技術士を目指す人の会

技術士を目指す人の会

勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、宅建士、電験三種等に合格。

●通知

令和8年8月10日付の国土交通省通知では、指定給水装置工事事業者以外の施行が示されました。

https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/watersupply/content/002016417.pdf

 

 

●通知の内容

通知は、以下の①~③で構成されています。

①給水装置工事について、水道法第16 条の2では、水道事業者は「給水装置が指定給水装置工事事業者以外の施行による給水装置工事に係るときは、供給規程の定めるところにより、その者の給水契約の申込みを拒み、又はその者に対する給水を停止することができる。」(第3項)とされています。

②ただし、同項ただし書きでは、「当該給水装置の構造及び材質が前条の規定に基づく政令で定める基準に適合していることが確認されたときは、この限りでない。」とし、例外的な取扱いも規定しており、使用される給水管及び給水用具について、給水装置の構造及び材質の基準(水道法施行令第6条等)に適合することが確認されたも のが該当します。

③指定給水装置工事事業者制度を導入している水道事業者におかれましては、今般の令和8年熊本地震といった災害その他非常の場合にあっては、他の水道事業者が指定した給水装置工事事業者による給水装置工事の施行について、この趣旨に則して適切に対応いただくようお願いいたします。

 

この通知を理解するためには、水道法第16条の2を読み込む必要があります。

水道法第16条の2は、以下の通り、第1項から第3項で構成されています。

 

【水道法第16条の2】

1 水道事業者は、当該水道によつて水の供給を受ける者の給水装置の構造及び材質が前条の規定に基づく政令で定める基準に適合することを確保するため、当該水道事業者の給水区域において給水装置工事を適正に施行することができると認められる者の指定をすることができる。

2 水道事業者は、前項の指定をしたときは、供給規程の定めるところにより、当該水道によつて水の供給を受ける者の給水装置が当該水道事業者又は当該指定を受けた者(以下「指定給水装置工事事業者」という。)の施行した給水装置工事に係るものであることを供給条件とすることができる。

3 前項の場合において、水道事業者は、当該水道によつて水の供給を受ける者の給水装置が当該水道事業者又は指定給水装置工事事業者の施行した給水装置工事に係るものでないときは、供給規程の定めるところにより、その者の給水契約の申込みを拒み、又はその者に対する給水を停止することができる。ただし、国土交通省令で定める給水装置の軽微な変更であるとき、又は当該給水装置の構造及び材質が前条の規定に基づく政令で定める基準に適合していることが確認されたときは、この限りでない。

 

この条文を解説します。

第1項は、水道事業者は、給水装置工事を実施できる事業者を指定できることを示しています。

第2項は、新たに給水を行う際、水道事業者は、指定給水装置工事事業者による施工を条件にできることを示しいます。

第3項は、指定給水装置工事事業者による施工でない場合、水道事業者は、給水拒否や給水停止ができることを示しています。

この第3項には、例外規定があります。

それが「ただし書き」です。以下の2つの例外規定が示されています。

1つ目は、蛇口の取替等、軽微なものであれば自分で行っても良い、というものです。

2つ目は、使用材料が構造材質基準を満たしているなら、指定給水装置工事事業者の施工でなくて許容できる、というものです。

 

改めて、通知の①~③を読み返すと、

①で、水道法第16条の2第3項の内容を示し、②で、第3項の例外規定の2つ目を示し、③で、災害時にはこの例外規定を適切に活用することを示しています。

 

要するに、この通知が意図しているのは、

給水装置工事は、本来、自らの市町の業者が施工するものだが、令和8年熊本地震の被災地では、他都市の業者が施工しても良いので、災害の早期復旧を優先するべきだ。

というものです。

 

●技術士試験対策

給水装置に関する問題は、過去に何度も出題されています。

ただし、給水装置は私有財産です。管理責任は個人にあります。

このため、問題文に少し工夫が必要となり、最近はあまし出題されていないようです。

ここでは、令和5年度の選択科目Ⅱー1-1を紹介しておきます。

スマートメーターに関する問題です。


【問題】

スマート水道メーターの3つの利活用方法とそれぞれの効果を説明し、導入における留意点を述べよ。

 

【解答例】

1 検針の自動化

水道メーターで検針した使用水量データを遠隔で取得する。これにより、検針業務の省力化、料金調停や減免処理の効率化を図ることができる。さらに、積雪等により鉄蓋の開閉が困難な場所、移動に時間を要する離島や山間部等に設置することで検針業務の効率化が可能になる。導入時の留意点として、落雷、電波障害等により欠測、誤動作の可能性を踏まえ、非常時の検針方法を確立した上で、使用者に事前説明を行う必要がある。

2 宅内漏水の検知

一定水量を超過した際に警報を発令する。これにより、宅内漏水を早期発見することが可能になり、顧客サービスの向上、省資源を実現できる。導入時の留意点として、水道使用データが個人情報であることを踏まえ、通信回線に関するセキュリティ対策を講じる必要がある。

3 配水管網の維持管理の高度化

戸別の時間単位の使用水量データを取得・蓄積・解析する。これにより、路線毎の配水量を正確に把握することが可能になり、配水ブロックの流量制御、配水管更新時の口径選定等の最適化を図ることができる。導入時の留意点として、メーター本体、通信費も必要になることを踏まえ、電力・ガス分野との連携を検討する必要がある。

 

 

※ 【技術士対策】の1つ前を読みたい方は こちら をどうぞ

 

●技術士試験対策

※ 【技術士対策110】「上下水道施設の維持管理」を読みたい方は こちら をどうぞ

※ 【技術士対策97】「下水道管路の課題」を読みたい方は こちら をどうぞ

※ 【技術士対策62】「下水道BCP」を読みたい方は こちら をどうぞ

※ 【技術士対策25】「題意」に答えるために何をすればいいのか? を読みたい方は こちら をどうぞ

※ 【技術士対策24】「観点」とは何か? を読みたい方は こちら をどうぞ

※ 【技術士対策20】「DXの推進」 を読みたい方は こちら をどうぞ。

※ 【技術士対策13】「AIによる更新計画」 を読みたい方は こちら をどうぞ。

 

●下水道の基礎知識

※「マネジメントサイクル」については こちら をどうぞ。

※「持続と進化」については こちら をどうぞ。

※「資源の循環」については こちら をどうぞ。

※「水の循環」については こちら をどうぞ。

※「河川の分類」については こちら をどうぞ。

※「下水道による排除・処理」については こちら をどうぞ。

※「新下水道ビジョン加速戦略」については こちら と こちら をどうぞ。

※「特定都市河川浸水被害対策法の解説」については、 こちら をどうぞ。

 

●テキスト

※ 技術士勉強法に関するテキストを見たい方は、 こちら をどうぞ。

 

●二次試験の過去問と解答例

※ 令和7年度の試験問題と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。

※ 令和6年度の試験問題と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。

※ 令和5年度の試験問題と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。

※ 令和4年度の試験問題と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。

※ 令和3年度の試験問題と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。

※ 令和2年度の試験問題と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。

※ 令和元年度の試験問題と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。

※ 平成30年度の試験問題と解答例を見たい人は、こちら をクリックしてください。

 

●予想問題と解答例

※ 令和8年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。

※ 令和7年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。

※ 令和6年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。

※ 令和5年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。

※ 令和4年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。

※ 令和3年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。

※ 令和2年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。

※ 令和元年度の予想問題と解答例を見たい方は こちら をどうぞ。

 

●口頭試験について

※ 技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)の解説を読みたい方は こちら をどうぞ。

※ 口頭試験対策を見たい方は、 こちら をどうぞ。