『センゴク』という作品の外伝ストーリー。
タイトル通り、『織田信長vs今川義元』の戦いが行われた桶狭間の戦いまで時代が遡ります。
この作品は、桶狭間の戦いの主役である『今川義元』と『織田信長』にスポットを当てた作品で、
彼らを幼少時代から描き、それぞれに戦国大名として成長していく様子を描く作品です。
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ここからは、5巻の感想。
5巻では、ついに『織田信長』と『今川義元』の両雄の激突が描かれることとなりまして、
あの桶狭間の戦いが始まることとなりました。
そんな5巻のメインとなるのは、もちろん桶狭間の戦いですね。
桶狭間の戦いとは、駿河の戦国大名・『今川義元』が尾張に侵攻した際に、尾張の『織田信長』と
激突することとなった戦いのことで、恐らく、戦国時代の戦いの中で最も有名な戦いであると思います。
この戦いに勝利した『織田信長』は、その後、戦国大名として一気に勢力を拡大することとなり、
逆に、この戦いに敗北した『今川家』は、当主を失ったことで衰退していくこととなりました。
そんな桶狭間の戦いが描かれたのが今巻です。
今巻の始まりの時点で、『今川義元』は『織田信長』の生命線である“津島”・“熱田”という2大商業地の
最初の砦である大高城を攻め取っており、その後、すぐに“熱田”に攻め入るために北上しようとして
おりました。 この時点で、『今川義元』は桶狭間山に本陣を構えており、『織田信長』は中島砦で
『今川義元』の本陣を奇襲しようとしておりました。
そんな状況の中、“奇跡の雨”が降り出します。
その雨は、奇襲しようとしている『織田軍』の動きを『今川軍』に悟らせない役目を果たし、
ナント、『今川軍』の本陣手前まで『織田軍』は気づかれることなく進むことが出来ました。
ちなみに、この作品では、その“奇跡の雨”は小氷河期によってもたらされたものであると
解説しており、歴史の必然としておこったといえるそうです。
そして、ついに今川の本陣に対して、『織田軍』が総攻撃を開始することとなりました。
この時点で、『今川本陣』には5000人、『織田軍』は3000人という勢力図であるのですが、
『今川本陣』は、その5000人を山に沿って3つの陣に分けてしまっているため、1つの陣の単位では
『織田軍』の数的優位である状況でありますし、突然の奇襲であるため『今川軍』は戦う準備が出来て
いない状況であります。 そんな状況であるため、『今川本陣』は次々と崩されてしまい、『織田軍』は
一気に『今川義元』のいる第3陣まで攻め入ることとなります。 『今川義元』はその圧倒的不利な
状況に逃げることなく、ナント、逆に『織田軍』に単騎で突っ込んでいくという暴挙に出ることとなり、
最終的に、『毛利新助』によって討ち取られてしまいました(最後の戦闘シーンは、ぜひとも実際に
読んでいただきたいので、詳しくは書きません)。
『今川義元』の死後は、外伝に登場した人物達のその後が描かれつつも、本編の『センゴク』へ
繋がっていくエピソードが描かれていきました。 なので、恐らく、この外伝を読んだ後に、
本編を読んでいけば、より面白く読むことが出来るのではないかと思われます。
(まあ、とはいえ、本編だけで、24巻も出ているので、手を出しにくい作品であるわけですが・・・)
いや~、面白かったですよ。
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【総評】
今巻で、外伝が完結です。
全体的にみれば、この作品らしいストーリーであったものの、『お金』という取っ付き難いテーマを
取り入れてしまったために、万人受けしにくい内容であったと思います。 とはいえ、メインテーマで
ある桶狭間の戦いは面白く、個人的には大満足の出来でした。 本編も楽しみです。
点数的には
90点
です。
では、ここまで。