子どもが熱を出したときの食養生 | 春月の『ちょこっと健康術』

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おはようございます ニコニコ


子どもが熱を出したときの養生法、昨日 の続きです。様子をみたほうがいいケースと、すぐにお医者さんに診せたほうがいいケース、子どもは熱を出すことが多いだけに、あわてずに見極めたいですね。昨日の記事がヒントになれば幸いです。


なぜ子どもは熱を出すことが多いのか?西洋医学的には、免疫力が未熟だから。では、なぜ子どもの免疫力は、おとなよりも弱いんでしょうか?


免疫のしくみについては、「今更ですが、免疫って何?」 で簡単に解説してますが、生まれつき持っているのが1の働きで、これを自然免疫と言います。2の働きは、細菌やウイルスなどの異物に出合うたびに、学習して身につけていくので、獲得免疫と言います。12のコンビネーションの良さが免疫力です。


おとなは長く生きている分、異物との出合いを多く経験していますから、それだけ白血球の経験値が高いワケです。子どもは、ほぼ毎回新しい出合いをするので、経験値の浅い白血球をバックアップするために、平熱も高めで熱も出しやすいというしくみです。「発熱は戦いの印」 ですからね。


東洋医学ではどうか?というと、「子どものからだを東洋医学的にみると」 にあるように、子どもは成長発育のために、相対的に気が盛ん、腎気が盛んなため、体温が高い。衛気 が未熟で外邪 が入りやすく、また稚陰稚陽で陰陽バランスをくずしやすいため、熱を出しやすいと考えます。


子どもが熱を出す原因となる病証 には、おもに次のようなものがあります。それぞれのケースで、食養生によいとされる食材をリストしますね。


① 風寒邪 による発熱

いわゆるカゼやインフルエンザをひいたときで、寒気(さむけ)がして熱が出るケース。鼻水や鼻づまり、頭痛などを伴います。舌苔 薄白。

※熱の原因となっている風寒邪をからだの外に出す(散寒解表)作用のある食材

ショウガ 、長ネギ、シソの葉、香菜、桂皮(シナモン)など


② 風熱邪による発熱

手足口病 のように、寒気がなく熱が出るもの。のどの腫れや渇き、咳、頭痛などを伴い、舌苔薄黄。

※風熱邪を除いて熱を下げる(清熱解表)作用のある食材

→ダイコン、ゴボウ、ナシ、豆腐、菊花、薄荷(ミント) 、葛湯など


③ 暑邪 による発熱

いわゆる暑気中りです。汗と共に気も消耗して、熱が続き、朝はさほどではなくても、午後になると熱が高くなります。

※暑邪を除いて熱を下げる(清熱去暑)作用のある食材

→スイカ、トマト、キュウリ、ゴーヤ、空心菜、蓮の葉、緑豆、豆腐など


④ 食滞 による発熱

食べ過ぎ・飲み過ぎによって消化不良を起こしている状態。食べ過ぎで熱を出すなんて、西洋医学では考えにくいかもしれませんが、医食同源(薬食同源)の東洋医学ならでは。とくに、ジャンクフードのような味の濃いもの、あぶらっこいものは要注意です。

※消化を助けて、滞った未消化物を除く(消食導滞)作用のある食材

→ダイコンの葉、砂肝、麦芽、サンザシ、トマト、ナシなど


⑤ 疳積 による発熱

疳の虫 が強く、慢性的な消化不良で、微熱が続くもの。肌がカサカサして、髪のつやがなく、元気がなく、イライラしやすかったり、不安がったりします。

※弱った の機能を高める(健脾)作用のある食材

→サツマイモ、ニンジン、レンコン、栗、蓮の実、ウズラ肉など


⑥ 陰虚 による発熱

熱を冷ます作用を持つ陰(津液 )が不足しているために、相対的に陽が強くなって熱が出るもの。発熱の度合いはさほど高くありませんが、午後から夜にかけて熱が出て、寝汗をかき、頬や手足がほてります。

※陰を養う(養陰)作用のある食材

→ナシ、リンゴ、バナナ、ユズ、豆乳、白キクラゲ、卵など


⑦ 気虚 による発熱

脾胃の気が不足し、陰陽バランスが乱れて熱が出るもの。午前中または午後に微熱が出ます。からだがだるく、力が入りにくいため、話をすることさえおっくうそうにします。

※不足した気を補う(補気)作用のある食材

→サツマイモ、ジャガイモ、ヤマイモ、ニンジン、ナツメ、ライチ、ロンガンなど


どの熱であっても、熱が出ているときは、外の風に当たらないようにしましょう。「風邪は皮膚から入る?」 にあるように、発熱によって開いたそう理から、風邪が侵入して、症状を悪化させますからね。


熱が出て、食欲がないときは、無理に食べさせることはありませんが、水分補給だけは忘れずに。フルーツや野菜をジュースにしたり、イモ類ならつぶしたり、おかゆにしたり、工夫してくださいね。


一天一笑、今日も笑顔でいい1日にしましょう。


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