来年の大河ドラマ【鎌倉殿の13人】の主人公・北条義時が開いたお寺が奥鎌倉でも知られる二階堂にあります
(画像引用元:NHK公式HP)
二階堂は瑞泉寺や鎌倉宮・永福寺跡がある
鎌倉の中でも奥に位置し
中世鎌倉の佇まいが残っているエリア
瑞泉寺
奥州藤原氏の鎮魂のために作られた永福寺
土牢のある鎌倉宮
鷲 峰 山 覚 園 寺(かくおんじ)
鷲峰山と書いて「じゅぶせん」
宗派:真言宗泉涌寺派
開山:智海心慧
開基:北条貞時(第9代執権)
創建:1296年
1218年に北条義時が開いた「大倉薬師堂」が始まりとされています
その後二度と元寇が起きませんようにとの願いから…「覚園寺」として北条貞時が建立しました
(写真は撮影可能な境内前で撮ったもの)
覚園寺は拝観受付所より奥の境内は撮影禁止
そのためネットなどで画像を見ることはありません
言ってみれば
前知識ゼロ
初訪問の私には
「紅葉の名所」「北条義時が開いた」
という情報しかありませんでした
だからこそ、ワクワクする
境内の写真は何一つありません
しかし、目を通して脳裏に焼きつけられた
薬師如来像、日光・月光菩薩像、十二神将像は今も、そしてこれからも
薄れることはないでしょう
それほど素晴らしいお寺でした
薬師如来様が御本尊の場合
脇侍は日光・月光菩薩像
三体で「薬師三尊」と呼ばれます
通常脇侍の日光・月光菩薩像は立っているお姿(立像)が多いですが
覚園寺はどちらも座っておられる坐像
これは珍しいので注目してみてくださいね
そして薬師如来様をお守りする仏様が
「十二神将」
(画像引用元:Wikipedia 京都府・浄瑠璃寺)
十二尊すべて迫力のあるお顔ですが
薬師如来様を信仰する者に寄り添ってくれる優しい仏様
薬師三尊像の両脇に並ばれた十二神将は
見上げる様にして拝観出来ます
2mぐらいはありそうな十二尊それぞれのお姿に、引き込まれるように魅入っていました
現在の十二神将は後に足利尊氏が寺を再興した際のもので
建立当時の十二神将(運慶作)は失われています
不思議な逸話があります
義時の夢に十二神将の一尊である「戌神」(伐折羅大将)が現れ
「来年の将軍参拝には付き添うな」とおっしゃいました
それから一年後
3代将軍・源実朝公が右大臣に就任し
鶴岡八幡宮で式典が行われました
実朝公に付き添っていた義時は
ふと境内にいた白い犬を見ると
突然気分が悪くなり、源仲章に代役を頼み帰宅しました
式典中、実朝公は付き添いの源仲章もろとも
兄・頼家公の遺児
「公暁」により暗殺されてしまいました
(画像引用元:タウンニュース 鎌倉国宝館の戌神将)
白い犬は夢に出てきた「戌神」(伐折羅大将)の化身で
命を救われた義時は大倉薬師堂を建立することになります
直前で帰る=実朝公暗殺を知っていたのではないかという説もあります
歴史には諸説ありますからね
覚園寺の他に川崎市の能満寺の仏像を手掛けたことがわかっています
覚園寺境内前
仏師朝祐、この十二神将にいたっては
一年に一体ずつ彫ったといわれています
仏師は集団で作仏することが多かった中で
十二年かけてたった一人で彫り上げたことに凄みを感じます
ちなみに覚園寺の十二神将は
大町の辻ノ薬師堂にあった鎌倉最古の十二神将をお手本にしているそう
(先程の写真。現在は鎌倉国宝館収蔵)
お上から「まだ
」とか
「人手増やしなさいよ
」
など茶々も入ったでしょうね
まるで語りかけてくるような十二神将像は圧巻
百聞は一見にしかず
鎌倉へ来たら覚園寺へ是非
薬師堂内の右奥に安置されている阿弥陀像は
今は失われた理智光寺の本尊でした
鞘(さや)阿弥陀と呼ばれるのは
胎内仏(現在はない)が納められていたことから
この鞘阿弥陀様
文豪・川端康成が大変愛した仏様で
自死する三日前にも参拝に来られたそうです
川端康成の逸話
うなぎが好きだった
鞘阿弥陀様の衣には
鎌倉にしかみられない「土紋」と呼ばれる装飾が施されているのも見どころです
土紋
(画像引用元:東京国立博物館ブログ 写真は同じ鎌倉にある浄光明寺の阿弥陀如来様のもの)
覚園寺境内には他にも
・愛染明王をお祀りする愛染堂
・黒地蔵様をお祀りする地蔵堂
・1706年に建てられ移築された内海家住宅ここも素晴らしかった〜
と見どころがたくさんあります
駅からは徒歩30分程かかりますが行く価値が大いにあるお寺です
(拝観料:大人500円)
お寺の方のお話によると
覚園寺は義時ゆかりのお寺ですが
未だ大河ドラマ関連のオファーがないそうです
では駅へテクトコ歩いてゆきます
大塔宮(鎌倉宮)の河津桜がもう咲き始めていました
ホットなスイーツ
なんてナウな言葉で書いてますが
「おしるこ」で有名なお店です
小町通りと若宮大通の間にちょこんとある
昭和28年創業のお店
お昼ごろでしたが8割の席が埋まっていました
(なので店内写真なしです)
ほとんどの人が頼む「田舎しるこ」(つぶあん)
こしあんの「御膳しるこ」は中々見ないね
甘くほくほくした小豆がたまりません
こんがり焼けたお餅はね、残念なことに1つだけなんです
でもお餅は追加出来るので
女性でも勇気を出してオーダーしてください(笑)
小豆の量が多いので
私には1個がちょうど良かった
寅さんの映画に出てきそうな風情の店内は
お客さん同士の距離は近い
アクリル板もありませんので気になる人もいそう
あ、あとトイレは股関節の筋肉が鍛えられる
和式です
(何の話だ)
店員さんもお店のお孫さんっぽい大学生で(満男的な)
何もかもが愛すべき
ザ・昭和のお店でした〜
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