【技術士試験対策】下水道による資源の循環 | 技術士を目指す人の会

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勉学を通じて成長をナビゲートする講師。
2008年に技術士合格後、「技術士を目指す人の会」を立ち上げ、多数の技術士を輩出。自身も勉学ノウハウを活かして行政書士、世界史検定2級、電験三種に合格。

平成31年度、技術士試験制度の改正により、必須科目が記述式になります。上下水道部門では、上水道共通のテーマについて勉強する必要があります。そこで、新聞や雑誌で取り上げられた水循環、水道、下水道に関する記事のうち、技術士試験で出題される可能性がある事柄について解説をしたいと思います。 

今日は下水道による資源の循環について、お話したいと思います。

 

●資源の循環とは

 下水中に含まれる有機物、土砂、糞尿は、下水処理場で処理を行います。無害な状態にした処理水を公共用水域に放流します。沈殿した下水汚泥が残ります。これについては、以前は焼却して埋立処分していました。その後、産業廃棄物の有効利用の観点から、汚泥のコンポスト化(肥料)、焼却後の灰のセメント資源化を実施するようになりました(ただ、これらの方法は、排出者が業者に対して中間処理費を支払っており、真の意味での有効利用になっていなかった)。

 

近年では、下水汚泥に含まれるエネルギー源を有効活用する方法がクローズアップされるようになりました。具体的には、下水処理場の汚泥処理工程で発生するメタンを燃料として発電を行う「消化ガス発電」、発生した汚泥を加工する「固形燃料化」などです。

 

ちなみに、化石燃料以外の生物由来のエネルギー源を「バイオマス」と呼んでいます。

下水道ビジョンでは、こうした「バイオマス」による資源循環に加え、高効率機器の導入による省エネルギーや自然エネルギーの活用等を推進しています。さらに、下水汚泥に含まれるリン等の資源を採取することや、下水処理場で発生した処理水を公共用水域に放流するのではなく再生水として利活用することも推奨しています。

 

 これら一連の取組を、下水道ビジョンでは「資源」の循環と呼んでいます。

 

ちなみに、下水道ビジョンでは、資源の循環以外に、水の循環を提言しています。

これについては こちら をどうぞ。

 

 

※「下水道による排除・処理」については こちら をどうぞ。

※「新下水道ビジョン加速戦略」については こちら をどうぞ。

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