2025年1月5日。夜11時30分。
 

ソウル、論峴洞・観察ログ。

対象:専業主婦43歳、結婚7年目。男児5歳。

経歴:中堅企業マーケティング部 代理まで勤務。退職3年。
 

 

「計算」

 

母へ毎月40万ウォン。

自分のがん保険11万ウォン。

結婚前に貯めた定期預金4,000万ウォン。

母の引っ越し保証金として貸した8,000万ウォン。

自分のために使うお金、月50万ウォン。

 

 

夜11時。

夫が眠ったのを確認して、リビングに出る。

胸が高鳴る。収まらない。

胸だけではない。全身の感覚が一斉にざわつく。

急いで身支度をし、車のキーを握って降りる。

 

まず、車を開ける前に匂いを確かめる。

先に乗らず、落ちている髪の毛から確認する。

それから、

何をすればいい?

 

エレベーターで降りながら、

何を見つけるべきかをずっと考える。

なぜ不安が先に立つのか、そんな考えがよぎる。

夕方、夫にこれ以上聞かなかったのは正解だった。

緊張して、家の中では順序が立たなかった。

 

車のロックを解除する。大きく息を吸う。

助手席をゆっくり開け、スマホのライトを点ける。

床から見る。シートの位置を確認する。

異常はない。

髪の毛も、ティッシュもない。

コーヒーカップも消えている。

 

後部ドアを開ける。

髪の毛、ティッシュ、ペットボトル。何もない。

後ろから助手席の角度を見る。

少し倒れている。元のままだ。

ほっとする。

この気持ちは、何だろう。

 

今度は運転席に乗り、エンジンをかける。

ヒーターを入れ、室内灯をすべて点ける。

もう一度、助手席を見る。

レシート、紙切れ。

あってはいけないもの。

何もない。

温まるヒーターと一緒に、大きな不安が溶けていく。

 

もう

計算しなくて

いい。

 

顔が熱を帯びる。

胸が少し膨らむ。身体の感覚が、かすかに鮮明になる。

なぜだろう。

気が抜けて、しばらく目を閉じる。

涙がきゅっと、眉に触れる感覚。

 

シートに深くもたれると、神経が温かく目を覚ます。

一瞬目を開け、服を整え、車外を確認する。

急いでスウェットパンツの中に手を入れる。

再び目を閉じ、深く呼吸する。

 

ヒーターの温もりを感じた瞬間から、もう十分に感じられていた。

指先の感覚が、なめらかに滑る。十分な転換。

安堵が全身に広がる。

このまま少し長く、目を開けずにいたくなる。

 

短く息を吐く。

パンツから手を抜く。

湿り気の残る指先を、

ハンドル、

助手席のシート、

ダッシュボードに拭う。

 


 

[観察メモ]
 

会わない。情報も受け取らない。

依頼者との距離は、遠いほど計算が減る。

自分を愛することは、計算ではなく、自尊感情から始まる。

だからこそ、誰にも簡単には壊されない。

 

※更新は基本的に1日1話ペースです(状況により前後する場合があります)。
続きも読んでいただけたら嬉しいです。
 

 


 

Ennd
by. N≠N

 


 

 連する察ログ
この記録は、連続した観察ログの一部です。

・何も起きていない、ただ観察が始まっただけ|観察ログ 1
・「重なり」何も起きていない、ただ観察が始まっただけ|観察ログ 2
・「目撃」何も起きていない、ただ観察が始まっただけ|観察ログ 3
・「計算」何も起きていない、ただ観察が始まっただけ|観察ログ 4(この記事)