新型コロナウイルスについて:その20(まとめ) | Just One of Those Things

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巡回途中ではありますが、データが消える前に新型コロナウイルス関連のものを取り急ぎ取り上げます。本来は科学ものデータの枠で、既にネイチャーに報告されたデータがありますが、これは、後日取り上げます。

 

WHOより緊急事態宣言が出ておりますので、下記を熟読してご対処くださいませ。
新型肺炎に関する公式発表と予防について
 
尚、新型肺炎についてのホットラインが厚生労働省が開いておりますので、該当する方は下記にご連絡くださいませ。
新型肺炎 電話相談窓口や予防法は?
 
最新情報は下記でご確認くださいませ。
「新型肺炎」-NHK News Web
 
科学オタクの主婦が危機感から一人でこねまくっております、危機管理シリーズより、新型コロナウイルス編。
 
≪これまでのデータ一覧≫
 
新型コロナウイルスについて。(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その2(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その3(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その4(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その5(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その6(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その7(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その8(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その9(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その10(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その11(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その12(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その13(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その14(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その15(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その16(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その17(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その18(まとめ)」、「新型コロナウイルスについて:その19(まとめ)」。
 
流れを知るためにも、続報を時系列で以下に取り上げていきます。
 
※マスク関連の情報、経済関連の情報はよほどの情報でない限り取り上げていません。
 

 

1月28日。台湾当局は28日、感染症の広がりを受けた中国に関する渡航情報を、3段階のうち最も高いレベルの「警告」に引き上げ、香港とマカオを除く中国への不要不急の渡航を取りやめるよう勧告しました。
 

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台湾 中国への渡航情報 最も高いレベル「警告」に引き上げ
2020年1月28日 18時46分 NHK
 
©NHK

台湾当局は28日、感染症の広がりを受けた中国に関する渡航情報を、3段階のうち最も高いレベルの「警告」に引き上げ、香港とマカオを除く中国への不要不急の渡航を取りやめるよう勧告しました。

一方、台湾の保健当局は28日、新型のコロナウイルスへの感染者が、新たに2人確認されたと発表しました。
 
2人は、いずれも中国の湖北省武漢から今月22日に、観光で台湾を訪れた70代の女性で、2人とも25日に発熱の症状が出て病院で診察を受け、検査の結果、感染が確認されたということです。
 
いずれも隔離されて治療を受けているということです。
 
台湾で確認された新型のコロナウイルスへの感染者は7人となりました。
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1月28日。シンガポール政府は、新型のコロナウイルスの感染が拡大している中国 湖北省の住民などを対象に29日から、入国を禁止することを決めました。
 
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シンガポール政府 武漢のある湖北省の住民らを入国禁止
2020年1月28日 18時47分 NHK
 
©NHK

シンガポール政府は、新型のコロナウイルスの感染が拡大している中国 湖北省の住民などを対象に29日から、入国を禁止することを決めました。

シンガポール政府は、新型のコロナウイルスの感染が拡大している中国 湖北省の住民と、2週間以内に湖北省を訪れた人を対象に、29日から入国を禁止すると発表しました。
 
すでに入国しているおよそ2000人については、体調の変化などについて、電話で聞き取り調査を行っているということです。
 
一方、湖北省武漢から訪れた中国人2人が新型のコロナウイルスに感染していることが新たに確認され、シンガポールで感染が確認されたのは7人となりました。
 
今回の決定について、ローレンス・ウォン国家開発相は「シンガポールを守るため、リスクを最小限に抑えるための措置だ」と強調しました。
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1月28日。韓国外務省は、中国の武漢やその周辺に住む韓国人の帰国を支援するため、30日からの2日間、チャーター機を4回にわたって派遣することを決め、中国側と具体的な調整を進めていると明らかにしました。
 
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韓国人の帰国支援に 30日からチャーター機を派遣 韓国外務省
2020年1月28日 19時01分 NHK
 
©NHK

韓国外務省は、中国の武漢やその周辺に住む韓国人の帰国を支援するため、30日からの2日間、チャーター機を4回にわたって派遣することを決め、中国側と具体的な調整を進めていると明らかにしました。
帰国を希望している人は、およそ700人にのぼるということで、韓国に到着後一定期間、臨時の施設で外部との接触を遮断し経過を見守ることにしています。
 
またチャーター機を使って、マスクや防護服などの物資を送る計画だと説明しました。
 
©NHK

これに先立ってムン・ジェイン(文在寅)大統領は、28日午前、新型のコロナウイルスによる肺炎の患者の対応にあたっているソウル市内の病院を訪問して現場の対応について報告を受け、韓国政府としても国民の不安を解消するため、全力を尽くすと強調しました。
 
韓国大統領府によりますと、今月14日から23日までに武漢から韓国に入国したおよそ3000人について、健康状態などの確認を進めているということです。
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1月28日。中国で新型のコロナウイルスの感染が拡大していることを受けて、現地の日本人を帰国させるためのチャーター機が29日午前中にも羽田空港に到着する見通しです。感染が疑われる人などがいた場合、受け入れる可能性のある都内の病院は態勢を整え備えています。
 
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新型肺炎 病院も態勢整える
2020年1月28日 19時23分 NHK
 
©NHK

中国で新型のコロナウイルスの感染が拡大していることを受けて、現地の日本人を帰国させるためのチャーター機が29日午前中にも羽田空港に到着する見通しです。感染が疑われる人などがいた場合、受け入れる可能性のある都内の病院は態勢を整え備えています。
 
©NHK

東京都は帰国した日本人の中に感染が疑われる人がいた場合、感染症治療のための専用の施設がある都立駒込病院、都立墨東病院、荏原病院、豊島病院の4つの病院で受け入れることにしています。
 
このうち、東京 大田区にある公社病院、荏原病院では感染が疑われる人を受け入れる場合は、救急外来用の入り口から入ってもらい、救急用の診察室1室を専用に使うということです。
 
また、感染症専用の独立した換気システムでウイルスが流出しない「陰圧室」を11用意して、防護服を来た医師や看護師が対応するということです。
 
荏原病院感染症内科の中村ふくみ医師は「ふだんから態勢を整えているので通常行っている感染症対策を徹底して受け入れられるようにしたい」と話していました。

■指定感染症の受け入れ先となる病院は

一方、新型のコロナウイルスが指定感染症に指定される来月7日以降は、全国にある感染症治療のための専用の施設を有する医療機関が受け入れ先になるとみられています。

■千葉大医学部附属病院
 
©NHK

その1つ千葉市の千葉大学医学部附属病院は感染の疑いがある人や感染が確認された人が来院した場合、ほかの外来患者と接触しないで診察室へ入り、検査など受けられるように通路や部屋が分けられています。
 
また対応する医師は感染を防ぐためキャップやゴーグル高性能のマスクそれに長袖のガウンと手袋をつけて診察に当たることにしています。
そして入院する患者のために空気を外にもらさない特別な仕組みになっている感染症病床が5つあり、ベットのほかシャワー室やトイレなども部屋の中に設けられています。
 
この病院では、現状は十分対応できると考えていますが、今後、患者が急激に増えるようなことがあればさらなる対応を迫られる可能性もあるとしています。
 
千葉大学医学部附属病院 猪狩英俊感染制御部長は「この2週間ほどの患者の発生動向を見ると、今の病床数で対応できると思う。ただし、ウイルスが強毒化した場合などは状況が変わるので、行政と相談しながら対応を考えないといけない。中国では新しい治療薬による治験が始まっているので、患者の治療に有効だと分かった場合には、実施への手続きも行いたい」と話していました。
 
また、状況が日々変化していることから1週間ほど前から毎日医師や医療スタッフが集まってミーティングを行い、新型のコロナウイルスに関する最新の情報を共有しています。
 
28日は、中国 武漢から日本人を乗せて帰国するチャーター機が羽田空港に到着する見通しとなったことが報告されたほか、仮に受け入れた患者が重症化した場合、ICUや麻酔科などと連携して対応する方法について話し合われました。
 
今月31日にも、職員全員を対象に患者の受け入れ態勢の説明や、感染を防ぐ方法などを周知する勉強会を開くことにしています
猪狩部長は「きょうは中国からの帰国者がどの空港に着くかが大きな話題となった。ある程度、不確定な情報でも全体で共有することで今後の動きに生きてくると思う」と話していました。

■過去の指定感染症 国内で感染者の確認なし

指定感染症にはこれまでに平成15年に重症急性呼吸器症侯群「SARS(サーズ)」、平成18年に「H5N1型」、平成25年にH7N9型の鳥インフルエンザ、それに平成26年に中東呼吸器症候群「MERS(マーズ)」が指定されていますが、国立感染症研究所によりますといずれも国内で感染者が確認されたという記録はありません。
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1月28日。新型のコロナウイルスの感染が拡大する中国 湖北省武漢から帰国を希望する日本人を乗せるための最初のチャーター機が、このあと午後8時ごろに羽田空港を出発する見通しです。
 
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武漢へのチャーター機 午後8時ごろ出発 約650人が帰国希望
2020年1月28日 19時26分 NHK
 
©NHK

新型のコロナウイルスの感染が拡大する中国 湖北省武漢から帰国を希望する日本人を乗せるための最初のチャーター機が、このあと午後8時ごろに羽田空港を出発する見通しです。

中国の湖北省武漢を中心に新型のコロナウイルスの感染が拡大する中、武漢では空港が事実上、閉鎖されるなど公共交通機関がストップし、現地に滞在する日本人についても帰国が困難な状況となっています。
 
外務省ではこれまでにおよそ650人が帰国を希望していることを確認していて、政府は全日空のチャーター機を手配して、希望者全員を順次、帰国させることを明らかにしています。
 
28日は、その最初のチャーター機がこのあと午後8時ごろに羽田空港を出発する見通しです。
 
航空関係者によりますと、チャーター機には政府関係者などおよそ30人が乗るほか、マスクや消毒液など支援物資も積み込まれるということです。
 
この第1便ではおよそ200人が帰国する予定で、29日早朝に羽田空港に戻る見通しです。

■帰国者への対応

チャーター機を使って中国の湖北省武漢から帰国する日本人について、厚生労働省は搭乗前に発熱やせきなどの症状がないかを確認します。
 
そして、症状がある人はマスクを着用したうえで、ほかの人とは離れた座席に座ってもらうことにしています。
 
また、症状が見られない場合でも2週間程度健康観察を行う必要があり、万が一何らかの症状が出た場合は、最寄りの保健所に連絡するよう呼びかけることにしています。

■支援物資も

羽田空港の国際ターミナルにある航空会社のカウンターでは政府関係者がマスクや防護服、それに体温計などの大量の支援物資を預けるため、手続きをする様子が確認できました。

■東京都が武漢に防護服2万着
 
©NHK
 
中国の湖北省武漢を中心に新型のコロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都は湖北省への支援として医療用の防護服およそ2万着を送ることになりました。
 
防護服は、ガウンやキャップ、ズボン、シューズカバーやゴーグルなど7点がセットになったもので、現地の日本人を帰国させるため28日夜、出発するチャーター機で輸送するということです。
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1月28日。コロナウイルスは、インフルエンザやかぜと同様に、せきやくしゃみなどの飛まつで感染します。
 
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新型肺炎予防 「手洗い」「せきエチケット」が大切
2020年1月28日 20時06分 NHK
 
©NHK

コロナウイルスは、インフルエンザやかぜと同様に、せきやくしゃみなどの飛まつで感染します。

WHOが推奨している予防法や感染を広げない対策は、一般的な感染症対策と同様に、▽手を洗うことと、▽せきエチケットです。
 
▽手洗いは、せっけんと流水で少なくとも20秒間、指の間や爪の隙間などもしっかりと洗う必要があります。
 
また手洗いができない場合は、アルコールなどの消毒薬で手をしっかりと消毒することも効果的です。
 
手についたウイルスは目や口、それに鼻などから入ってきます。手をしっかり洗うまでは顔を触らないようにしてください。
 
▽また、せきやくしゃみなどの症状がある人は感染を広げないためにせきエチケットの徹底が重要です。
 
せきやくしゃみをする時には、手のひらではなくティッシュや腕などを使って口を覆い、使ったティッシュはすぐに捨てて手を洗います。手のひらで口を覆うと手にウイルスがついてしまいます。
 
日本ではマスクの利用が一般的ですが、正しくマスクをつけることも、せきエチケットでは効果的とされています。
 
▽このほか、人混みを避けることや、体調が悪いときは外出しないなど、インフルエンザなどと同様の予防法で対応できるとされています。
 
万が一、発熱するなどの症状があり新型コロナウイルスに感染した疑いがある場合は、いきなり医療機関を受診するのでは無く、あらかじめ電話をするなど、連絡してください。
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1月28日。厚生労働省によりますと今月21日に日本を訪れ、翌日から北海道で観光していた中国・湖北省武漢に住む40代の女性が発熱などの症状を訴え、検査の結果、28日、新型のコロナウイルスに感染していることが確認されました。
 
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武漢から来日 北海道観光の40代女性 新型ウイルスへの感染確認
2020年1月28日 20時24分 NHK
 
©NHK

厚生労働省によりますと今月21日に日本を訪れ、翌日から北海道で観光していた中国・湖北省武漢に住む40代の女性が発熱などの症状を訴え、検査の結果、28日、新型のコロナウイルスに感染していることが確認されました。
 
国内で感染が確認されたのは7人となりました。
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1月28日。タイの保健省は28日、新型のコロナウイルスへの感染者が新たに6人確認されたと発表しました。6人のうち5人は同じ家族で、6歳の子どもが含まれ、1週間ほど前に中国の湖北省武漢から旅行でタイを訪れたということです。
 
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新型ウイルス タイで新たに6人の感染者確認
2020年1月28日 20時29分 NHK
 
©NHK

タイの保健省は28日、新型のコロナウイルスへの感染者が新たに6人確認されたと発表しました。6人のうち5人は同じ家族で、6歳の子どもが含まれ、1週間ほど前に中国の湖北省武漢から旅行でタイを訪れたということです。

保健省によりますと、5人のうち1人はタイへの渡航前から体調を崩し、4人はタイに到着したあと体調が悪くなったということです。
 
一方、6人のうちほかの1人は、中国から旅行でタイを訪れた人だということです。タイで、新型のコロナウイルスへの感染が確認された人は、これで14人です。
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1月28日。新型のコロナウイルスによる肺炎をめぐり、野党側が厚生労働省などに行ったヒアリングで、出席した議員が「中国政府の発表よりも実際には患者数はもっと多いのではないか」と質問しました。
 
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新型肺炎 「患者は中国発表の3~4倍の可能性も」厚労省
2020年1月28日 20時31分 NHK
 
©NHK

新型のコロナウイルスによる肺炎をめぐり、野党側が厚生労働省などに行ったヒアリングで、出席した議員が「中国政府の発表よりも実際には患者数はもっと多いのではないか」と質問しました。

これに対し、厚生労働省の担当者は「先週末に数理疫学の専門家から、海外での患者数などをもとに、中国の患者数を計算した数字の提供を受け、実際には発表の3倍から4倍程度の患者がいてもおかしくないという結果だった。それくらいの数を想定していないと、対応が後手に回ると考えている」と述べました。
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1月28日。中国で感染が拡大している新型のコロナウイルスの感染源について、中国メディアは、湖北省武漢にある海鮮市場のほかにも複数ある可能性があるとする専門家の話を伝えました。
 
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新型肺炎「ウイルスの感染源複数か」中国メディア伝える
2020年1月28日 20時34分 NHK
 
©NHK

中国で感染が拡大している新型のコロナウイルスの感染源について、中国メディアは、湖北省武漢にある海鮮市場のほかにも複数ある可能性があるとする専門家の話を伝えました。

中国の雑誌、「財新」の電子版は新型のコロナウイルスによる肺炎の患者について分析している武漢の病院の副院長に取材した内容を伝えました。
 
それによりますと、感染が始まったころの先月上旬に新型コロナウイルスに感染し肺炎を発症した患者4人のうち、3人は海鮮市場に出入りした形跡はなかったということです。
 
こうしたことなどから、副院長は「海鮮市場が唯一の感染源の場所ではなく、複数ある可能性がある」と話しています。
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1月28日。中国で新型のコロナウイルスによる感染が拡大し、中国国内では患者数は4000人に達し、死者は100人を超えた。急速な感染の拡大とともに、インターネット上では真偽がよく分からない「不確かな情報」が広がっている。事実と異なる当局の動き、うその感染者情報、医学的根拠がはっきりしないウイルス対策…。どんな情報が出回り、どう対応すればよいのか、取材した。(国際部 曽我太一 中村源太/ネットワーク報道部 斉藤直哉 秋元宏美)
 
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その情報、信じますか? 広がる新型肺炎
2020年1月28日 20時45分 NHK
 
©NHK

中国で新型のコロナウイルスによる感染が拡大し、中国国内では患者数は4000人に達し、死者は100人を超えた。急速な感染の拡大とともに、インターネット上では真偽がよく分からない「不確かな情報」が広がっている。事実と異なる当局の動き、うその感染者情報、医学的根拠がはっきりしないウイルス対策…。どんな情報が出回り、どう対応すればよいのか、取材した。(国際部 曽我太一 中村源太/ネットワーク報道部 斉藤直哉 秋元宏美)

■武漢の街に人民解放軍!?
 
©NHK

WHO=世界保健機関が「緊急事態」の宣言をするかどうか、緊迫する会合を続けていた今月23日。東京・渋谷のNHKニュースセンターでも、新型ウイルスの感染がどのように拡大するのか、アンテナを高く張り、緊張感が高まっていた。
 
そのとき、NHKソーシャルメディア上の情報をキャッチ・検証する専門チーム『SoLT』から、私たちのもとに連絡が入った。
 
「中国の武漢で、人民解放軍が出動したそうです」
 
くしくもこの日は、中国政府が各地から武漢に向かうバスなどの運行を停止させると発表した日。この対応に軍が出動したとなれば現地で緊迫感が高まっている証として大きなニュースだ。
 
ツイッターには、列車内で迷彩服姿に身を包んだ男性たちが盾を持って並んでいる動画とともに以下の文章が投稿されていた。
 
©NHK

「武警」とは武装警察のこと。軍隊が出動していたわけではないことは分かったが、この情報をそのまま報道するわけにはいかない。私たちは出どころを探った。
 
動画を分析すると、鉄道の路線図が写り込んでいた。「Y」の字を横に倒したような路線は武漢の鉄道網にはない。おかしいぞ。さらに、車内を彩る紫色のポスターには世界的に有名な2つ耳のネズミのキャラクターが描いてあるように見える。
 
©NHK

そこで、私たちは中国版ツイッター、ウェイボーを調べた。すると、ツイッターと同じようなコメントと動画を見つけることができた。私たちが最初に見つけた動画は、どうやらウェイボーから転載されたもののようだ。そして、ウェイボーのコメント欄には、中国語でこう書いてあった。
 
©NHK

これはうその情報の可能性が高い。私たちは出稿を見送った。

■真偽不明の肺炎対策 国内でも拡散

真偽がはっきりしない情報は国内でもすぐに見つかった。多いのが新型コロナウイルスを防ぐのに効果的だとするツイートだ。
 
©NHK

なかでも目立って拡散していたのがこのツイート。
 
©NHK

28日午後1時の時点で、3000を超えるリツイートや「いいね!」を集めていた。
 
©NHK 日本赤十字社和歌山医療センター 古宮伸洋医師
 
本当に効果があるのか。私たちは海外で感染症対策などにもあたっている日本赤十字社和歌山医療センターの古宮伸洋医師に話を聞いてみた。
(古宮医師)

「医学的な根拠がないというのは言えます。ウイルスが胃酸に弱いのは確かですが、のどだけではく、目や鼻の粘膜からも体に入って感染します。この方法についてヒトでの効果を科学的に立証したデータはありません」

感染症が流行するたびにこうした真偽不明の治療法などが飛び交うことについて古宮医師は「科学的に根拠のある予防法は厚生労働省やWHOなどのホームページで公開されています。情報に惑わされず、確認してもらうことが安全だと思います」と呼びかけている。
 
SNS上で拡散したデマを自治体などが否定する事態まで起きている。
 
中国のSNSとされる画面の写真とそこに書かれたことばの和訳を掲載したツイッター。
 
「中国から関西国際空港へ入国した中国武漢人観光客から咳と熱を検知し、病院へ搬送したものの検査前に逃げた。新型肺炎感染者の可能性が高いので大阪に住む人ご注意を」などと書かれ大勢の人によって拡散された。
 
©NHK

これに対し、関西国際空港を運営する関西エアポートでは検疫所などに確認し、その事実はないとしてすぐさまホームページやツイッターで注意喚起を行った。さらに大阪府の吉村知事は「この情報はデマです」とツイッターに投稿し、冷静な対応を求めた。

■どうして目に留まるの?
 
©NHK

こうした情報がどうして人々に注目され、拡散してしまうのか。私たちはツイッター社に話を聞くことにした。
 
担当者によるとツイッターでは独自のアルゴリズムが(コンピューターの計算処理方法)導入されていて、ユーザーの関心が高そうな投稿が優先的に表示されるという。
 
そのうえで「こちらで真偽の判定を行うことはなく、真偽がわからない情報も正しい情報もすべて表示し、ユーザーに判断をまかせている」と話し、内容が正しい投稿が必ずしも上位に表示されるとは限らないとしている。
 
新型肺炎の感染拡大を受け、ツイッター社ではユーザーが真偽がわからない情報に惑わされることを防ぐため、1月26日から「新型肺炎」や「コロナウイルス」などの単語を検索すると、厚生労働省のウェブサイトが最上位に表示されるようにしている。
 
ツイッター社が正しい情報を見てもらうためとしてこうした対応をするのは、「自殺」や「反ワクチン」に次いで3件目だということだ。

■SARSでは無かったSNS

誰もがいつでも、どこでも気軽に情報を発信できるソーシャルメディア。新型肺炎「SARS」が中国やアジア各地を中心に感染が広がった2003年当時、まだ大規模なユーザーを抱えるソーシャルメディアは存在していなかった。
 
1秒間に数千回ものツイートが行われるソーシャルメディア「ツイッター」がスタートしたのは2006年で、毎日、1億人を超えるユーザーが利用している。その3年後に利用開始した中国の「ウェイボー」もいまではユーザー数は4億人を抱えている。

■不確実な情報 背景には不安も
 
©NHK 東京大学大学院 関谷直也准教授
 
不確実な情報がSNSでやり取りされる背景に何があるのか。社会心理学に詳しい東京大学大学院の関谷直也准教授は、人々が「不安」を感じる話題では、悪意のあるデマに限らず、不確実な情報が広がりやすいと指摘する。

(関谷 准教授)
「感染症に限らず、汚染物質による環境問題やテロなどの話題では、人々が目に見えない脅威に脅かされるのではないかという不安を感じやすい。こうしたケースでは情報を得ようとしてコミュニケーションが増加する傾向があり、デマなど不確実な情報が出回りやすくなってしまうので注意が必要だ」

一方で、事態が刻一刻と変わる中で感染症対策などの医療情報をすべて『ウソかホントか』はっきりさせることは難しい、とも。

「感染症対策などの医療情報は、医療関係者の間でも議論がある。状況が変化する可能性もあり、公的機関や医療関係者などの一次情報をきちんと確認することが欠かせない」

■惑わされないためにはどうすれば
 
©NHK

日を追うごとに感染が拡大し続けている新型コロナウイルスによる肺炎。ネットなどで今後も不確かな情報が飛び交うおそれもあるなかで、私たちはどう向き合えばいいのか。
 
取材を通じて感じたのは、誰がどんな根拠を持って情報を発信しているのか、見極めることだ。厚生労働省では患者数や予防法などについて最新の状況をホームページで随時公開している。日本赤十字社などの医療機関でもWHOが公表している対策などを紹介している。
 
この新しい病気についてはまだわからないことが多く、自分は大丈夫なのかと不安を感じてしまうことは否めない。だからこそネットやSNSで流れてくる情報に触れたときには安易に信じるのではなく、ちょっと立ち止まって確認してみることが大事ではないだろうか。
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文字数が上限となりましたので、従来の枠で国宝を取り上げます。
 
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※巡回等ブログ活動が大変遅れており、大変申し訳ございません。
 
 

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