2024年1月18日。午後9時30分。
ソウル、ノンヒョンドン 観察ログ。
対象:専業主婦・43歳、結婚7年目。男児5歳。
経歴:中堅企業マーケティングチーム代理職まで勤務。退職3年。
彼女の記録です。
夫は大企業の部長職で、役員昇進を控えた最も忙しい時期にあります。
年間で3〜4か月は海外出張に出ています。
韓国では、5歳から塾が最低でも3〜4つあります。
専業主婦でなければ、事実上バックアップは困難です。
送迎、移動、食事まで一日の予定はびっしりですが、
合間の1〜2時間はオンラインショッピングでやり過ごしています。
新婚の頃とは違い、
夫が部長職になって以降、関係はかなり疎遠になりました。
仲が悪いわけではありませんが、
出張が多く、子どももいるため、
年間の性行為の回数は指で数えられる程度です。
事実上、セックスレスに近い状態です。
それでも、私の欲求は次第に強くなっています。
夫が出張に出ると、
衝動を抑えるのが難しくなります。
夜、子どもが眠ったあとの時間は、
ほぼ欠かさず、そうして過ぎていきます。
ブログを見る短い隙間にも、
気持ちを落ち着かせようとしました。
時には、その速さが
自分の身体を先に行ってしまうこともありました。
ここまで来ていると気づいたのは、
子どもが四歳くらいの頃でした。
ふと振り返ってみると、
その時間の中で、
夫を思い浮かべていなかったことに
自分で気づきました。
いつからだったのかは、正確には覚えていません。
アイドルや俳優、スポーツ選手のような
画面の中の人物を思い浮かべ、
気持ちをそらしていた時期がありました。
しかし、ある時から、
そのリストから
夫の名前が消えていることに気づきました。
今、心が向かう対象は、
とても近いところに移っています。
子どもの塾で会う英語講師です。
40代で、背も低く、
目立つ外見ではありません。
それでも、印象がよく、
いつも私を見ると笑ってくれます。
私が最も孤独だった瞬間、
その表情に
慰められてしまいました。
ある日、
子どもの手を渡すとき、
ほんの一瞬、指先が触れました。
大した接触ではなかったのに、
車に乗り込むと、
心が先に崩れていきました。
息が詰まり、顔が熱くなりました。
目を閉じたとき、
頭の中は
空っぽになったようでした。
何も起きたわけではありません。
ただ最近は、
心があの講師のほうへ
向かってしまうというだけです。
夫が韓国にいるときでさえ。
それでも、
このままではいけないと思うようになりました。
ひとりで過ごすやり方も、
慣れきった選択も、
次第に空虚に感じられるようになっています。
だからといって、
塾の講師とこっそり会うつもりはありません。
子どもに知られる可能性。
その場面を想像するだけで、
恐ろしくなります。
すべての恐怖には、理由があります。
だから今は、
目も合わせていません。
そして、
友人を通じて
「Enndの観察」を知りました。
ちょうどその頃でした。
夫から、
説明しがたい気配を感じていた時期です。
あり得ないと思いながらも、
その名前が
頭から離れませんでした。
不思議と、
そのやり方が
心に触れました。
「彼に自分の状態を質問し、答える。」
その構造を思い浮かべるだけで、
考えが長く留まりました。
彼は私の身近な人ではなく、
私も彼を、
彼も私を知りません。
匿名の長い距離の中で、
私は情報を渡し、
彼は私を観察します。
そのあいだの緊張が、
ゆっくりと高まっていきます。
[観察メモ]
彼女から最初の連絡を受けたのは、
土曜日の夜でした。
冬。
昼に少し雨が降った日でした。
通話は短く、
必要な説明だけを伝えて終了しました。
その後、
電話番号は削除します。
連絡はテキストのみで維持します。
こちらから先に尋ねることはありません。
質問は、
提供された情報に限ります。
※更新は基本的に1日1話ペースです(状況により前後する場合があります)。
続きも読んでいただけたら嬉しいです。
Ennd
by. N≠N
関連する観察ログ
この記録は、連続した観察ログの一部です。
・何も起きていない、ただ観察が始まっただけ|観察ログ 1(この記事)
・「重なり」何も起きていない、ただ観察が始まっただけ|観察ログ 2
・「目撃」何も起きていない、ただ観察が始まっただけ|観察ログ 3
・「計算」何も起きていない、ただ観察が始まっただけ|観察ログ 4