【技術士対策75】六価クロム

国土交通省、環境省のホームページやニュース等で取り上げられたことについて解説します。

今回は、六価クロムについてです。

●秋田県の水質事故

秋田県の由利本荘市の大台地区において、水道水から水質基準を上回る六価クロム化合物が検出されました。

六価クロム化合物の基準値は0.02mg/ℓです。

大台地区の水道水は、最大0.009 mg/ℓ（率にして45%）超過していたそうです。

この水質事故の最大の問題点は、由利本荘市の不正行為です。

由利本荘市は、大台地区の水道水が基準値を超過していることを認識していました。

水質検査の際、基準値以下になるよう、検査用の水道水を２割薄めていたそうです。

水道水を薄めるということは、水処理された純水を使っているわけです。

この不正行為は、2020年から行われていたそうです。

水道水に基準超す六価クロム、再検査で職員が水を２割加える…４年連続「２回目合格」に不審抱かれる（読売新聞オンライン） - Yahoo!ニュース

●六価クロム

六価クロムは、自然中にほとんど存在しません。

鉱山排水、工場排水等が公共用水域に流出し、水道に混入するものです。

六価クロムを大量に摂取すると、腸カタル、嘔吐、下痢等を引き起こし、慢性中毒になると肝炎等の症状があらわれます。

000525200.pdf (mhlw.go.jp)

●対応策

①六価クロムの除去

六価クロムは、凝集沈澱ろ過により除去できます。

浄水場が、簡易なろ過と消毒処理で構成されている場合、薬品注入と沈澱処理を行うための施設が必要です。このため、相応の工事が必要になります。

六価クロムは、逆浸透膜（RO）、イオン交換法、石灰軟化法でも除去することができます。

ただし、これら水処理方法はライフサイクルコストが高いです。

②運搬配水

運搬配水は、給水車を使用して、清浄な浄水場の水道水を配水池に充水して、水供給を行うものです。

大台地区の給水は６世帯であることから、運搬配水も有効です。

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