パンに使う小麦粉の種類と国産小麦について | ハードパンマニアな元パン職人の講師が教える・パン屋レベルの本格バゲットが、おうちで焼けるようになるパン教室【東京都杉並区高円寺】

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フランスパンに力を入れる大手ベーカリーの、ハードパン大好きな元パン職人・宮脇弥生です。

家庭用電気オーブンを使って、プロレベルのバゲットなどハードパンが焼けるようになる教室、通信動画講座を主宰。

【東京都杉並区高円寺】

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パン作りに使う小麦粉は、含まれるたんぱく質の量によって

①強力粉(11.5~13.5%)
②準強力粉(10.5~12.5%)
③中力粉(7.5~10.5%)
④薄力粉(6.5~8.5%)

の4つに分類されます食パン(↑カッコ内はたんぱく質含有量)

作りたいパンのジャンルやイメージによって、この4種類を使い分けたりブレンドして使ったりします。

①強力粉
たんぱく質含有量 11.5~13.5%

例)カメリヤ(日清製粉)、イーグル(日本製粉)、はるゆたか(江別製粉)など

強力粉はたんぱく質=グルテン含有量が多いため、弾力のある強い生地ができます。
ハード系以外だいたいのパンに当てはまりますが、ふっくらとボリュームのあるソフトに仕上げたいパン向きの粉ですパン

また、たんぱく質含有量13%以上の強力粉を最強力粉といいます。

例)スーパーキング(日清製粉)、ゴールデンヨット(日本製粉)など

この最強力粉はたんぱく質含有量が多いため、窯伸びが抜群に良いパンになります。(=ボリュームが出る)

が、逆に生地が強くなり過ぎてしまうので、強力粉や準強力粉などとブレンドして使うことも多いです。

私が普通の食パンを焼くときはスーパーキングとカメリヤを50%50%の配合で作りますが、窯伸びと食感のバランスがいいですよひらめき電球


②準強力粉
たんぱく質含有量10.5~12.5%

例)リスドオル(日清製粉)、Fナポレオン(日本製粉)、タイプER(江別製粉)など

主にハード系のパンやクロワッサンに使う粉で、皮はパリッと中身はモチッとした食感に焼き上がりますコッペパンI

フランスパンに強力粉と薄力粉をブレンドして使用するレシピをたまに見ますが、 準強力粉で作ったフランスパンと比べると全く違います。
準強力粉のフランスパンの方が断然風味も味わいもよくおいしいです。(←体験済み)

理由は私もよくわかりませんが…
予想としては、
◎準強力粉は主にフキラキランスパン専用粉であり、粉以外に粉末麦芽が入ってれていること(=デンプンの分解を促進する酵素を含む)
◎強力粉+薄力粉だと準強力粉に比べて灰分が低くなる組み合わせが多いため、粉の風味や味わいに劣る

といったところでしょうか。
あ、上記は私個人の予測ですひらめき電球


③中力粉
こちらはパンにはあまり使用せず、めんやお菓子に使うのが主な粉なので省略します。


④薄力粉
たんぱく質含有量6.5~8.5%

例)バイオレット、スーパーバイオレット(日清製粉)、ドルチェ、ファリーヌ(江別製粉)など

こちらもお菓子が主でパン単体にはあまり使用しませんショートケーキI
たんぱく質含有量が少ないのでグルテン形成が少なく、弾力も粘りもそれほど出ずサックリと仕上がるため、グリッシーニやスコーンには使ったりします。

ちなみに角食パンを薄力粉で作ってみると窯伸びせず、型8分目までホイロを出してから窯入れしても蓋まで生地が届きませんガーン(←体験済み)
普通にパンの形にはなり食べられはしますが、食感ももっちり感がなく、歯切れが良過ぎてサックリしていました。


◯国産小麦について
小麦粉の産地は国産以外ではアメリカ、カナダ、オーストラリアのものが多いです。
国産小麦はその輸入小麦粉に比べてたんぱく質含有量が少なく、その質も弱めという性質クッキーあります。
なので、輸入小麦で作る生地よりミキシング時にはベタつきやすく弾力もさほど出ません。
また同じように焼いてもボリュームに欠ける場合が多いです。
が、きめ細かな食感と小麦の甘さが特徴的です。
ふんわりというよりも、少し重めでどっしりとした感じです。
粉メーカーの江別製粉は全て国産(北海道産)の小麦粉を扱っていますクローバー
(あ、日清製粉などでも国産小麦はありますよ。)

ちなみに私は準強力粉ではフランス産のT65という粉が風味、味わいともに好きなのですが、お値段が結構高いんです。
(パン屋時代にお店で使っていました)

で、それに似た粉を探して見つけたのが、準強力粉のところでも例に出した江別製粉のタイプERです。

以下、商品説明からの引用↓

原材料のホクシン小麦の産地である北海道の気候は、フランスに似た気候。
夏はアッという間に終わってしまい、長い冬は厳しい寒さが続きます。
そのフランスと類似した気候条件で育った北海道産小麦を使って、ハードブレッド用の粉として作られたのがこの「北海道産フランスパン用準強力粉(タイプER)」です。
フランスの小麦粉『TYPE65』に近い仕上がりで、少し黄みがかったクラム(パンの内層)と、パリッとしたクラスト(パンの皮の部分)、そして何よりも小麦本来の味や風味を一層深く味わえます。
この小麦粉で作る生地は非常に柔らかくベタベタとした扱いにくいものですが、焼き上がったパンはキラキラした光沢のある大きな気泡があり、柔らかな甘みと香ばしい香りが感じられます。

引用終わり。

私が知るところ、冨澤商店で買うのが一番安いのですが、重たいので少し(¥50/㎏くらい)高くなりますが通販でも売っています。
タイプER(北海道産フランスパン用準強力粉) 1kg 1袋